ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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家を追われる20万人のスラム住人

めざましい経済発展のなかで格差は拡大し、貧困層の住むところがなくなりつつある現実も起こっています。

2011年の民主化以来、地価高騰は行き着くところまでゆき、ヤンゴン中心地のオフィス賃料が東京並みの水準に追い付いているというのは進出日本企業を等しく悩ませているところです。家賃を倍額にあげられ怒り心頭・・・の日本人ブログも目にします。

この問題はさらに増幅して貧困層に襲い掛かっています。住み慣れたヤンゴンの家賃の急騰で払えなくなった層、地方農村部から流入してきた層がスラムを形成しています。

ミンガラドンのスラムでは、タイガービール工場に隣接する地域でスラムの小屋が暴力的に取り壊され(工場拡張のためではないかというのがイラワジ紙説)た証言が報じられ、パンライン地区にもスラムが形成されつつあり犯罪の温床化を懸念する声が邦人社会からも聞かれます。

電化率が3割(7割の家には電気がこない)とも聞くミャンマー農村地帯の現状、ヤンゴンの発展をみてさらなる流入は自然に考えられるところであり、この問題がタクシー強盗話に象徴されるような治安悪化を増幅させないことを願うばかりです。

タクシー強盗話:ヤンゴンのタクシーの多くはプロボックスやサクシードなど日本製ライトバンの中古車。その荷台に共犯者が潜んでいて、走り出すとともに乗客を羽交い絞めにして金品を奪い取るという事件が、現地日本人の不安を高めている。タクシー乗るときは車内後部を確認しましょうというのが合言葉になっています。

旅行・出張の方はご注意を。

 

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写真は該当スラムとは関係のない別スラム(自前の写真)です。

 

一部内容のソースはイラワジ紙英語バージョン

On Yangon’s Sprawling Outskirts, Slum Dwellers Fear Forced Eviction