ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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満月の夜に見せつけられた、ミャンマー製薬企業の底力とブラック体質

2018年10月24日。タディンジュ満月の連休初日、あちこちにステージが設けられ、ミャンマー人たちはおめかししてお祭り騒ぎの一夜です。ノボテルの大ホールといえば、セレブや芸能人が結婚式をやったり、何かにつけマスメディアに写り込む、帝国ホテルみたいな大舞台です。ではそんな日にそんなホールを貸切る、飛ぶ鳥を落とす勢いは誰か。そして垣間見える現実は・・・現場レポート。

今回はいつもの定点調査研究と、26日からの学会(PRCP2018)でのシンポジウム発表をくっつけての滞在。24日の夕方になってDSMA(軍医医大)の教授が、今日は夜あいてる? ノボテルでご飯食べようよと誘ってきました。てっきり数人で行くのかとおもったら、現場でびっくり。(こういう曖昧な誘い方で、行ったら吃驚というのはもう慣れたつもりでしたが、さすがに今回は・・・)車でノボテル地下駐車場に入ると、なぜか、保健スポーツ省の駐車許可証をダッシュボードに載せた車が多数。あれれ?と思いつつ向かったのは1階大ホール。「LIFELINE」のバカでかい装飾とともに、お揃いの青いロンジー姿のスタッフたちに迎えられます。ドドーンと、1000人は入ろうかという大宴席が、マスメディアで見慣れた(けれど初めて入る)空間に並んでいます。その大部分がミャンマー中の医者たちと、保健スポーツ省役人と、製薬会社社員だというのです。顔見知りの教授たちもパラパラ見えますが、知らない人いっぱい、つまりこのLIFELINEという会社は傘下に何十社もの会社をもっていて、それぞれ得意分野があり、それに応じた各科の医者たちが招待されてるのでした。

舞台にはミラーボールが放つ光線と壁一面のCGグラフィック!

宴が始まると、いきなり壁いっぱいの仏像!が、、、そして司会が登場。

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最初の挨拶ぐらいが英語が入りましたが、あとはミャンマー語オンリー。まあこれはミャンマー人の医者たちを大接待する会ですから仕方ありません。ではひとこともわからない舞台を見て面白いかと言われたら、これが面白いのです!そこから漂ってくるブラックのにおいが!

この製薬企業が15周年を迎えた記念の宴ということで、2003年にヤンゴンから始まり次々とミャンマー中に版図を拡大してゆくグラフィック地図ととに各支店の皆さんの写真が。。。しかし各コマに、人員数とgrowth rate〇〇%と。つまり成績を晒すのです。

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聴衆は顧客のはずなのに。頭の中に??マークが浮かびだしたときに、社員研修の様子が写りはじめます。

ホテル宴会場とおぼしき場所で人間タワーをやらされる!

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海岸に出て、北の某国みたいなマスゲームをやらされる! 「LIFELINE」と社名の人文字が何度も出てきました。

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ちょっとわかりにくいですが、舞台の人の間に人文字が見えます。

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海岸で騎馬戦らしきことをやらされる。ちょっとわかりにくいですが、舞台の踊り手の隙間から、馬役の人がちらりと見えます。

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”仲間意識を醸成”するためのゲームか何かでしょうか。

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表情から緊張感が伝わってくる会議。怖い社長がなんと言ってるのか、たとえ怒鳴っててもミャンマー語ではわかりません。パソコンはMacで揃えてます。リッチですね。

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成績をあげるとグレード高そうなものをもらえます。指輪か何かかな。感極まってこんな顔になってしまいます。こりゃあマインドコントロールが効いてますね。

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 舞台では、社員のみなさんが、一糸乱れぬ統制のとれた踊りを入れ代わり立ち代わり披露してくれます。幹部社員とおぼしき年齢の女性も許してもらえませず、お腹のお肉を1000人の医者たちの視線に・・・(会場のあちこちにスクリーンがあるので後席でもしっかりと見える)

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お馬さんパッカパッカ踊りも・・・

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会場を出ると、さっと社員たちが出てきて、シャッターを押してくれます。あっと言う間に教授とツーショット。

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メニューです。

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これは上座部仏教の仏様ですが、なにやら新興宗教みたいに見えてきてしまうのは私だけでしょうか。

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手土産も全員に配られました。こちらは意外にマトモで、中身は名刺入れとボールペンでした。

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これを見せられたミャンマー人の医師たち、私のテーブルでは、あまり関心なさそうでした。隣のヤンゴン医大の教授は、途中からスマホで新聞読んでました。DSMAの教授は時折、出て来る風景を説明してくれましたが、ブラックの香りをかいでしまう日本人が紛れ込んでいたのは、LIFELINE社の誤算だったのかも(笑)

日本企業のみなさん、マネはしないでほしいのですが、う~ん、これ位なら許されると解釈してしまう向きもあるかなあ。

それにしてもびっくらぽんなお月見の夜でした。

 

 

 

 

 

 

ミンアウンフライン将軍のSNS、FBに続いてロシア版SNSからも気の毒なことに・・・

かつて私も愛読し当サイトでも何度も紹介したミンアウンフライン 将軍のフェイスブック。8月にフェイスブック社からアカウント削除されてしまったのは痛恨の出来事でしたが、今度はロシア版SNSから削除⇒復活⇒攻撃により?機能停止と気の毒な事態に。

 

ミンアウンフライン将軍のフェイスブック、かつてはかなりプライベートな写真、日本の統合幕僚長(当時)から日本刀をもらってる写真だとか、朝日新聞記者(単独)とにこやかに面会する姿だとか、フジテレビを遠景に屋形船で交歓する姿だとか、東京スカイツリーで喜んでる画像だとか、鎌倉大仏に一心不乱に祈ってる写真だとか、日本のメディアには絶対載らないだろうシーンでいろいろ楽しませてくれました。

いつも凝視していた日本のウォッチャーも多く、コメント欄にちょっとメディアをからかった投稿したら、すかさずM紙から反論?が英語で入ったのは思い出です。

そんな楽しいサイトが、フェイスブック社のポリティカル・コレクトに引っかかってしまい8月にクローズされてしまったのは残念な出来事でした。

さらに今回、ロシア版のSNS(VKontakte (VK))で不思議なことに。
イラワジ紙によれば、突然、内容がまったく表示されなくなり丸一日。その後復旧したのだけれど、過去の投稿は消去され”一から出直し”状態になったそうです。

で、管理人がアクセスしてみたところ、出てきたのは以下のスクリーンショット。本人以外に、ファンサイト的なものもあるのですが「Tos攻撃を受けてしまった」「利用規約に反している」・・・もぐら叩きのように閉鎖、閉鎖・・のようです。

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 もちろん、ベンガル人問題の対応で白人たちの不興をかっているのが原因なわけでありますが、軍事機密以外のことならば、あれほどあけすけに公開してくれる軍トップはまずいないわけで(統合幕僚長が大仏参りをしたり、エッフェル塔の上で喜んでる写真なんて、見たことないでしょう)どうしようもありませんが残念なことです。

白人たちの上から目線にめげないでいただきたいです(なんて、お前が言わんでもわかっとるわい!と言われそうですが)。

www.irrawaddy.com

https://www.irrawaddy.com/news/burma/military-chiefs-russian-social-media-account-removed-reappears.html

qz.com

coconuts.co

狂犬病の犠牲者はヤンゴン総合病院「だけ」で今年18例、危険地帯はダラ地区

ミャンマーの街を村を歩けば狂犬病の脅威は常時、肌で感じるわけですが、では実際にもそうなのか。国際的感染症情報サイトも注目する数字は、ヤンゴン総合病院だけで18例亡くなっていると報告。

今年2018年1~7月、ヤンゴン総合病院だけで5328例の曝露後免疫(咬まれてからワクチン接種して発症を防ぐ方法。やりかたは複数あるが基本的に5回接種が必要)を実施、死亡例は18例。

ここからわかるのは、今年の7カ月で18例亡くなっていることはもとより、ヤンゴンで5328人が咬まれて5回接種受けながら不安な日々を過ごしたという事実です。

狂犬病ワクチンは、咬まれる以前に打つ曝露前免疫(日本製は3回接種、最近改定されたWHOガイドラインでは2回接種)と、咬まれてから打つ曝露後接種があります。

通常、ミャンマーへの渡航者へのアドバイスとして(米CDCも検疫所も)、暴露前免疫は動物に接する機会の多い人には推奨の扱いで、全員推奨にはなっていません。しかしながら、7カ月で5328人が咬まれているなら、ミャンマー自体が動物との接触が多い場所ということになるかもしれません。

なお、ソースの国際サイトではさらっと流しておりますが、Most of the victims were from Dala township.」とあります。犠牲者のほとんどは川の向こう側。これがダウンタウンだティラワだヤンキンだインヤーレイクだってことになるとエライコッチャですが行かなければ狂犬病罹患リスクはかなり減らせるのかもしれません。狂犬病のみならずボッタクリも多数棲息していることですし、とりあえず、わざわざ船に乗ってダラに行くのはやめておきましょう

outbreaknewstoday.com

http://outbreaknewstoday.com/myanmar-rabies-18-deaths-recorded-yangon-hospital-29065/

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ミャンマー観光業。トリップアドバイザー他欧米系の陰湿なミャンマーいじめ実態と、ミャンマー観光業自身の問題

ミャンマーの観光業。トリップアドバイザー他の陰湿なミャンマーいじめの実態と、ミャンマー観光業自体の問題点。興味深い論評がイラワジ紙に載っています。

 

要旨:トリップアドバイザーは2018 Travelers’ Choice Awards for the best 25 destinations in Asiaからミャンマー関連を削除。一方でタイ・インドネシアベトナムはコンスタントにリスト入り(ミャンマーだけ仲間外れ)。対してロンリープラネットのベスト20カ国には入っている。トリップアドバイザーでアジア関連を執筆しているペンネーム “Prof. Victor”,  にイラワジ紙が取材したところ、“Asia’s Top 25 Travel Destinations as well as its “Destination on the Rise” list. からミャンマーが削除されていることを認めたものの、その編集責任者や、最近の政治状況が原因であるか否かは明らかにしなかった。

カナダ・英米スカンジナビアのサイトは毎年、人気の国のパンフレットを掲載しているが、こちらもミャンマーは省略。

今年2018年1~6月にミャンマーを訪れた観光客は180万人で対前年度比38000人減。この事態を、ラカイン州の問題のせいだとする分析もあり。ミャンマー政府の目標(希望?)は2020年までに800万人に。隣国タイは年間3538万人(ミャンマーとひと桁違う!)で、人口の過半数に達している。

ミャンマーには1676件のホテル、67350室があるが、ラカイン州の問題が発生以来、観光収入が減少、欧米・中東からの観光客が減少している。

この状況は、2~3年は続くと見られている。

対して、ミャンマー政府はアジア諸国に目を向けている。現在でも観光客の70%はアジアから(ただし滞在期間は欧米客の方が2~3週間と長く、落とす金も多い)となっているが、さらに、日本・韓国人に対しビザ免除、中国人に対するアライバルビザを始める。

ミャンマー観光の問題は、夜間に行く場所がないこと。ナイトバザールなど、夜の魅力を創らねばならない。アウンサンスーチー氏は、交通機関の近代化がなされれば観光客をひきつけられると言っている。

ラカイン州ベンガル人問題でミャンマーのイメージが悪化しているなか、ビジネスパーソンの間では(欧米系含め)あまり影響うけていない一方で、移りげな観光客は足が鈍る一方で、トリップアドバイザーのイジメまがいの陰湿なこともあり観光客減に拍車をかけています。ここは、ビザ免除にも応えて、我々日本人がどしどしミャンマーに遊びにゆくべきでしょう。トリップアドバイザーがそういう態度なら、我らが迷い方、いや、歩き方はどしどしPRして、日本の航空会社も青組だけじゃなく、赤組も飛ばしていただきたいところ。B787導入で、そんなに需要多くないところにも飛ばせるようになったと言ってベルギーやら何やら飛ばしだしているいま、ミャンマーにもぜひぜひ。

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www.irrawaddy.com

https://www.irrawaddy.com/news/burma/analysis-tourism-industry-courts-asian-market-westerners-shy-away.html

 

ミャンマー祭り2018年の光景

例年秋に開催されているミャンマー祭りですが、会場の増上寺工事のため、今年は炎天下6月30-7月1日の開催になり、汗だくの光景になりました。

ちょうどうまい具合に学会(日本産業精神保健学会)の日と連続したので、土曜日ミャンマー祭り、日曜日学会のスケジュールで上京、日本ミャンマー友好協会(東京)のテントでボランティア。こういうボランティアは「人脈つくりと居場所確保と荷物あずかり」に良いですね。こういうファッションに着替えることも出来ますし(笑)

 

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例年に比べて、ちょっぴり淋しいかなと思うのがミャンマー料理のテントが微減。聞くところによると、例年秋だったのが炎天下になって食中毒の懸念から遠慮しちゃった出展者もいたとか。それでもえり好みしなければ供給は十分だったかなという感じ。

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毎年、力を入れてくださるファーストレディー、さすがに今年は時節柄人ごみにまで入ってくるのはハードル高いんじゃないだろうかと誰もが心配しましたが、そんな庶民の懸念はなんのその、しっかりと長時間滞在してNGOに声かけしてくださいました。友好協会のミャンマー子供募金にも入れてくださいました。感謝。

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こちらは”お約束”の大使閣下。ここの会場で初めてお会いしてから、在ミャンマーの日本大使はもう3代目ですが、こちらはずっと東京勤務続けていらっしゃいます。

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さて、ミャンマー祭りの会場は増上寺。今回はじめて、「増上寺そのもの」もしっかり参拝。。。という心境になったのは、割と最近、御朱印集めの趣味を始めたからでもあります。増上寺のユニークなのは、「御朱印は、写経を納めた証としていただけるものである」という、今では知る人も少ない(こともないか。入門ガイドに書いてあります)建前が生きるように一筆写経なるスキームを提供していることでしょうか。塗り絵のように、ガイドにしたがって筆ペンでなぞったものに代金を添えて、いただきます。

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右が、多くの寺社でいただける「代金だけ払ってお坊さんが書いてくれるタイプ」、左が「写経と代金を納めていただくタイプ」です。御朱印初心者の私は、この2種類しか気が付かなかったのですが、あとで友好協会の御朱印ベテランに聞いたところでは、増上寺には御朱印が4種類あるそうです。

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炎天下のミャンマー祭りは例年と勝手が違う点もありましたが、それでも盛況といってよいと思います。

ここの会場に長時間滞在していると、思いもかけない人がミャンマー好きだとわかる副産物も。今回も、大阪の感染症の某大家が会場歩いているのを(まったく想定外に)発見。聞くと以前からミャンマーが好きな国で、厚労省の専門家会議で上京したのでまっすぐに会場にやってきたとのこと。まあ、あちらも、このようなファッションに身を包んだ私にばったり会うのは吃驚だろうなあと(笑)

来年も楽しみミャンマー祭り!

ミャンマーの街角で見かける日本と似たモノ(その3:地元でこんな光景になってしまいました)

地元の新聞、なんだか見たことがあるような光景、そう、イラワジ紙と同じ写真! が載ってしまいました。

西日本の大豪雨。「観測史上初」の文字がメディアに並んでおりますが、この季節のイラワジや7daysやミッチーナみたいな写真がこちらにも・・・

「観測史上初」といわれる位ですから、地元のお年寄りたちも「初めてじゃ」と言うばかり。案外、こういう時のこまごましたノウハウはミャンマーにあるのではないか、そんな気がしておりました。

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とりあえず管理人の身柄は大丈夫です。

 

www.myanmarinfo.jp

 

今週のニューズウィークにはマトモな論説。でも日本語タイトルがぶち壊し

ニューズウィーク誌。欧米メディアの多くと同様、ラカイン州の問題について”白人的上から目線”は以前からあったものの、今週号には欧米系メディアとしては割とマトモな論説が載っています。

著者は歴史学者のピーターコクラニス氏。

まあ、ふつうにミャンマー人の友達がいる人にとってはごくごく腑に落ちる常識的なお話ではありますが、欧米系の上から目線論説に辟易してきた向きには新鮮でもあります。

ひとつ残念なのは、もともと「AUNG SAN SUUKYI IN NOT A MONSTER」というタイトルが付いていたのに、日本語版になったところで「アウンサンスーチーは悪魔になり果てたのか」と、ほぼ正反対のニュアンスのタイトルになっていることです。

日本語版編集部、これはダメダメNG!!

 

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ほぼ正反対の方向に捻じ曲げられた残念な日本語タイトル

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大統領交代後、初のNSDC会合(2018.6.8)

ウィンミン大統領になって初めて、NLD政権になって以来でも2度目のNSDC(National Defense and Secirity council)会合開催。ラカイン州案件。

 

総選挙前の2014年あたりには注目を集めたこのツーショット。最近ではあまり注目も集めなくなりましたが、久々のセキュリティ会合でイラワジ紙のトップを飾りました。アウンサンスーチー氏、ミンアウンフライン将軍、ウィンミン大統領、さらに2人の副大統領など出席。

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2018.6.8に大統領官邸で開催されたセキュリティ会合はNLD政権になってからまだ2回目、ウィンミン大統領になって初めてです。話題はもちろんラカイン州案件のあれやこれや。

バングラデシュから難民帰還、調査委員会、国境警備、先般シンガポールで開催のシャングリラ対話等の覚書署名について討議。

識者コメントでは、政府と軍は両者の意見一致せずラカイン州の問題で行き詰まっているようだと。今回の会合は、政府が難民帰還について国連との覚書にサインすることを軍に知らせることも目的に開かれたようだとコメント(Executive director Ko Ye of the Tagaung Institute of Political Studies)

大統領府は5月31日に昨8月のロヒンギャ武装勢力による警察署襲撃以来一連の出来事に関する三者独立調査委員会立ち上げを宣言している。

6月8日にはUSDPにより、委員会に外国人を含めないように下院に提議し、それを議題に乗せることまで了承されているが、当初予定されていた8日の予定は前日になってキャンセルされている。

まあ、一筋縄でゆくはずもありませんが、二転三転、ウォッチしてゆきましょう。

https://www.irrawaddy.com/news/burma/govt-holds-rare-top-level-security-meeting-on-rakhine-state.html

www.irrawaddy.com

 

 

ミャンマーの街角で見かける日本と似たモノ(その2:伝説の動物は・・)

ミャンマーで見かける似たモノシリーズ、第2回は伝説の動物。

ダラ地区のマイナーな無名寺院をうろついていると遭遇したのがこの者ども。

この2匹をあわせて2で割ったら・・・

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これを連想する人も多いのでは。

無名寺院ゆえ(私も、もう一度正確にここへたどり着けと言われても自信がない)、バスが入れそうにない細い路地沿いにありましたから観光化は難しいかもしれませんが、これは日本人に受けるのではないかと思って見ていました。

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こちらも”親戚筋”ぐらいにはなるかも。(薩摩の国の駅前に鎮座)

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こちらのご尊顔も血筋が同じような・・・(尾張の国の学会会場に鎮座していた)

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民俗伝承、彼我の一般庶民は、思考回路がよく似ていて似たことを考え付くのかなあと思った参拝でした。

 

 

ミャンマーの愛すべきパチモンたち:その2

ミャンマーの愛すべきパチモン(フェイク・コピー)たち。その2は、あの人魚のマークの某珈琲チェーン。

日本ではついにスタバの無い県がなくなり、すべての都道府県に揃いましたが、ここミャンマーではようやく始まったばかり。

が、しかし、影も形もなかった頃から、そのマグカップは買えました。どこで??

正解はルビーマート! なんでもありのあのお店。赤いスタバ、2750チャット、250円ぐらい。

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ミャンマーの人びとも、進出してくる以前から噂には聞いて盛り上がっていたのでしょう。

しかしこういうのは、日本に持って帰り成田/関空の税関で見つかったらどうなるのだろう? 「ロレックスやオメガのマークが入った1000円の腕時計」と同じ運命をたどるのか。あるいは正式に見つかっても正式にお咎めなしなのか。う~ん。

【追記】
見比べ用にアップしておきます。どこがおかしいかなパチモン

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investvine.com

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ミャンマーの愛すべきパチモンたち:その1

ミャンマーの街にあふれる愛すべきパチモンたち。こうしたコピー商品があふれるのは人気の裏返しでもあります。パチモンの溢れかえり方から、庶民の間の愛され度を見てゆきましょう。ときどき不定期にアップ。その1はポケモン編。(パチモンは関西弁でフェイク・コピー商品のこと)

こうやってぬいぐるみが山積みになると必ずのぞいているのがポケモン

ちょっとづつおかしいスノーマンやらプーさんやらと一緒に積みあげられています。

この、床に無造作に積み上げるという陳列方法が高級ショッピングセンター(これはミャンマープラザ)で展開するというのが何とも独特なものがあるのですが、そこに必ず顔を出すのがポケモンです。

でも、インパクトでは顔の上半分リラックマ、下半分豚(!?)が存在感で圧倒していますが・・・

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パチモンに、もっと気軽に会えるのがルビーマート。

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オリジナル色たっぷりになると、もう独自商品と認めてよいかも・・・

パチモン遭遇率ナンバーワンのポケモンミャンマー人のポケモン愛はかくの如し。

二極化著しいヤンゴンの安全衛生水準、現場はこんなに違う

ヤンゴンの工事現場、安全衛生水準が悲惨な状態であることを、以前、労働衛生コンサルタント国家試験の勉強にかこつけてアップしました。それは過去記事を見ていただくとして、一方で、日本の現場と比べてもそう悪くはないよねという場面も、極めて少数ながら目撃することができます。現場の安全衛生水準は極端に二極化しているという現実。

まずは、ボージョーアウンサン通りのあの現場。そのド真ん前の中級ホテルが(研究費予算ではスーレーシャングリラには泊まれない教授の)常宿ですので、毎回至近距離から見ることができます。この現場、2017年までは平凡なミャンマーの現場だったのですが、2018年にはいってメキメキ変わってきました。

 

www.myanmarinfo.jp

 現場。ヘルメットをかぶったりかぶらなかったりバラバラ・・・という状況からは卒業できています。通路、立入禁止区域の設定も出来ているようですね。

 

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この現場、2017年2月までの状況は、あまたあるミャンマーの現場と大差ありませんでした。あやしげな足場と動かない重機(夜中になると動いた)f:id:tabibito12:20171227164211j:plain

2018年にはいるとエアコン完備の立派な現場事務所が立ち、冒頭のような光景に。

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事務所の中も、日本の現場並みには整理整頓がゆきとどいているようです。

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作業員の皆さん。

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防護具は揃っています。履物もゴムサンダルじゃなくて安全靴になっている模様。

掲示類も、日本の常識と大差ないところまできていますね。

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一方で、同じ日の撮影なのにこんな現場が、おなじくボージョーアウンサン通りをほんの徒歩5分ばかりの所に存在しているのも、これまた現実。

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ほんの半年前のショット。生命帯なし、保護帽なし、裸足・・・

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ミャンマーの現場、安全衛生水準は現場によって絶望的なまでの格差というのが現実。この溝を埋めるべく、労働安全衛生法令の改善が望まれます。。。って、すでにJICA専門家あたり、動かぬカウンターパートナーの尻たたいて、って奮闘始めてるのかな。




 

 

ヤンゴン警察が公表する意味深い画像

ヤンゴン警察がFBで拡散している写真がなかなか味わい深いです。偽ウイスキーの下手人をつかまえたぜ! イエーイと晒すのですが、人権状況も透けて見えて来たりします。

なんとか豪邸の末席ぐらいになりそうな民家。空港免税店に並んでいそうなスコッチウイスキーの山を背に写っているのは悪そうなおにいさん手錠付きで。

 

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もうひとり別人。タクシー運ちゃんかな。やはり手錠姿の下手人として。ジョニ赤、シーバスリーガル、バランタインの段ボールが見えますね。

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Bottled in Scotlandと記された新品キャップの山。そうかこの写真はダブリン郊外だったのか・・・なわけないですね:笑

 

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商売道具の数々。

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ジョニ赤、ジョニ黒、ジャックダニエル・・・カラ瓶の流通アングラルートがあるのですね。

ところで、この記事を見て気が付くこと・・・

ヤンゴン警察のFB、一般人の写真はそのまま顔出しですが、犯人の写真はかならず目線が入っています。「犯罪者の人権・プライバシー」についておそらくは先進国警察のお手本に沿っているのでしょう。かつて、EU各国が支援の一環として警察官を派遣してミャンマー警察のスキルアップ支援をおこなったことがあります。前テインセイン政権で警察が学生運動弾圧したとき、そのときのポリスアカデミー写真が流出、学生を弾圧するスキルはEUが教え込んだものだった!と大変不都合なことになりました。(下記記事参照)

 

www.myanmarinfo.jp

 まあこれは何ともタイミング悪かったですが、EU諸国は学生やプロ市民のぶん殴り方だけを教えたわけではなく(笑)、正しい人権、写真のアップ仕方も教えたことでしょう。かくして、犯人は目線入り、(EUが教え漏れた?)一般市民は顔出しそのままということになっているのでしょう。こういうチグハグさもミャンマーの面白さです。


ミャンマー警察FB

https://www.facebook.com/pg/yangonpolice/photos/?ref=page_internal

 

 

ティンチョー大統領、本人姿を現さぬ突然の辞任発表に想う

今日3月21日、ティンチョー大統領が辞任したと大統領府発表。ネット内の反応は、お疲れさまでした・・・と平穏なものが多いようです。

 

イラワジ紙からの事実関係の要旨。
ティンチョー大統領の辞任が3月21日発表された。2年足らずの任期。

彼が、自分の地位からリタイアしたいから辞任した( “as he wants to retire from his duties.”)。7平日以内に後継者が発表される。当面、副大統領第一位のミンシュエ氏が職務代行。昨年から、この衰弱した要望と公式行事の欠席から、健康不安説が流れていた。

ということです。

https://www.irrawaddy.com/news/myanmar-president-u-htin-kyaw-resigns-cites-need-rest.html

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たしかに、このイラワジの写真を見るまでもなく、就任時とは明らかに異なります。しかし、なぜ唐突にいまなのか。誰の目にも明らかな痩せからは、また、国外で治療という話からは、多くの人が思いつくのは、悪性新生物(がん)系のものでしょう。が、しかし、管理人的にちょっと?なのは、それならば辞任会見だとか辞任演説だとか、カメラの前でアウンサンスーチー氏と握手ないし抱き合うだとか、民衆の前で手を振りながら去るだとか、可能なはず。でも本人の姿あらわさず突如の文字だけ発表、これ何なんだと?マーク。イラワジ紙ほかいう処の健康不安説とはまた別の、人前で話すことが困難になる急性健康問題が起こったのかなあと、政治云々は別として、純粋に人として懸念するのです。そうであってほしくないと懸念するのは、血管系のトラブル。脳血管障害や虚血性心疾患(急性心筋梗塞狭心症)。これらは余生のQOLを大きく損ないますから・・・

大統領府のフェイスブック、辞任を伝える記事のコメント欄。
google翻訳にコピペしながら、そこに出てくる要領を得ない英文と格闘するのですが、多くは「ゆっくりお休みください」「今までありがとう」系の穏やかなものが大部分です。

そのコメント群のなかで最も多くの「いいね」を集めているコメント(21日17時時点で1620いいね)、google翻訳通すと「However,Some people want the assignment position Low and not enough to separate Position and power than those who love
Much respect President outbreaks of disease ဆုတောင်းပေးပါတယ်」と、ちょっと政治的ですが、地位に汲々しないことを好感って感じですね。

https://www.facebook.com/myanmarpresidentoffice.gov.mm/photos/a.813483202032751.1073741828.813476528700085/1589814934399570/?type=3&theater

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ティンチョー - Wikipedia

ミャンマーのケンタッキー1号店の定点観測 2018年2月の現状

ミャンマーのケンタッキー1号店。ボージョーアウンサン通りに面する1号店の前はあらゆる社会的階層が通りますので、その中から店内に入ってくる人種はいかばかりか、定点観測すればミャンマー人懐具合の連続的定点観測になるのではないか・・・との仮説のもと、開店間もない頃から訪問のたびに連続アップしています。今回は2018年2月の状況。

今回目立ったのは、「店の前に店がオープンしてること」でした。

店の前のガラスのところに、ちょうど腰をおろせる段があります。青い目の観光客などがよくベンチ代わりに腰をおろしているのですが、ここが商売の場になっている。

私が窓際で人間観察しながらフライドチキンをほおばっていると、店内には入ってこれそうにない風体のおじさんがどっかと座りました。

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すると、おやおや、カバンの中身を並べ始めました。

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なおも観察していると、並べてからわずか10分後に最初のお客が寄ってきました。
結構したたかに値切り交渉をしているようです。

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そして並べてから15分後ぐらいには、もう売れて現金収入を手にしたではありませんか!

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店の前には警備員がいますが、とがめる風もなく、店の外のことはまったく無関心です。

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店内の様子です。前回、2017年9月分で報告したように、2000~3000チャット台の低価格セット路線に舵を切っていますから、ちょっとおこづかい多めの若年層が(以前から見られたけど、もう少し)増えているようです。(隣はお子様連れ)

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低価格セットではない、満腹になるセットはこんなお値段です。

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下膳台の位置、一般店員の動きなどは開店以来、まだ変化がありません。
(日本同様に、お客が下膳台にセルフサービスで片づけるようになった時が、庶民化の目安と考察しておりますが、いまだそうはなっておりません)。

ミャンマー人客が立ち去った直後はこんな様子です。

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日本人(私)がトレイを持って下膳台に向かって一歩踏み出すと、ササッと店員が寄ってきてうやうやしくトレイを受け取るのも変わらず。

2階のベランダは、暑いので人気薄です。それだけにカップルが邪魔されずに2人だけの時間を過ごせます。

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ちょっと残念なのは東側がヒンズー寺院と密着していて、ガラス掃除が不可能なこと。だから東側の窓は訪問するたびに不透明の度を増してゆきます。

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この国で「ハンドメイド」を売りにするって、ちょっとズレてるんじゃないでしょうか。おそらく米国人支社長あたりが考え付いたことでしょうが、こういう国では清潔なオートメーション工場で人の手に触れずにつくられてます・・ぐらいの方がアピールするのではと思います。

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値段表@2018.2

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2018年2月の様子、店内はやや若年層が増えたものの大差には至らず。店外、店の前は急速に庶民化。

 

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