ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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ヤンゴンの道路ますますカオス化、環状線を実用に使おう!(2)

前回に続いてヤンゴン環状線を実用に使う話。今回気が付いて軽い驚きというか感慨は、JETRO事務所のアクセス地図に最寄り駅が記され、「電車で来る」ことを前提とした案内があったことでした。

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公的機関であれ民間企業であれ飲食店や商店であれ、日本人の利用が前提となる施設の案内に、電車に乗って最寄駅から来る前提の案内が載る、これはある意味象徴的なことです(JETROの人が意識したかしないかかかわらず)。

邦人が発展途上国の公共交通機関をどうとらえるか、それは発展段階にかなり相関します。たとえばシンガポールバンコクや香港の電車・地下鉄ならば当たり前に日本人に利用され、アクセス地図には何の不思議もなく最寄駅が記されます。他方、(私が外務省時代に在勤していた土地では)、スーダンハルツーム駅やセネガルダカール駅といった場所が日本語の案内に記されたということは寡聞にして知りません。そのような電車を利用する日本人もまずほとんどいません。(”ほとんど”と入れたのは、「鉄ちゃん」という存在があるからです。ここだけの話、私も一度、ダカールの近郊列車に乗って「鉄道ジャーナル」にレポート載せたことが1回だけあることを告白しておきましょう。ここだけの話ですよ。ボディーガードがわりに使用人同伴しましたから、これを読んでるみなさんはアフリカ行っても真似してはいけません)運転手が運転する公用車私用車か、タクシーが前提。

つまり、ヤンゴンで日本人前提の案内に最寄駅が明記されたのは、ヤンゴンの公共交通機関(環状線)が、道路のカオス化という事象も手伝い、日本人の意識のなかで、明らかにある一線を越えた存在に格上げされたことを意味します。これから車両が”見慣れたJRの中古車”に置き換えられてゆくなかで、この傾向はまず後退することはないでしょう。

さて本論、今回は切符売り場。

ニューフェースはこちら黄色いシャツの男女。(本人同意を得て撮影)

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この美男美女たちは新興切符売りです。行く先を告げると、タブレット端末を操作してすぐに発券してくれます。これはパヤーラン駅ですが、もちろんヤンゴン中央駅にだってあります。そしてこちらが一見して外国人とわかると、聞かなくても、次の電車が何時発でどのホームから出るか教えてくれます。

伝統的切符売り場も併存しています。こちらは昭和時代の日本国鉄の窓口みたいに硬券(厚手のボール紙でできた、電子・磁気情報が一切はいらない切符)の入ったケースが並んでいます。この写真は内側から見たところです。私の右手あたりにケースがあり1枚とって日付印をおして、金網の向こう側にいるお客に売るという手順(いま50代以上の方ならわかりますね)。この写真自体は環状線からはずれますが。

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環状線の切符は300チャット均一です。ただ、新興切符売り場のタブレット端末には駅名をおすボタンもあるようですので、将来的には山手線みたく距離制運賃を導入する布石があるのかもしれません。

環状線の切符です。一番下の大きなのは、ヤンゴン中央駅ホームの在来売場で売ってます。もともと外国人はパスポート番号をひかえられてドル払いでという手続きを経ないと乗ることができず、その名残です。パスポート提示は不要になりましたが名前・国籍の記入を求められます。乗車駅と下車駅の欄がありますが、こちらに何も尋ねることなく、ヤンゴンヤンゴン着と書いて渡してくれます。つまり、駅員さんの頭の中では、「外国人は1周して戻ってくるオタク乗車の人しかいない」前提のようです、まだ今のところ。

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前回とあわせて、切符の買い方(そしてほぼ自動的に正しい列車に案内してくれる)、正しい下車駅の降り方を理解いただけたかと思います。ヤンゴン環状線、この先もっと快適になってゆきますから、ぜひ愛用を。

 

 

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