ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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ミャンマーのマスコミ人はどう養成されているのか(MMDC)

ミャンマーのマスコミ人のタマゴが集まってる場所。ここでアプローチできれば、あなたの会社のイメージ長期戦略につながるかも。軍事政権が終わり、民主化がすすむ国・・・というのは、ものが自由に言える国に向かってゆく国(あえて現在完了形にはしませんが、方向としては確かに)でもあります。すると、「ものを言う人=マスコミ人」の需要が爆発的に増えてゆくことになります。この爆発的に増えるマスコミ人需要を供給する仕組みがここにあります。

MMDC。マスコミ人養成専門学校です。ジャンクションスクエア、流行最先端ショッピングモールの最上階という「いかにもそれらしき場所」にあります。

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コースはいろいろありますが、正規のコースでは修了までに日本円にして20万円ぐらいかかります。賃金が120ドルだ200ドルだというこの国で、中間層の年収をはるかに越えますが、志望者は多く、「それだけの学費は必ずモトがとれる」とも聞きました。

教室です。よく見ると、学生の着ている服が「お揃」になっています。どうやら、「すでにテレビ局に雇われた人」が派遣されてきているパターンも多いようです。学費負担者は自腹組もいるけど、会社負担組も多いようです。これなら満員盛況も納得できますし、効率も良いですね。

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あの局もこの局も、みんなここで養成されているのなら、在学中の「マスコミ人の卵」にアプローチすれば、たとえばあなたの会社のゆるキャラでも製品でも”刷り込み”すれば、将来なんかの時に思い出してくれるかもしれません。

とりあえず、日本のJ-pop定番やら演歌やらラジオ体操やらのCDをプレゼントしてきました。

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先生はここだけじゃなく、国外からもスポット的に呼ばれています。

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正式なディプロマをもらうためには、卒業制作が必要です。その作品を2つほど見させていただきました。私の目には、クオリティ面で十分先進国水準です。私がスーダンセネガル在勤中に毎日いやでも目にしていた「途上国水準のテレビ」とはまったくの別モノです。

映像だけじゃなくて、社会問題の切込み方の鋭さも。ひとつは、ミャンマー人の若者がダマされてタイで奴隷労働にこき使われる問題。リクルートの仕組みや救援までも、俳優側・スタッフ側とも自分たちで高度な仕事をしています。もうひとつは知的障碍者の支援で、発達支援学校に入り込み、児童の生い立ちから職業を得た成功例まで丁寧に報じたものでした。

日本のマスコミ人のみなさんも、カイシャのみなさんも、お国系広報文化のみなさんも、ここは食い込みどころの気がします。