ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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ミャンマーが悩む翡翠(ヒスイ)の悲劇に政府はどう動く?

ミャンマー名産のひとつ翡翠(ヒスイ)。腕輪ひとつで億の単位するものもあり、その利権はさまざまな悲劇を呼びます。そのひとつが土砂崩れ。政府も対策に動き始めていますが・・・

もっともわかりやすいのが、日本でも報じられた「土砂崩れ」。翡翠を掘削した残土を積み上げたものが崩れて犠牲者が多発する件、114人亡くなった11/21の件は日本でも各紙報じられましたが、実は、先週12/25にも発生しています。

これを受けて政府も動きはじめ、鉱業副大臣はカチン州Hpakantにおける違法採掘を規制し地域の安全をめざす方策に言及、戒厳令の導入までちらつかせています。国会でカチン州選出のKhet Tein Nan氏の、対策求めたのに対する反応としての動きです。

ただし一筋縄ではゆきそうもありません。
大規模掘削会社にとって、掘り出すべき工期が急かされているという事情があり、残土の積み上げがルーズになっている。

残土から翡翠を掘り出して生計を立てている零細~個人業者にとっては、これを禁じられると他に生計をたてる手段がまったく無くなるという問題もNLDのMyat Nyana Soe氏が指摘しています。

ところで、この零細掘削人たちが直面しているのは土砂崩れだけではありません。彼らの間で薬物依存症が蔓延しています。その割合が75%に達する!と有りえない数字をアルジャジーラが報じています。75%がヘロイン依存症か覚せい剤依存症だと。

このアルジャジーラのドキュメンタリー(26分)、迫真の映像です。クリックしてご覧ください。

www.aljazeera.com

八方塞がりの中で、今後も翡翠残土は崩れ続けてゆくのかもしれませんが、その回数が減ってゆくことを願ってやみません。

 

STRATEGY AGAINST TRAGEDY

globalnewlightofmyanmar.com

Lawmakers Debate Jade Trade in Wake of Latest Landslide in Hpakant