日本の国立感染症研究所(感染研)から、「 日本の輸入デング熱症例の動向について」というレポートが出ています。ミャンマーはメダルこそ逃したものの、渡航者あたりでみればダントツになりそうな勢いです。蚊にはご注意を。。。
感染研から発表された数字はこの通りです。
ミャンマーからは、軍事政権最後の2011はゼロ。民主化され”ミャンマー詣で初年”の2012年にいきなり6例。翌13年も6例と横ばいの後、2015年には16例に倍増以上です。
他国と比べてみましょう。インドネシア・フィリピン・タイ・マレーシアあたりがメダリストです。2015年のデータではフィリピン>インドネシア>マレーシア>タイ、その次点がミャンマーということになります。でも、現地にいる日本人数(在留邦人数)はまるで違いますね。ミャンマーより上位の国々はいずれも「万の単位」、ミャンマーと一桁違う数が在住しています。 さらに観光客となると(データはないものの)たとえばタイへバカンスに行く人数はミャンマーに遊びにゆく人数と比べて実感として2桁ぐらい違うかもしれません。
【追記】外務省海外在留邦人数調査統計、2015年10月現在の在留邦人数の数字です。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000162699.pdf
ミャンマー 1776人 (輸入例16例)
インドネシア 18463人 (同 66例)
マレーシア 22774人 (同 75例)
フィリピン 17021人 (同 27例)
分母がこれだけ違う中で輸入例数はせいぜい4~5倍どまり。さらに観光客まで入れれば割合の差はぐっと広がります。
ミャンマー渡航者ひとりあたりのリスクは、世界一といってもよいかもしれません。
現地では蚊にご注意。
デング熱を媒介するネッタイシマカ・ヒトスジシマカの行動様式は、昼間~夕方にかけて吸血。また、普段はやぶに棲息していて吸血対象の動物が50cmぐらいに近づくと行動する「まちぶせ型」です。したがって、昼間に草木の生えているところから数メートル以上距離をとればリスクはずっと減らすことが出来ます。そして長袖長ズボン、虫よけスプレーでしっかり自衛してください。