ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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情報省大臣(YeHtut)氏の引退表明はミャンマー情報発信の痛手になるか

これはミャンマーウォッチャーにとって結構ショッキングなニュース。YeHtut(イエトゥー)情報大臣兼大統領報道官の引退表明。

3月に発足するNLD政権において、アウンサンスーチー氏は、NLD議員だけで内閣を固めるのではなく、USDPの流れを組む人材も大臣に就ける可能性を示唆しています(その一方でNLD当選議員を集めた訓示で「大臣になれると思うなよっ!」と厳しい顔を見せたことは日本の報道にも載ったところです)。

つまり、現USDP幹部にも、うまく立ち回り内閣に残れる可能性は無いわけではないのですが、YeHtut氏はこれを求めないと表明。その理由として「自分は十分働いた。これからは家族との時間を大切にしたい」とまあ、いかにも建前ですという発言をしています。政治家発言のこれを額面どおり受け取る人はそういないでしょうが、まあ、飛び交う憶測を羅列するのは当サイトの目的ではありませんからそれは置いといてと。

ミャンマーウォッチャーにとってこの人は非常に貴重な人材でした。”フェイスブック大臣”のニックネームどおり、秘密でないことは何でもかんでも片っ端から個人FBにアップ。テインセイン大統領が新幹線で弁当食ってる写真までアップしたのは有名な話。安倍総理と会ってる場面も、日本の官邸が間違っても出さないようなショットが色々と。

これからフェイスブックを見ても、あの密着写真を見る事はないのは残念です。権力側についた「常人」なら、情報はそうそう出さない。そこでメディアとのせめぎあいが生じるわけですが、たとえば、誰でも見ることができるアウンサンスーチー氏の写真といえば、いつも威風堂々とした外向きのショットばかり。今後NLDの中の人からYeHtut氏なみの情報発信が期待できるかといえば懐疑的です。

なお、情報省および情報大臣のポストは維持されるよう求めています。7000人の雇用維持と政府系メディアの存続。

 

 U Ye Htut (left) speaks during the New Dynamics in Myanmar Media press conference at Chatrium Hotel in Yangon on December 10. Photo: AFP

www.mmtimes.com

世界中のミャンマーウォッチャーに惜しまれながらの”引退”、またいつの日か復活してお目にかかりたいものです。