ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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アラカン州の住民呼称めぐる迷走・・・いわゆるロヒンギャと呼ばれるものも絡んで

ラカン州の仏教徒イスラム教徒の呼び方をめぐって、とっても微妙な感情がぶつかりあって迷走しています。

ロヒンギャ”という単語を大部分のミャンマーが極めて嫌がるのは以前も紹介したところです(私もミャンマー人の前でこの単語を口にしない)。

いまアラカン州では、そもそもマジョリティ仏教徒を含めてどう呼ぶか、怖いお坊さんのデモ行進まで起こって迷走しています。

ロヒンギャと称したらたちまち炎上するわけですが、そうじゃなくてベンガル人と呼べというのが大多数の主張。で、妥協策として出てきたのが「アラカン州の仏教コミュニティ」「アラカン州のイスラムコミュニティ」と対等に呼ぶ案。でもこれだと、いわゆるロヒンギャと呼ばれている人々は不法移民だというかねてからの仏教徒側の逆鱗にふれて大炎上。

大炎上をうけて、「アラカン州の仏教コミュニティ」なるニュートラルな呼び方もあきらめて、仏教徒イコール「アラカン民族 Arakan race」と呼びましょうとアラカン州当局は屈した模様。

今後このドタバタ劇がどう展開してゆくのか注目ですが、われわれ日本人としては(人権団体で頑張っておられる方をのぞき)、地雷を踏まないよう注意いたしましょうということに尽きます。

 

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ソースはイラワジ紙

After Protests, State Government to Use Only ‘Arakanese Race’