ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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ミャンマー洪水の光景から伝わってくる、ある種”しなやかさ”

ミャンマーの雨季はこんな風です・・・というレベルを越えてしまっている昨今。

洪水という災害。その大変な状況のなかでも、ミャンマーの人々のたくましさ、というより”しなやかさ”と表現されるような写真を現地FBから。

道路が川になってしまった状況。この種の写真で感心するのが、新品でもない木造ボートがサッと出てきて、ただちに水上交通機関として機能することです。どこかから運び込まれるのではなく、常に備わっている。洪水も「ありうるシーン」のひとコマとして組み込まれているのがうかがえます。

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ミャンマーの高床式住居。真ん中の母屋をよく見ると、その床はちゃんと水面上に出ています。手前の人が肩まで水に浸かっている状況でも、母屋は家屋として機能している。絶妙な設計に唸らされます。

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ミャンマーの農村では、牛がトラクター兼軽トラとして機能しています。そして水に浸かった状態でも、エンジンに水が入って・・・とか、電気系統がショートして・・・とかいう懸念なく、きちんと機能してくれるというのは、このような状況下で可視化されてきます。

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肩まで水に浸かりながらも子犬を助ける少女。経験は上座部仏教徒の面目躍如です。

ミャンマーでは、狂犬病対策として保健当局が毒団子を設置するという事を実施していますが、その日がわかると、野良犬を自宅に匿ってしまう一般市民が存在して対策がすすまないという現実があります。こういう写真を見ると、納得とともに深く考え込んでしまいます。

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ミャンマー洪水。被災者の困難に思いをはせつつ、その自然と共存する”しなやかさ”が伝わってくる画像も数々。