ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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ぼったくり少年(ただし昼の部)はいくら欲するのか、つきあってみた

ヤンゴン川の対岸、 の船着き場には やバイクタクシーが観光客を待ち構えていて料金トラブル・・・というのは現地メディアでも報じられていると聞きましたが、では実際に彼らはいくら欲するのか、ちょっと体験。

ヤンゴン川対岸タニンへの船着き場です。たいていのものは外国人価格>>現地人価格のこの国において、不思議なことに、この乗船料金は外国人=無料です。このオフィスでノートに名前と国籍を記入するとタダになります。私の前には韓国人、その前にはオーストラリア人、英国人と、それぞれ一人旅が多いようです。

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で、まずはその”記帳しているところ”がサインとなって寄ってくるのですが・・・明らかに小学生年齢の子供が「1人だけ」。世界の観光地ぼったくり事情と様子が異なるので逆に興味が湧いてきます。声変わりもしていない声で「Guide、up to you」。声変わりしてない子供なら、ただ小さな手を出して小銭をせびるのが世界中共通だと思うのですが、(ガイドという)労働の対価を請求という切り口もユニークで、まあここはミャンマーだし(フィリピンあたりなら銃を手にした大人がたちまち登場しそうでとても恐ろしく”相手にしない”という定石を踏むほかないですが)つきあってみようかと。

対岸に着くと、トライショーで回ろうと言って、待機してるトライショーのところへ誘導。1台、4500チャット/30分 掛ける2台。最初から明朗会計のぼったくりというのも世界中珍しいですが、相場は1500チャットぐらいなので、まあ、3倍程度にはなっています。私と少年を1台づつ別々に載せて×2倍。これが「言い値」ということになります。値切り交渉はあえてすっ飛ばし、最低限の危機管理としてその額を紙に書かせるということだけやって出発。1時間ほどかけて、近所のテキトウなパゴダと、漁船と粗末な小屋が並ぶ"fisherman's village"を1周してきて完了。当初紙に書いた以外の請求はなくおしまい。つまり総支払額は4500×2×2=18000チャット+少年に5000チャット=25000チャット、約2100円ぐらい。

近所のテキトウなパゴダに立ち寄り。こんなのに対面。

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ただ、途中で「自転車が具合悪い」と言って少年がこちらのに乗り込んできたり(そういえば最後に、2人乗ったら10%増しだからあと1000チャット頂戴とかダメ元モードで言ってたなと。思わず吹き出してしまったらそれっきり)なんだか幼稚園レベルのことはありました。

少年の「ガイド」で教えてくれたのは、「ここはパゴダ、ここは漁村」ぐらい(笑)あとは「ここは以前洪水で1万5千人亡くなった。ボクのお父さんもいなくなっちゃった。孤児の学校がここにある。ボクは学校に行ったことがない(と内容は矛盾してるけれど、ともかく上記内容を英語で説明することが出来る。君は天才少年か:笑)」

で、帰りの船着き場で、「じゃあ家に帰るね、バイバイ」と言いつつ、下船時に見まわしたら乗っていた(次のカモを探していた)

さて考察です。値切り交渉なしで支払ったのが約2100円。これを3人で割った1人あたり約700円というのが、「値切り交渉なしの、彼らが欲する限りの額」ということになります。所要時間1時間に、少年がヤンゴン側からカモを連れてくるのに所要時間は30分ちょっとかかりますから(船は所要6分ですが、15分おきのダイヤで1本見送らねばならないので)1日3〜4クールがせいぜいでしょう。日収2000円ちょい、こういう世界の常としてミカジメ料的ピンハネもありましょうが、(エアコンの家は夢の夢ですが)スマホが買えるぐらいの生活にはなるのでしょう。

 

こういう写真が殴られるリスクなく撮れるのは付加価値かな。渡航者研修、感染症パワポ用の写真、結構撮れました。ボウフラが湧いてそうな生活用水貯水槽とか。

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結論:ぼったくり青少年が欲する額は700円/人。たぶん日収2000円ぐらいと推測。英検3〜4級程度の教育程度が必要かつ大いなるリスクをとるにしては、ちょっとしんどいなあ。