ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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ミャンマーのケンタッキー1号店の定点観測 2017年9月の現状

ケンタッキー・フライド・チキン1号店、開店の年から継続的観察してヤンゴンの変化を考察するシリーズ。2017年9月の状況です。(過去のレポートは下にリンク貼っています)

2017年後半には少し大きな変化がありました。
ケンタッキー自体が、低価格路線に舵を切り表に打ち出しはじめた件。

店の前に大きく目を引くのが「WOW! SAVERS」「Lunch Savers」と、お値打ち感を打ち出したポスター群。1800~3500チャットに客単価のボリュームゾーンを下げて間口を広げるぞ! という意志が見て取れます。

以前からも、つつしまやかな選択をすれば、こういった値段で物足りない食事をすることは不可能ではありませんでした。しかし、このようなポスターを見かけることはなく、その値段で食べられるボリュームもこのポスターほどのものではなかった。

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さて、では店の雰囲気はどうなったか。

エントランスにスペシャルお姉さんが立ちドアを開けしめして、客を選別(とはちょっと大げさですが、身なりの芳しくない人が入りにくいよう心理的圧力をかけていた)頃とは打ってかわり、一般店員の姿もドアのところには見られません。

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 しかしながら、中に入ってしまえば、その構造・配置は変わっていない。

 下膳コーナーが店の奥に配置されているのは変わらず。出入口付近にあるのが下膳コーナーではなくてケチャップやナプキン置き場であることも変わらず。つまり、客は食べ終わったら一切合切をそこの残して立ち去り、食器は店員が回収して片づけるのを原則とする体制は何ら変わっていない。私としては、この下膳台が出入口付近に移動して客がセルフサービスで片づけるようになった時が一大ターニングポイントと考察するのですが、それはまだ先のようです。

 そして、私が食べ終わったとき、店員の視界範囲内だけれどもこちらを見ていないタイミングで、(日本におけると同様に)自分のプレートを持って立ち上がり下膳台に向かいつつ店員の反応を観察する・・・のを常としますが、その結果は、従来と変わらず。すなわち、弾かれたように店員がこっちに駆け寄ってきて(ミャンマーのサービス業離れした)満面の笑みを浮かべてプレートを(半強制的に)受け取るというレスポンスもまったく同じで、やはりこの空間がスペシャル感を残していることを示します。

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客層は、ケンタッキーの意志がある程度実現し、こうした汗臭さが漂うロンジーおっちゃんの姿が若干増えたような気がします。それでも、前のボージョーアウンサン通りの通行人全体のロンジー着用率に比べて店内のロンジー着用率はまだ少な目です。

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お得セットの価格は実際にもこんな感じ。満腹にはほど遠いですが、とりあえず3000チャット台。

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価格表。

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平均的客層は、まだ完全大衆化はしていませんね。

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ケンタッキー1号店、2017年9月時点の観察は、低価格路線に舵を切り間口を広げ、たしかに若干の効果は認められるが、まだ完全大衆化には至らずという要約になります。

過去の経過は以下ご参照ください。

 

www.myanmarinfo.jp

 

 

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