今日のミャンマーを読み解く1枚、いや、2枚。
テインセイン大統領です。来日して新幹線の旅を楽しんでおられます。
まず、この写真をじ〜っと眺めてください。何に気がつきますか。
1.新幹線N700系グリーン車の旅を楽しむテインセイン大統領。後席には眼光鋭いSPがしっかり隙なく控えています。つまり、怪しい人間やミーハーは近づけません。こんな写真が撮れるのはマスコミだけと思いますね、ふつう。でも大統領はカメラ目線でサービスするでもなく、かといって嫌がってるわけでもなく「あまりにも自然な所作」。
2.駅弁をおいしそうにほおばっている大統領。しかし、その視線は「あまりにも自然」です。一国の大統領が他国にやって来たら、マスコミのカメラがこちら向いていたら、その国の名物をまえにして(口にあおうがあわまいが)お付きの振付師助言にしたがいカメラ目線でニッコリするものです。逆にその国と厳しい緊張状態にあるならば、このような写真は間違っても撮らせない、公表させない。
なのに、そのどちらでもない。あまりにも自然なおじさんの写真だ。
この写真を撮ったのは「いつも空気のように一緒にいる人、そこにいてカメラ向けてもSPが咎めない人」ということになります。つまり「お付きの人か、お抱え記者」です。そういう人が報道目的じゃなくて撮ったスナップ写真の類。
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【追記】
この写真をFBにアップした人の正体。「現職の情報大臣」でした。軍出身。テインセイン大統領の懐刀。FBが大好きで、ミャンマーでは「フェイスブック大臣」とも呼ばれているそうな。YeHtut氏。↓クリック。
以上、追記おわり
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ではなぜ、私が、皆さんがこれを見ることが出来ているのか。
ズバリ、その”近しい人”がSNSにアップしちゃってるからです。ここのミャンマー独特のSNS感覚、プライバシー感覚があります。さして何かをアピールするでもなく、格別な好印象を与えることが出来るでもない、(日本の感覚では盗み撮りかと思ってしまうが、実はそうでない)プライバシー写真がどんどんフェイスブックを初めとするネット空間に、ごく近しい人々から自然に拡散されてしまうのです。
ミャンマーの真相・深層を理解するのにフェイスブックは(いまのプライバシー感覚が劇的に転換しない限り)絶好の宝庫。まずはミャンマー人のフェイスブック友達をたくさんつくりましょう。そのシェアしたものから珠玉に1枚がゲットできるかもしれません(注:ただし、凄惨な遺体写真でタイムラインがいっぱいになってしまう事もあるので、それは覚悟を)。