ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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ラングーン爆破事件で北朝鮮工作員に死刑判決くだした判事の娘が日本で報復殺害されていた(イラワジ紙)

1983年にヤンゴン(当時ラングーン)のアウンサン廟を訪問する韓国の全斗煥大統領(当時)を狙って爆弾が仕掛けられた事件がありました。その工作員のひとりに死刑判決がくだりましたが、判決をくだした判事の娘が日本留学中に自殺に見せかけて暗殺されていたという驚きの外交文書が!とイラワジ紙報道。

1983年、まだビルマの首都ラングーンだった時代、韓国の全斗煥大統領がアウンサン廟を訪問予定されていたところ、廟の天井に爆弾が仕掛けられ爆発するという事件がありました。爆弾は大統領到着の少し前に爆発したので大統領は無事だったものの、その到着を待っていた韓国の副首相や外相など17名、ミャンマー人(当時はビルマ人)4名など犠牲者を出しました。

下手人の北朝鮮工作員は自殺を企てたものの捕まり、有罪判決を受けてインセイン刑務所で肝臓がんで獄死。

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今回報道されているのは、ジュネーブの韓国総領事館から本国にあてた公電。この裁判にかかわった判事の娘は日本留学中の1985年に自殺に見せかけて殺害されたのであり、現場に北朝鮮製の煙草吸殻が残っていたり、娘には自殺しそうな雰囲気はまったく無かったのが理由だと書かれているとか。

日本を舞台にこんな事までやってしまう怖さをまざまざ見せつけられる話です。

なお、この事件で当時のビルマ政府は激怒(←よりによってアウンサン廟とは!と)、一旦北朝鮮と断交となりました。そして2007年に復興、2008年のシュエマン氏率いる友好ツアーとなった経緯もあります。

 

www.irrawaddy.com

ラングーン事件の解説はこちら

ラングーン事件 - Wikipedia