ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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ミャンマーでは蚊対策が命綱。どうすればよい?

ミャンマーには蚊が媒介する病気があります。デング熱チクングニヤ熱。あと、(世界のなかでも厄介な薬剤耐性)マラリアもありますが、その流行地域は、非日常モードで訪れる場所なので、ヤンゴンやネピトーに駐在して仕事するだけならデング熱チクングニヤ熱を心配すればよいでしょう。媒介するのはネッタイシマカとヒトスジシマカ

蚊対策といえば、蚊取り線香と虫よけスプレーと蚊帳です。
蚊取り線香は、日本製がイチおしです。蚊取り線香の有効成分はピレスロイド。構成成分のなかで最も高価なのはピレスロイド。だから、途上国で安価なものを造ろうとすれば、有効成分のピレスロイドを薄めることになります。火をつければ立派な煙がモクモクとたちますが、その中を蚊が元気よく飛び回ることになります(笑)。日本でしっかりした製品を買ってゆくのが良いでしょう。

対して虫除けスプレーでは事情がガラリと変わってきます。虫よけスプレーで実際に効くのはディート(DEET)と呼ばれる成分です。この濃度と持続時間が相関します。
ディート12%でおおむね2時間ぐらい。20%超で4時間ぐらい。
ところが日本では妙ちきりんな規制があり、最高12%までしか製造し売ることが出来ません。こういう規制ははやく緩和してほしいのですが、現実はそういうことになっています。日本国内で買えるのは「ムヒ」虫よけが最高の12%、だからこれがベストということになります。他の多くは7%前後。一度近くの薬局で見てみましょう。

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しかしヤンゴン現地ではバラエティ豊かです。私的にコスパが最高と思うのは、タイ製のSketolene。お勧めは真ん中のオレンジ色のラベルのやつでDEET20%です。日本円にして150円ぐらい。私の愛用品はこれで、ヤンゴンに来ると、自分用としてこれを買いこんで帰ります。(緑のシトロネラは1時間もたず頼りないです。アレルギー等でどうしてもDEETが使えない人限定)

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こちらは値段が跳ね上がりますが、オーストラリア製Bushman。DEET80%、お値段はゼロひとつ加わって1500円ぐらい。汗かきの人に良いかも。

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値段が安いのはインド製odomosです。たった30円! 庶民階層しか行かない場末の小さな薬局では、これしか置いてないこともあります。でもDEET12.5%は、日本製最高級と肩を並べます。

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画期的なことですが、2015年の訪問ではミャンマー国産が新登場しているのを見つけました。

 

虫除けは現地で買う方が優秀だという事はわかりましたが、さて、これから日本を出発してミャンマー(に限らず東南アジアの国々)に行く人はどうすれば良いでしょうか。

空港に降りたその時、空港からホテルに向かう道すがらにも蚊はいます。薬局がどこにあって営業時間が何時から何時までなのか、初めての街ではわからないでしょう。あるいは言葉の問題で気おくれしてしまうかもしれません。やはり1本だけは「ムヒ」を買ってゆきましょう。航空機を降りてすぐに保護できるためには、当然、機内持ち込みにします。ムヒ虫よけの容量なら正式に機内持ち込み可能。

そして、現地に着いて両替を済ませ薬局の場所を聞き出し(おそらくは到着翌日以降になりますね)、買いにゆきましょう。

 

ミャンマーにはデング熱チクングニヤ熱も、(ヤンゴンを離れて北方面に旅行するなら)マラリアもあります。蚊に刺されない対策が必須です。

蚊取り線香は日本製が優秀です。電気式・液体式も、あなたの住居・滞在先が停電なく途切れず電気がくる環境ならば持ってゆくと良いでしょう。

虫よけスプレーは現地で買うと日本より優秀なものが買えます(日本製が劣っているのではなく、ヘンテコな規制が悪いのです)。でもダメなのもありますから、必ず成分を確認してから買いましょう。DEETが20%以上となっているのが良いでしょう。

そうは言っても、日本から行く人は、最初の1本は日本で買って機内持込みで持ってゆきましょう。空港に降りたその瞬間から蚊はいますから。