ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

follow us in feedly

チャイナプラスワンに続いてUKプラスワンへ

UKプラスワン。聞いたことあるような無いようなと思われたみなさん、すみません私の勝手な造語です。でも商標登録(笑)したくなるぐらい、この言葉、きっと経済誌紙に出てきますよ、そのうち。

 

いまミャンマーにいらっしゃる皆さまのすくなからぬ割合は「チャイナプラスワン」という流れに乗っかってヤンゴン空港に降り立ったのではと思います。直接中国から転勤したのじゃなくても、そういう流れを意識してヤンゴンの土を踏むことを夢見た(あるいは泣く泣く辞令にしたがった:失礼)と思います。

これまで中国に進出していた企業が、チャイナリスクの高まりとともに、中国に拠点を残しつつ、もうひとつ別の拠点をタイ・ベトナムインドネシアはじめとするASEAN諸国に加え、そのひとつにミャンマーも熱い視線を浴びている・・というのが5年ちょっと前ぐらいの経済紙に載っていた解説で、実質的には「中国に拠点の越しつつ」の部分が「引き払って」変質してしまってる向きも見られます。

UKプラスワン。「UK」の部分はどうなるのか。。。

これまでEUへの足掛かりとして英語が通じて労働法制がリーズナブルなこの国を欧州拠点としてきた日本企業は多々ありました。実は黄色人種を見る目はちょっと微妙なあの国ですが、それでもたくましき日本企業はどんどんと。そんなメリットはBREXITで急速に色あせます。しかしながら、日立の高速鉄道に象徴されるごとく、あの国単独でもまあまあそこそこ悪くない商売はできなくもありません。もう一つ要素として、これから治安の悪化といった事象も予想されます。あの国の薬物問題は大変。さらにもってUKから独立したいと考える人々が騒動起こすかもしれない。私があの国に留学していたのはかれこれ25年も前になりますが、人口10万のオックスフォード田舎町は平和だけれど目覚ましがわににかけていたFoxFMの朝のニュースは毎朝毎朝、ベルファストのどこそこで爆発とか、シンフェインが何やったとか、北アイルランドのまあろくでもない話を吐き出していました。またぞれあれが始まるのでしょうか。

そんなあれやこれやを飲み込みつつ、縮小はあれど完全撤退は案外少ないUK進出は維持されてゆくのでしょう。

では、「プラスワン」の部分はどこへ向かうのか。。。

まずはデュッセルドルフ日本人村のさらなる繁栄でしょうか。そしてベルリン・フランクフルト。基本はドイツですね。チャイナプラスワンでいえばタイみたいな感じかな。

そしてパリ日本人村のにぎわいも戻ってくるか。私がパリに在勤していたのは、1995年にスーダンから転勤してきて、2000年なかばにセネガルへ転出する間の4年半ばかしでした。その頃、多くの日本企業がパリを引き払ってロンドンへ行ってしまう潮流がありました。ポートマイヨーの大丸が閉店して日本食品の入手がずいぶん不便になったのもこの頃でした(オペラ座界隈の「京子」というコンビニに毛が生えたぐらいの店がせいぜいになった)。まさに「逆ヤンゴン状態」があの頃展開しました。あの国は労働法制がやたら強く、公租公課がやたら高いという、「ミャンマーがああなったら困る要素」がいろいろあるのですが、まあそれでも高付加価値業種は市場アクセスを求めてパリへパリへと戻ってくるのでしょう。チャイナプラスワンでいえばインドネシアベトナムの感じでしょう。

ダークホースは、ブリュッセルルクセンブルクあたり業種によっては検討されるかも。とりあえず限られた業界が目を向けるという点ではカンボジアミャンマーラオスに相当するかもしれません(単純労働という意味ではなく。為念)

ソースはありません。私の脳内お遊戯です。話半分で。

f:id:tabibito12:20160630232544p:plain

イラストのソース

Brexit Poll of the Week | Open Europe