ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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満月の夜に見せつけられた、ミャンマー製薬企業の底力とブラック体質

2018年10月24日。タディンジュ満月の連休初日、あちこちにステージが設けられ、ミャンマー人たちはおめかししてお祭り騒ぎの一夜です。ノボテルの大ホールといえば、セレブや芸能人が結婚式をやったり、何かにつけマスメディアに写り込む、帝国ホテルみたいな大舞台です。ではそんな日にそんなホールを貸切る、飛ぶ鳥を落とす勢いは誰か。そして垣間見える現実は・・・現場レポート。

今回はいつもの定点調査研究と、26日からの学会(PRCP2018)でのシンポジウム発表をくっつけての滞在。24日の夕方になってDSMA(軍医医大)の教授が、今日は夜あいてる? ノボテルでご飯食べようよと誘ってきました。てっきり数人で行くのかとおもったら、現場でびっくり。(こういう曖昧な誘い方で、行ったら吃驚というのはもう慣れたつもりでしたが、さすがに今回は・・・)車でノボテル地下駐車場に入ると、なぜか、保健スポーツ省の駐車許可証をダッシュボードに載せた車が多数。あれれ?と思いつつ向かったのは1階大ホール。「LIFELINE」のバカでかい装飾とともに、お揃いの青いロンジー姿のスタッフたちに迎えられます。ドドーンと、1000人は入ろうかという大宴席が、マスメディアで見慣れた(けれど初めて入る)空間に並んでいます。その大部分がミャンマー中の医者たちと、保健スポーツ省役人と、製薬会社社員だというのです。顔見知りの教授たちもパラパラ見えますが、知らない人いっぱい、つまりこのLIFELINEという会社は傘下に何十社もの会社をもっていて、それぞれ得意分野があり、それに応じた各科の医者たちが招待されてるのでした。

舞台にはミラーボールが放つ光線と壁一面のCGグラフィック!

宴が始まると、いきなり壁いっぱいの仏像!が、、、そして司会が登場。

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最初の挨拶ぐらいが英語が入りましたが、あとはミャンマー語オンリー。まあこれはミャンマー人の医者たちを大接待する会ですから仕方ありません。ではひとこともわからない舞台を見て面白いかと言われたら、これが面白いのです!そこから漂ってくるブラックのにおいが!

この製薬企業が15周年を迎えた記念の宴ということで、2003年にヤンゴンから始まり次々とミャンマー中に版図を拡大してゆくグラフィック地図ととに各支店の皆さんの写真が。。。しかし各コマに、人員数とgrowth rate〇〇%と。つまり成績を晒すのです。

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聴衆は顧客のはずなのに。頭の中に??マークが浮かびだしたときに、社員研修の様子が写りはじめます。

ホテル宴会場とおぼしき場所で人間タワーをやらされる!

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海岸に出て、北の某国みたいなマスゲームをやらされる! 「LIFELINE」と社名の人文字が何度も出てきました。

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ちょっとわかりにくいですが、舞台の人の間に人文字が見えます。

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海岸で騎馬戦らしきことをやらされる。ちょっとわかりにくいですが、舞台の踊り手の隙間から、馬役の人がちらりと見えます。

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”仲間意識を醸成”するためのゲームか何かでしょうか。

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表情から緊張感が伝わってくる会議。怖い社長がなんと言ってるのか、たとえ怒鳴っててもミャンマー語ではわかりません。パソコンはMacで揃えてます。リッチですね。

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成績をあげるとグレード高そうなものをもらえます。指輪か何かかな。感極まってこんな顔になってしまいます。こりゃあマインドコントロールが効いてますね。

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 舞台では、社員のみなさんが、一糸乱れぬ統制のとれた踊りを入れ代わり立ち代わり披露してくれます。幹部社員とおぼしき年齢の女性も許してもらえませず、お腹のお肉を1000人の医者たちの視線に・・・(会場のあちこちにスクリーンがあるので後席でもしっかりと見える)

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お馬さんパッカパッカ踊りも・・・

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会場を出ると、さっと社員たちが出てきて、シャッターを押してくれます。あっと言う間に教授とツーショット。

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メニューです。

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これは上座部仏教の仏様ですが、なにやら新興宗教みたいに見えてきてしまうのは私だけでしょうか。

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手土産も全員に配られました。こちらは意外にマトモで、中身は名刺入れとボールペンでした。

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これを見せられたミャンマー人の医師たち、私のテーブルでは、あまり関心なさそうでした。隣のヤンゴン医大の教授は、途中からスマホで新聞読んでました。DSMAの教授は時折、出て来る風景を説明してくれましたが、ブラックの香りをかいでしまう日本人が紛れ込んでいたのは、LIFELINE社の誤算だったのかも(笑)

日本企業のみなさん、マネはしないでほしいのですが、う~ん、これ位なら許されると解釈してしまう向きもあるかなあ。

それにしてもびっくらぽんなお月見の夜でした。