ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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ロヒンギャ問題はミャンマー国内でどう受け止められているか

ボロ船にこぼれんばかりの難民が乗り込み震えている映像・・・ISISとは無関係なアジア案件として報道を賑わせているのがミャンマーロヒンギャ問題です。

私のミャンマー人の友達たち・・・医療関係と医療に関連したミャンマー軍関係・・・の反応を見ていると、同じ少数民族問題でもコーカン族ゲリラ問題とは全然違うなあというのが実感です。コーカン族案件では「一致団結して国難に立ち向かう!」という雰囲気で、FB友達の多くが画像を北部管区の軍のマークに変えて連帯を示していました。報道をみれば、たとえば学生運動ではあんなに政府に批判的でNLD万歳なイラワディ紙が一転して「ミャンマー軍ガンバレ!」になっていました。高揚した雰囲気が漂いましたが、相手がロヒンギャ族になると「無関心」が空気です。政府になにかしろと主張する友達も皆無、ロヒンギャの連中がどうこうと主張する友達も皆無。

では、コーカン族で怒りまくってた要人たちといえば、情報省大臣は、のんびりと今日食ったおかずを載せ、情報省のサイトをシェアするばかり。むしろヤンゴン議会の方が関心の模様。

Ye Htut | Facebook

情報省FBでは、どことなく他人事の雰囲気漂いながら、人身売買に言及したり、国境で難破してたらミャンマー軍は救助するよか、法にもとづいて処理とか、建前上正しいことを書き。

ေရႊ႕ေျပာင္းအေျခခ်သူမ်ား၊ ပင္လယ္တြင္း... - MOI Webportal Myanmar | Facebook

イラワディ紙は、学生運動のときみたく元気に政府批判するでもなく、コーカン族案件みたく軍応援するでもなく、淡々と事実を伝えるばかり。オーストラリアがいくら拠出するだとか、UNHCRの動きをロイター配信どおり書くだとか。
ロヒンギャ族の画像は、水かけ祭りのときに発揮してくれたウデは片鱗うかがえます。表情切り取るのは上手です。

https://www.facebook.com/IrrawaddyBurmese?fref=ts

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ロヒンギャ族とコーカン族では、普通の人々も、要人も、現地メディアも、全然態度が違う。スーチさん含めNLDの皆さんも貝のようにおとなしい。無関心が支配。(優遇しようとすると大怒り大演説はじめる坊さんはいる)

ミャンマーにおける対立軸、軍ーNLD、北部少数民族ビルマ族、コーカン族(with China)ーオールミャンマー のいずれにもあわないロヒンギャは空気みたいなもの?

利権も武力ももたない悲哀がひしひし伝わってくる。