ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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ミャンマーのケンタッキー1号店の定点観測 2016年9月の現状

マクドナルド1号店の定点観測、開店から1年目ちょっと時点の報告。
真っ赤なユニフォームのスペシャルお姉さんは減員になるも、入口ドアに人が立ち入店客の選別的圧力は変わらず、下膳台が店奥にあり店員が下げる基本も変わっていません。客層は庶民化していませんが、中国人が少し目立つようになりました。物乞いが店前に常駐する変化も。

ボージョーアウンサン大通りに面して建つケンタッキー1号店。空港やら高級センターやらに建つ2号店以下と異なり、目の前の通りを「あらゆる階層の人々」が行き交うことから、店にどんな人が入ってくるのか、店内の様子は、システムはと定点観測してゆけば、この国の経済状況がキャッチできるポイントのひとつになるとにらんで、ヤンゴン行きのたび毎回必ず1回はここに立ち寄り、観察結果を当サイトで報告しています。
今回、2016年9月21日時点。2015年7月1日に鳴るもの入りで開店してから1年3カ月ほど時点。

【前回報告から変わった点】
1.店内に子供連れ中国人が目立つ。ちょっと成功して小金もった風のお父さんが幼稚園か小学生ぐらいの子供を連れて(なぜかお母さんが同伴されていない)というパターンが、視界の届く範囲だけで3組いました。しかし全体として客層レベルは大差なし。
ロンジー姿もごく少なく増える気配なし。

2.店の前に物乞いの少女が常駐。これは今回初めて目撃、2016年春以降の光景。
小学生中学年ぐらいの少女ですから、大人の指令で動かされているのは多くの途上国共通。私が店から出てくるのに気が付くと、セントラルホテルのところまで(私がチャット札をあげるまで)追いかけてきました。かなり必死です。つまり、極貧層からは、小金が入る場所と認知されてきた。

【表面的にちょっと変わったけれど、本質的には変わっていない点】
1.真っ赤なユニフォームのスペシャルお姉さんが減ったけれど、誰かしらがドアのところにいる。
 スペシャルお姉さんではなく、一般店員が開け閉めしますが、貧困層が入ってこれない無言の圧力(というか、実際に入ってこようとすれば声出して追い払うと推測)になっている点で本質的には変わっていません。スペシャルな空間になっているのは変わらず。
私としては、将来、このドアが自動ドア化されたら、そこが一大エポックだと思います。自動ドア→誰でも入ってこれる→ふつうの人がケンタッキーで1食5000チャットを払える所得水準になる→心理的隔壁もなくなる・・・それはまだもうちょっと先のようです。

 

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2.店の入口、溝の工事が終わり、ドブは見えなくなった。しかし思い切りバリアな階段が設置され、バリアフリー的発想は皆無。店側が「強者しか相手にしない」思想が顕かなまま。(私としては、将来、ここにスロープ設置され、おじいさん、おばあさん歓迎となった時点が、思想の転換点、ヤンゴン変化の一大エポックの時点とにらんでいます)

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【変化は期待すれど、変わっていない点】
1.気になるのが、店の3階以上が依然として誰も入居せずに空き部屋のままになっている点です。ホテル代や居住家賃が若干の落ち着き傾向を見せる一方で、オフィス賃料は高止まりの現状、ここらへんが活性化するのはもう少し先でしょうか。

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2.下膳台の位置。店の奥に設置され、基本的に客ではなくて店員が下膳して片づけるシステム。将来、この台が店の出入り口付近に移され、客がセルフサービスで片づけるようになった時が一大エポックだと思いますが、まだ先のようです。

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【メニュー、料金等の記録@2016.9】

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