とりあえずNLDが過半数とりそうだとの報道を前提として、着目点いくつかシリーズで。
まず注目点は、このツーショットの男女。こんなに楽しそうに語らってゆけるのか。そうでないのか(念のため、彼の方はミャンマー軍トップのミンアウンフライン将軍)。
ミャンマー軍現役世代とNLD政権の仲。考えられる方向性はふたつ。
1.ミャンマー軍”現役世代”の意識は実は案外NLDとうまくゆくシナリオ
おじいさん世代の”利権独占の軍事政権ステレオタイプ”から離れて、軍服姿の若者たちの意識は微妙に変化しています。もう1年以上前ですが、私を空港に迎えに来てくれた若い軍医君。道を間違えて戻ったとき(さくらタワーのちょい北あたり)「おマワリさんいないかな」とキョロキョロ。「ええっ、君、軍の人間じゃないの?」と私(その時私の脳裏には、北京勤務時代に日常的に見ていた、傍若無人に私用サイレン鳴らし路側帯走り抜ける中国軍ナンバーのイメージ)。彼いわく「いや、デモクラシーの時代はそうじゃないんだ。でもその方が絶対いいんだ」と力説しながらおまわりさんを気にしていたのでした。同様のエピソードは、ここに書きにくいこともまだいくつか。軍の若い世代は、自分が一般民衆より偉いはずだとはあまり思っていない模様・・とは肌で感じるところです。もしも両方の当事者たちが、交渉能力を備えた大人の交渉者を出してきてリーズナブルな話が出来るなら(←ここんとこ、寄合所帯NLDには予想つかない面があり、ちょっと難しそうなんですが)、こじれなければ未来志向の話になってゆくのかもしれません。
2.軍のおじさん・おじいさん世代がゴネてしまうシナリオ
いわゆる既得権益層がゴネちゃって話がすすまない・・という事象は日本の専売特許とは限らない。軍は世界中どこ行ってもピラミッド縦社会ですから、おじさん・おじいさん世代(まあ、糖尿病を管理する発想も一般的でなく、毎日油ギトギトミャンマーカレーを食べ、定期健診もなく、もちろんメタボだと脅しあげるシステムも無いミャンマーで、おじいさん達がいつまでもいつまでも生き続けて口出し続けることでもないでしょうから、実際にはおじさん世代だけ?)がゴネちゃったらうまく進みません。でも、西側諸国から投資がどっと流れこんでくるうま味を味わっちゃったおじさん達も、(いくら赤組が街頭で暴れても)ヤンゴンど真ん中で銃乱射はもう出来ない。いまさら使えるパワーはEUの品質保証付き機動隊( EUのミャンマーにおける不都合な真実(ポリスアカデミー) - ミャンマーよもやま情報局 )だけです。軍はNG。
もし私が既得権大好きおじさんだったらどうするか?と考えてみました。私なら民衆が、「軍はやっぱり必要だ!」と自然に思ってくれるシーンの演出をするでしょう。幸か不幸か、この国では少数民族との和解が全部片付いてはいません。緊張関係がいくつかの地域で残っている。で、何か所かでわざと「油断」をする。きっと何かが起こりますから、いつだかの麻薬手入れみたくマスコミの皆さんご案内して「現場」へ。ミャンマーのマスコミは流血写真が大好きです。コーカンゲリラ案件では、赤組寄りイラワジ紙もいろいろアップしてました。で、翌日には市民のお茶の間に生々しく配信され・・・そんな「油断」を何か所かでとか。
軍内部の世代間主導権が注目点になりそうです。
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