ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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日本で大騒動の「ヒアリ(火蟻)」ミャンマーはこうなっている

多少なりとも日本の報道に接しておられる方は、ヒアリ(火蟻)で大騒動になっていることは把握しておられると思います。尼崎・神戸港・大阪港・名古屋港・東京港・横浜港、そして内陸部の数か所。ではミャンマーではどうなのか。

日本のヒアリ騒動は大変です。メディアには「殺人毒アリ」「最凶の生物」の見出しが躍ったりしています。とはいえ、まだ入境初期で、刺されてアナフィラキシーショックを起こして亡くなった・・という人は出ておらず、救急システムと医療システムと国民皆保険がしっかりした(119番で無料の救急車がすぐ飛んできて、24時間救急受け入れ病院がそこかしらにあって、保険証示せばさしてお金の心配なく躊躇なく受診を決断できる)日本ではそうそう手遅れになる人は出ないだろうと見ています。

さて、ミャンマーでは・・・

その前に基礎知識をひとつ。

いま日本で騒がれているヒアリ、学名は
Solenopsis invicta  というものです。通称 fireant Solenopsisというのが属の名前です。

これは中南米原産で、貿易のなかで船荷に紛れて米国・中国・台湾・オーストラリアに上陸して定着しました。幸い、まだミャンマーでは報告がありません。これに刺されると火にあぶられるような痛みがありますから、いくらミャンマー人でも「定着しているのに見過ごされる」ことはないでしょう。

しかし、安心するのは早い。

同じ属のSolenopsis geminata というのがミャンマーにもいるのです。通称tropical fireant。直訳すれば熱帯ヒアリとなるはずですが、アカカミアリと日本語名がついています。これの毒成分、抗原となるのが4種類。その一部がヒアリと酷似していて、交叉反応を示します。交叉反応とは、まったく同一物質ではないけれど化学構造が酷似をているものを、われわれの免疫機能が「同じものだ!」と誤解して反応してしまうことをいいます。

前記のアナフィラキシーショックは、初回刺されたときに、その毒成分に対する抗体ができ、二回目に刺されたときに過剰反応してしまうのが原因ですが、この交叉反応がおこると、初回にもかかわらず二回目だと認識してしまうことになります。

つまり、ミャンマーに棲息するアカカミアリ(Solenopsisさん家のgeminataクン)に刺され、以降、米国・中国・台湾・オーストラリアで(ここに、将来の日本で・・と付け加わらないことを願ってますがまったく予断を許さない)ヒアリ(おなじSolenopsisさん家のinvictaクン)に刺されたときにリスクがあるかもしれないというのは覚えておいて損はないでしょう。ミャンマー生活中に、アリに刺されて痛い思いをしたことがあれば忘れずに、将来、受診するときには申告してください。

刺されてしまった!ときの処置は以下のとおりインプットしてください。ハチにも共通して応用できます。(名古屋TVモニターから)

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以下、参考サイトです。私がテレビやラジオで話したものや、参考論文を訳したものなどです。

フジテレビ ネットメディアで話したもの(文字おこし)です。

www.houdoukyoku.jp

TBSラジオで話したものです(ネット環境によりますが、音声が聞けます)

www.tbsradio.jp

同上、動画です。ネット環境が比較的安定している方はこちらでどうぞ

www.houdoukyoku

blog.goo.ne.jp