ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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「表情」と「置かれた状況」が一致しないミャンマー総選挙の主役たち

ミャンマー総選挙。アウンサンスーチーさんのNLDが圧勝と日本のメディアには書いてあります。もちろん日本だけじゃなくてBBCにも現地メディアにもそう書いてあります。が、その情報と、主役たちの表情とがしっくり来ないのです。

この、なんとなく嬉しそうなおじさん。NLDで通っちゃった陣笠代議士かなにかかなと思っちゃいそうですが、実際のところそうではありません。この人、報道ではぼろ負けと書いてある与党の代表代行なのです。

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これらの写真のソースはイラワジ紙。この新聞、カメラマンの腕がめっぽう素晴らしくて、水かけ祭りも水害も、他紙を圧勝する写真で被写体の表情や空気感をうまく切り取ってくれます。赤組寄りの偏向傾向はともかく、私はミャンマーの空気感を読みとるのにこの新聞の写真をとっても重宝しています。その表情がこれ。う~ん。

選挙で地滑り的敗北した党首の写真・・・ってのは、日本メディアも大好きで、唇をかみしめたり頭を垂れたり、われわれも選挙のたびに見せられてきたところです。いずれも、こんな表情はしていませんでしたよね。

ニッポンの感覚では違和感たっぷりなのです。

ぼろ負けと報じられている党首(代行)がこんな顔してられるのは、やはり、水面下で相当なる速度で交渉進行中ということなのでしょう

国会で過半数とるのが329議席。目下決定してるのがこんな状況です(7Day Daily)

この赤い線まで棒グラフが伸びてゆく過程で何が起こるのか起こらないのか。なんとも気になる意味深な笑顔です。

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もうひとつの意味深なお方。

そう、アウンサンスーチーさんと仲良ししそうだったのでテインセイン大統領に切られちゃったけど(そしてほんのちょっぴりだけ、アウンサンスーチーさんと同じ自宅軟禁を経験した)また元気復活しそうなこのおじさん。シュエマン氏も、それほどには鬱屈した表情でもありません。水面下で何をやってるのか、知る由もありませんが、、、

そういえば、我が日本、民主党政権でなんにも決まらず停滞してたとき、さる大新聞のさる大ボスが、両党の大連立に動こうとしたことがありましたね(すっぱ抜かれてうまくゆかなかったけれど)。このおじさん、ミャンマー版ナ〇ツネさん的に水面下でごにょごにょやってるのか、やってないのか。来月には可視化されてくるのでしょうが、ますますミャンマーから目が離せないこの頃です。

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とりあえず、表情と状況が一致しているのはこの人ですね。今んとこ。

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