ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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ヤンゴン環状線の運転台から見えてきた現実(その1:線路に集う多彩なひとびと)

ある幸運に恵まれまして、ヤンゴン環状線の助士席に乗って時折スタッフの説明聞きながらぐるっと一周することになりました。この3時間あまり「機関助士」しながら見えてきた現実その1。その線路には、実にさまざまな生命体があふれ返っています。

 

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日本の電車はときどき(人身事故じゃなくて誰も怪我してなくても)「線路内に人が立ち入りましたので確認をおこなっております」との放送とともに20分程度遅れたりします。でも自由なミャンマーではそんな話聞きません。客席にいても線路に人がいるのは見えますが、視点を運転席に移すと、まったく想像もしていなかった光景が広がっています。

仲良しJKはマナー正しく(笑)一列縦隊になって線路を歩きます。

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お坊さんたちも線路で修行に励みます。縦に波打つ線路を眺めていると哲学的なこと思いつくかも。人生の意味は平坦な線路にあらず。ぐにゃぐにゃ柔軟に曲がる線路にこそ悟りがあるのじゃと。

でも、この縦に波打つ線路でも案外脱線をすることはなく、この電車に乗っても涅槃には行けません。

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さて俗っぽい人々は線路で何をするのでしょう。団らんのひとときを過ごすのです。
線路の高さって、ちょうど低めの椅子に良いのですよね。老も若も世代を越えて線路内コミュニケーションに花が咲きます。こういう環境では認知症のおじいちゃんやおばあちゃんがひかれそうになったら誰かが助けてくれます。先般の最高裁判決でカッカしているであろうJR東海のみなさん、北風と太陽のお話を思い出すとよいかもしれません。しゃかりきに金網たてるより案外良いかもしれません、こんな風にすると(笑)。そういえば今乗ってるキハ48は元JR東海車でした。海を渡るとキハ48の窓から楽しい風景が見えるようになったものです。

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コミュニケーションだけじゃないです。「考える人」も線路で考想をねっています。
なんだかアイデアがいろいろ湧いてきそうですね、こういう環境

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ミャンマー国鉄の線路は一大コミュニティーになっています。そこでは日々、友情が芽生え、悟りが開け、アイデアが生まれている・・・のかもしれません。国鉄万歳!