鳥インフルエンザH5N1。という名前を耳にして記憶に残っておられる方も多いと思います。日本では2007~2009年初頭あたりが報道のピークで、「この型が遺伝子変異してヒトヒト感染するようになり、『新型インフルエンザ』として日本国内で64万人の犠牲者が発生する」という文脈で盛んに報じられ、「感染列島」という映画がブレイクしたりもしました。
その後、2009年にH1N1pdmという(当時の)新型が出て(あの頃「新型インフルエンザ」という大見出しが躍ったのはこれのことです)、H5N1の報道は一気に沈静化しました。しかし、H5N1型というウイルスが消滅したわけではなく、昨年今年はエジプトでヒト感染が連続するなどしています。
さて、前置きが長くなりましたが、我らがミャンマーで、これが現在進行形で発生している!とOIEに報告されたり、報道に載ったりしています。ちなみにOIEとは国際獣疫事務局の略称で 1924年に設立された、動物衛生及びズーノーシス(人獣共通感染症)に関する国際的な基準を策定する国際機関です。
現場はザカイン州。2月12日にKyauk Sit Pon, Monywa, Monywa, Sagaingで300羽発生を初めとし、16日にも2か所で報告されています。
ここでミステリーなのが、アジアニュースの記事と、このOIE公式HPの数字があまりにも食い違う点です。
MYANMAR - ASIA WHO sounds alarm over spread of Bird flu after massive cull in Myanmar - Asia News
こちらでは鶏1500羽、うずら2万羽が殺処分されたとなっています。最初の発生も鶏1400羽、うずら1万羽。OIE公式HPと乖離。
今回発生した地区では鶏が14万羽、うずらが50万羽飼われていて、今後の拡大が懸念されます。
なお、ミャンマーは鳥インフルエンザ発生国としては、もっとも派手な部類ではなく、前回発生2012年からは約3年のブランクがあります。近隣のベトナムやカンボジアの方がより頻繁に報じられています。
今回の発生はヤンゴンから遠く離れたザガイン州ではあるものの、ミャンマー生活においては鳥インフルエンザに対する注意は継続的に必要です。
ヤンゴン生活でも鳥類との距離は微妙です。たとえば、この写真はヤンゴン環状線(山手線に相当)のミンガラドン駅ホームで見かけた光景です。
鳥インフルエンザの注意。
1.生きたニワトリを売っている市場に近づかない(糞便が舞っている。鳥インフルウイルスは糞便中に排出される)
2.卵のカラは洗ってから調理
3.鳥類の死骸を見かけたら、あるいは弱っている鳥類を見たら近づいてはいけない
4.スーレーパヤーほかで、鳥を放って功徳を積む・・というやつは参加しないのが無難。功徳を積みたいなら金粉寄付とか別の方法で。