ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

follow us in feedly

ミャンマー精神医学シンポジウム成功!(WCAP2015 福岡)

このほど2015.3.2-6の会期で国際学会(World Congress of Asian Psychiatry,  WCAP2015)が福岡市の九州大学医学部百年講堂で開催されました。

この中で、Psychiatry in Myanmar(ミャンマーの精神医学)シンポジウムが企画され、その人選はじめアレンジメントを、大会長から勝田が拝命しました。ミャンマー⇒勝田と連想いただけるのは大変光栄なことでもありますので、これまでのご縁から、

ヤンゴン医科大1 WinAungMyint教授
DSMA(軍医大) NyanWinKyaw教授
マンダレー大   TinOo教授
Mind to Mind              Nwe 医師
 そして勝田も1演題発表させていただきました。

 

会場には日本・ミャンマー以外の参加者も目立ち、この国が注目されているのが実感されました。

 

f:id:tabibito12:20150308155848j:plain

最初はミャンマーにおける精神科医療の歴史、昔は収容主義的な一面もありましたが、ここ最近力を入れられているのが、コミュニティにおける精神保健です。一般住民を巻き込んでメンタルへルス水準を上げてゆく。世界の趨勢に沿った動きです。

f:id:tabibito12:20150308160157j:plain

この国の多くと同じく、精神保健法も1912年制定のものがベースになっていますが、こちらは新たなドラフトもできており国会の承認待ちです。

医療資源はまったく足りていませんが(ミャンマーの精神科医数200人。日本は1万4千人いるけど現場は不足感、疲労気味)、それでも2000人には治療が要るけど受けられないservice gapを20%まで減らすという数値目標がたてられています。

人口1000人あたりの患者数は統合失調症5.5、うつ5.5に対してアルコール依存症23と4倍以上で、この国のアルコール問題の深刻さを反映しています。

薬物依存症も深刻で全国に41か所のmethadone clinicが展開しています。

英国に移住したミャンマー人のなかにも、民主化以降の世の中の動きを見て、祖国を支援する動きがあり、プライマリケア医に対して研修をおこなったりするNGO活動について紹介されました。

シンポジウムにご支援・ご協力いただいた皆さんに感謝します!