ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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ミャンマー人と付き合うヒント:ミャンマー人は個人主義か

ミャンマーで長くビジネスに携わる生き字引のような方からうかがいました。「ミャンマー人は個人主義である」と。その意味は後述するとして、街で素顔のミャンマー人を観察してみましょう。

まずはこの写真です。ヤンゴン環状線のシートで、おばちゃんが気持ちよさそうに横になっています。それがどうした?と思われるでしょう。

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では、もうちょっと引っ張ってみましょう。

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向かいの席には、立派な一眼レフを手にした青い目の鉄ちゃんが座っているのです(ここ最近のヤンゴン環状線はすっかり有名になってしまい、かつての軍事施設・撮影絶対禁止から、欧米人や日本人の鉄ちゃんがほぼ乗ってる”鉄道ファンの花園”化しています)

これだけでもかなり驚くのですが、実はこの写真、青い目の鉄ちゃんの方が先に乗っていたのです。おばちゃんの方が後から乗ってきて、”青い目の外人さん”を石ころのように無視してゴロンと横になってしまったのです! 

 

もう1枚ご覧ください。



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カップルがいちゃついています。驚くのは、向かいの席に赤の他人のおばちゃんが後から乗ってきて座っているのに。。。 これだけでも驚くのですが、実はこのシートは回転して2人の世界をつくることができるのです。いま乗っているのはJR西日本の中古車「181系気動車」です。つい数年前まで、特急「はまかぜ」として(さらに以前は「おき」「まつかぜ」、さらにその前は「しなの」「つばさ」「あおば」「やくも」として)走っていた車両ですから、足下のペダルを踏めば進行方向に向けられます(現に私は進行方向に回転して、「はまかぜ」時代を懐かしみながら1周した)。なのにこのカップルはそれをせず(2人の空間をつくれるのにつくろうとせず)、おばちゃんを石ころのように無視していちゃつき続けたのです。

他人にどう見えようが気にしない。他人の目は石ころのように無視無視、個人主義の一断面ですね。

 

さて、ここで冒頭のベテランのお話に戻りましょう。
最近日本のビジネスマンを悩ますことに「労働争議」があります。低人件費を求めて来たはずなのに、賃上げ要求ストの矢面に立たされてしまうという事象

ところが、ここで個人主義が作用して団結が続かないといいます。1週間、2週間と止まり賃金がカットされだすと、仕事に戻ってしまうのだとか。さらに、兄弟でも兄さんが頑張って座りこんでいるのに弟が仕事を始めてしまうとか、夫が頑張ってるのに妻が・・・とか。だから、ストが始まって(要求にどこまで答えるかは冷静に検討しつつ)どっしり構えている方針とおっしゃってました。

他方、比較的新しく出てきた層には、そのような経験はあまりなく(日本国内ではあまり見なくなった光景ですから、それに直面した経験のある人も少ないでしょう)、ストで囲まれた!とあわくって大使館に電話かけて来た人もいるとか。(でもって、領事部の人は民事不介入なんて事を言わないで、本当にスト現場まで駆けつけたそうです。スゴイですね、ニッポンの外務省)

ミャンマー人の個人主義は徹底している。それを頭に叩き込んで対応しよう。間違えると損することもあれば、プライドを傷つけてしまうこともあり。