勝田 吉彰:ミャンマー連邦共和国の精神科医療事情.こころと文化 13:54-60 2014
ミャンマー現地でメンタルヘルスを支える体制の現状報告。
多文化間精神医学会の学会誌です。
関西福祉大学附属図書館リポジトリから全文ご覧いただけます(pdfクリックください)
抄録:従来、ミャンマーの精神科医療事情は、経済制裁の影響等もあり、あまり知られてこなかったが、今回、現地にて精神科医療関係者との懇談および医療機関の視察の機会を得たので報告する。
医療機関は視察の機会が得られた富裕層や外国人向け医療機関では、一定レベルの快適さ・清潔度が保たれ、仏像の設置された礼拝室の設備も見られた。
精神科の急性期入院で閉鎖病棟が必要なケースは、一部の感染症や交通事故と同様に公的病院に入院が集約される。疾病別では脳血管型認知症が認知症全体の80%を占めることや、アルコール問題が目立っており、自殺問題についても語られている。精神科医数は国全体で約100名で、その不足を補うためプライマリケア医との協調が積極的に図られている。