ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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新たな歴史の1ページ、ミャンマー初の電撃療法が運用開始

ミャンマーの精神医学界の新たな1ページを刻んだ日。

ミャンマー初のECT(電撃療法)ユニット運用開始です。Brain Stimulation Unit。
かつてこの療法は筋弛緩剤なしで実施され、けいれん発作とそこから派生する事象から問題視され、行われなくなりました。その後、麻酔医との協力のもと、筋けいれんを起こさず効果的に脳にのみ刺激できる技術が確立し、日本では大規模病院を中心に実施できるようになっています。

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本日13日にいたるまで、ミャンマーではこの治療を実施できる場所がまったくありませんでした。ヤンゴン大学(UM1)前教授のリーダーシップのもと、Yangon Mental Health Hospitalにてミャンマー唯一の設備が稼働しました。

特に、薬物療法に反応のよくない重症うつを中心に著効を示すことがあります(統合失調症等にも、やはり薬物療法に反応しにくいケースを中心に適応)。これでミャンマーにおける精神科治療に新たな1ページが加わり、扉が開けました。

ここに写っているのは、UM1系の精神科医、オールスター状態です。ネピトーの臨床教授、ヤンゴン(UM1)の現教授と前教授と臨床教授。

選挙の宴に酔っぱらわないでプロの仕事を淡々とすすめる彼らに乾杯です。

この病院には、各病棟に入院患者用の瞑想室があります(2015.2訪問時の撮影)。

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