ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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ミャンマーのビジネスシーンや学会や結婚式などで人前で話すことになった人へ贈るヒント

ミャンマー現地のビジネスシーンで、開所式やら入社式やら着任挨拶やら学会やら結婚式やらで、ミャンマー人の前で話をすることになる人も多いと思います。ウケをとるヒントを紹介。

先日、ミャンマーメンタルヘルス学会(4th Myanmar Mental Health Congrfess)で招待講演をおこないました。日本の学会でも、”箔付け”のために青い目の教授を招待して特別講演をやることがありますが、まあ、あの役回りです(今回も私の他に米ジョンズホプキンズ大などからよばれていました)。ちょっとサプライズを埋め込んでみて結構うまくゆきました(どっと拍手いただいた)のでノウハウ共有したいと思います。

講演冒頭、”つかみ”の部分をペラペラ~っと数分間、いきなり流暢なミャンマー語でしゃべり続ける・・・ノウハウ(あなたがミャンマー語専門家ではなくて基本的にしゃべれないという前提で)。これをやれば、つかみの部分だけで、万来の拍手が獲得できて、英語に切り替えてからも集中力をもって聞いてもらえます。

1.日本出発前に余裕をもって翻訳会社(私が使うのはイエローリンク社。ミャンジャポも使ってるぐらいなので安心牌)に原稿を送り、目的と何をやってほしいのかきちんと伝えて見積もりをとります。私の場合、①日本語→ミャンマー語訳 ②カタカナで読み仮名をつける ③実際に読み方をレッスン受ける の3点でのリクエスト。

2.見積もりを見て、適宜、値段交渉をします。私の場合、(以前、別の会社で韓国語で同じことをやった際の料金を提示して)ひと声だけディスカウント交渉。それなりにクオリティは欲しいから、ギリギリ厳しい交渉まではしない。

3.依頼をする。途中、意味の照会とか何度かやり取りあり。イエローリンク社では3回校正があると聞きましたが、実際、クオリティは高かったです。

4.ミャンマー語訳+カタカナ読みを併記したファイルが送られてくるので、複数枚プリントアウトしておきます。かばんの別々か所や、予備的にPC・タブレットスマホなどに保存しておくのもよいでしょう。ただしレッスンのこと考えると、紙への印刷は必須です。

5.レッスンの日付と場所をよく打合せておきます。

6.ヤンゴン現地着。指定された場所に時間どおり行きます。イエローリンク社の場合、系列の日本語学校、EN(縁)日本語学校、night marketの近く、ダウンタウンからタクシーで(軽い渋滞で)20分。ミャンジャポ地図に載ってるのでマルつけて運転手に見せればOKです。ただ、night marketの反対側で降ろされたちゃったのでちょっと歩きましたが。(補足:交渉のなかで、宿泊ホテルのロビーに出張して家庭教師感覚・・もあり得る感じでした。時間がなくてそういうのが良ければ交渉してみると良いかも)

7.ミャンマー人の日本語教師に直前レッスン受けるます。丁寧。カタカナ表記を読むのだけれど、切るところとか、アクセントとか、メモるべきことがあるので、タブレットでは不足、紙へのプリントアウトが必要と思います(あらかじめ話は通っていて、教師の方もプリントアウトを既に用意していたけれど、こういう事は重複しても確実を期しておくべきなのが途上国)。

8.いざ本番へ。必ずウケると確信して恥ずかしがらず堂々と読み上げるべし。万雷の拍手が待っています。

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 なお、今回依頼した日本語原文は、

「親愛なる、ミャンマー精神科医のみなさま。

今日は、私の最も好きな国のひとつミャンマーで、このような講演のチャンスをいただけたことを大変光栄に思うとともに、ミャンマー精神医学協会会長のWinAungMyint教授や精神科医のみなさまに心より感謝します。

私は2012年からヤンゴンに住む日本人のメンタルヘルス環境を研究するため通っており、今回で8回目の訪問になります。ヤンゴンに着くたびに、この国の発展のスピードに驚くとともに大変嬉しく思っています。素晴らしい発展は精神医学の分野でも見ることができます。この国の精神科医のみなさんは、とても積極的に海外の学会や研修会に出かけてゆき新しい技術を持ち帰るのに熱心です。その熱心さはフェイスブックで見つけて感心しています。そこで今回は、日本の精神科医たちが政府と協力して、会社で働く人たちのために新しく始めた試みである「ストレスチェック制度」についてお話したいと思います。

残念ながら私のミャンマー語は上手ではありませんので、これからは英語で話します。」

合計430字でした。実感、この字数のミャンマー語は紙3枚になり、ちょっと頑張らなくちゃいけなかったかなという感じ。みなさま、このノウハウ使われる際には、この半分、200~300字程度にされることを勧めます。

お値段は、上記文面で、翻訳+カタカナ表記+現地レッスンで(軽くひと声だけ値切って)1万4千円。あの万雷の拍手、集めた注目、懇親会ふくめた関係、を思えば、コスパ高かったと思います。

レッスンでこんな感じでメモることになりますから、タブレット画面だけじゃなくて紙へのプリントアウトは必須。

【追記@2018.2】

ミャンマーで直前レッスンの余裕がなければ、東京で受けることもできます。

私も2回目は余裕なく、上京した折に新宿の喫茶店でレッスンしていただきました。

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イエローリンク社HPは

 

yellowlink-myanmar.com

余談ですが、イエローリンク社の経営者は華僑系ミャンマー人、兄弟でやっていてそれぞれ東京とヤンゴンにいます。双方でコンタクトできるのは強みです。

質疑応答は講演後、座長と並びの席で受けるシステム。

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