ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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ミャンマーのケンタッキー1号店の定点観測 2019年9月の現状

ミャンマーのケンタッキー・フライド・チキンの定点観測。2019年9月の現状は、ちょっと縮小傾向が気になる結果になりました。メニューの縮小。スタッフの縮小。

アウンサン通りのケンタッキー・フライド・チキン ミャンマー1号店。店に入って気になったのが、メニューが明らかにシンプルになっていることで、いくつかのパターンのセット群と、パーティー持ち帰り用のバレル。

ちょっとショックなのは、コールスローが消滅したこと。”ミャンマー腹”になっていない(腸内細菌叢が日本モードのままの)、日本から来たばかりの人がミャンマーで比較的安心して食べられる生野菜のひとつがケンタッキーのコーススローだっただけに、事実上、ケンタッキーで野菜が食べられなくなったのは痛いところです。

セットの価格はこの通り。4200チャットは日本円換算で300円強。

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スタッフも明らかに減少。

開店当時に、ちょっと華やかな服を着てドア横に立っていたスペシャルお姉さんは数年前には姿を消していますが、ドアを開閉しながら入れる人を選別?してたガードマンも消滅。時間によってはドアが大きく開放されたままの光景さえ目にしました(時間帯により異なる)。

しかしそれでも、店内の客層は依然として、開店当初から変わっていません。ヘルメットをかぶった人の姿も目に付きますが、清潔なワイシャツを着ていたりします。道向かいの工事現場からですが、作業員というより、監督かその上のレベルの人みたいです。

一食にこの値段が払えない人は、自分から入ってこない。ガードマンを立たせて入口で追い返すという作業をまったく必要としない(ここらへん、穏やかな国民性ゆえでしょう。国によっては、選別を続けないと、物乞いがいっぱい入って来て店内客につきまとうはず)

通りに面した窓には人が座れる程度の窓枠があり、ここに「一食に4200チャットを払えない人々」が溜まっています。すっと物乞いが寄ってきてお釣りを期待されるという事はありますが(私を含め、いくらかあげる人は結構いますが)、その数は少ないです。今回驚いたのは、このスペースで食べものの販売(!)をやってる逞しいおばちゃんを目にしたことで、試しに買ってきたら500チャット。店内でフライドチキンを食べるのの8分の1の”庶民価格”でした。

この画像は「1食4200チャット払える階層と500チャットで終わる階層」を1枚におさめた決定的瞬間。店内でいちゃつくカップルと、店内に入ってこれない貧しい老人と孫。これが2019年もミャンマーの現実です。

 

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これも定点観測点の「食べ終わったものを、セルフサービスで片づけるか否か」は変化なし。片づけ台は依然として(入口側ではなく)店の奥にあり、食べ終わったのを持って立ち上がれば、おにいさんがすっと近づいて受け取ってゆきます。ほとんどの(見た範囲では全ての)客は、テーブルに当たり前のように放置して立ち去ります。

なお、今回、ふと思いだし、スマホの「ケンタッキーフライドチキンアプリ」を立ち上げました。GPSで付近の店舗を教えてくれる検索機能は、この店を教えてくれるだろうかと思いきや・・・表示されたのは「至近の店舗は石垣店、ここから3029km」だそうです(笑) どうやらこのアプリ、日本を出たら役に立たないという事だけはわかりましたが、それにしても馬鹿正直だなあ(笑)

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 まとめ:

1.ミャンマーのケンタッキー1号店、メニューも店内スタッフも縮小傾向でちょっと心配。

2.出入口のドアに立つガードマンは消滅したが、店内に入って来る層は変わっていない(ケンタッキーを食べる余裕のない人は、自主規制して入ってこない)。しかし店の前、窓枠は入ってこれない人が溜まるばかりか、簡易食べ物屋を開店する者までいる。ガラス1枚隔てて、階級社会がはっきり可視化されている。

3.スマホのケンタッキーアプリは日本を一歩出ると役立たない。しかし馬鹿正直なので、ちょっと笑える情報を提示してくれる。

 

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