ミャンマーの官憲が政治的訴追をおこなう法的根拠に「17条1項(article17/1)」というものがあり、これは頭の片隅においておくとよいでしょう。
現地マスコミ一斉報道ではなくMizzima紙の地味な記事ですが、地権活動家2名の逮捕という報道があります。Hpa-an地区で、土地を没収された元地主と政府との間の交渉役をするという活動家およびその利用者の元地主が逮捕され禁固2年の実刑となったというもの。
中国はじめ多くの途上国でいくらでも転がっていそうな案件でありますが、このarticle17/1というのは「非合法組織と関係をもったこと(association with an illegal organization)」を理由に適用されるものだとのこと。今回の逮捕者のひとりは88 Generation Karen Student Groupの議長役、つまりカチン族です。
先般の少数民族武装勢力とのあいだの和平協定で、合意に達した組織は合法化されたものの、この条項は恣意的に運用できるもよう。
こういう条項がかの国に存在することは認識しておくべきでしょう。天下をとった権力者が、議会の多数決でもってある集団をillegalだということにすれば、それと関係した者をしょっぴける。今後、NLDが天下をとったところで、これを武器としてゆくのか、たとえば寄り合い所帯NLDが将来、維新やみんなの党や民主党みたいなことになった時、こういう”法的根拠”が存在することがどう活用されるのかされないのか、気になるところです。
Land right activists jailed under illegal organization act | Mizzima