金色に輝くミャンマーのパヤー(パゴタ)。いかにも維持に手がかかりそうなものですが、その修繕工事の現場は労災と隣り合わせの実態。
お目当てのパヤーに出かけたら足場に覆われた工事中状態でがっかりした・・・という方もおられるかと思いますが、そんな工事中状態をじっくり眺めてみました。
遠くから見ると、美しい金色が見られず一見ガッカリ光景ですが、でも、この足場も精巧で美しいのではないか。そんな思いもあり近づいてみることにしました。
足場の隙間からお揃いの真っ赤な作業着の職人さんの姿が見えます。
しかし、勝手に職人さんの処には行けません。
出入口は1か所に絞られ、ガードマンが目を光らせて部外者をシャットアウト!
職人さんたちを良く見ると、安全帯(命綱)もしていないではありませんか!
これは日本の労働安全衛生法ならNGで、使用者は安全配慮義務違反に問われます。労基署が入ってきたら、こってり絞られるところですが、、、
ちなみに日本では、ハーネス型の安全帯が必要。
ところで、この足場の材質は? 体重かかって大丈夫なの?とは外部者の素朴な疑問ですが、、、
なんだかとっても年季が入ってますね。あちこちのパヤーで長年使いまわされてるんだろうなあという感じ。
もうひとつ、作業員のみなさんがお揃いのロンジーをはいてるように見えてハラハラしたのですが(まあ、日本でも僧衣を着て運転したら違反切符を切られかかって、全国の僧侶がツイッターで僧衣着用の激しいパフォーマンスを披露したなんて騒動もありましたから、ロンジーで工事しても悪くはないのかもしれませんが)、休憩場所に行ってみたら、ロンジーではなくズボンであることが分かりました。
職人さんたちの顔を見ると、若年層中心の理想的な人口ピラミッドのこの国にしては、中年以上の姿が目立ちます。
どうやら、パヤーの修繕にあたるのは、通常の建設労働者とは一線を画したベテラン層でかためているようです。ベテランプロ集団が年季のはいった資材を使って職人技を発揮してゆく・・というのが実態。
でもやっぱり、安全帯なしであんな高い処で作業するのはハラハラするよなあと。経済発展とともに、そうした国際的常識も入ってこれば良いのだがと思いました。
サクラタワーの斜め前の現場のように、日本の労基署が入ってきても文句のつけようが無さそうな現場、日本のゼネコンのノウハウがたっぷり注入された工事現場も出てきていますから、そういった安全衛生のノウハウが、こうしたパヤーにもトリクルダウンしてゆけが、本当に良いのですが・・・