ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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ミャンマービジネスのヒント:暗黙の人間関係

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この写真、集まっているのはヤンゴンのメンタル医療関係者です。1か月後に福岡で開催予定の国際学会、その中で私がミャンマーシンポジウムのコーディネーターを任されましたので、お招きする先生方と打合せしているところです。私を囲んで一席もうけてくれました。本来の用件については決めるべきものは決まり有意義な一夜でした。

ところで、ミャンマービジネスに参考していただける考察もありますので紹介。

 ここにいるのはヤンゴン第1医大の現役教授、引退した先代教授、軍医医大(DSMA)の現役教授、それぞれの教授お気に入りの中堅医師(日本でいう講師クラス)3名。

さて問題です。ここで発言が一番多くて、影響力がありそうなのは誰でしょうか? ニッポンの常識ならば当然、「偏差値高い方の大学の現役教授」です。ニッポンの薬屋さんは真っ先にその人にお酒を注ぎにきます。

 

ミャンマーではちょっと様相が異なります。もちろん、公式立場的肩書きの上では現役教授が最高権力者です。でも、その場の空気は明らかに「引退した先代教授」です。(私とシンポジウムの打合わせをして、日本の医療界のお話しをして・・・という英語の会話が一段落し私が主役のおりてミャンマー語になると、「引退した先代教授」が俄然リーダーシップを握るのです。ああだ、こうだ、と立て板に水のごとく話、現役教授たちは、はい、はいと承っている感じ。もちろん何がしかの発言はありますが(ミャンマー語の部分はまったく分からないものの)、“調子あわせてる感じ”です。少なくとも、なにか反論している感じはない。方針についてかなりな所までアドバイスしている感じを受けました。時折、私の方を向いて英語で要点をかいつまんでくれたりもするのですが、たとえば英国のミャンマーNGOの申し出、米国のグループの共同研究の申し出なんて話題もそんな感じでした。つまり外国人からのアプローチも、「引退した先代教授」のコメントで空気が醸成されている。

 

さて、これをビジネスシーンに当てはめてみましょう。あなたがミャンマー人と何らかの取引や協働を持ち掛けるとします。働き盛りの年頃の相手の肩書を見ると最高権力者(社長なりCEOなり理事長なり・・・)でした。その人に一生懸命話すのは当然です。でも気を配ってください。その人の近くに“よくわからないお爺さん”がいないかどうか。その“よくわからないお爺さん”は、“肩書き上の最高権力者”に強い影響力を及ぼせる人かもしれない。決して嫌われないように、同じぐらい気を遣ってください。また、その場にそういう人が見当たらなくても、周囲にそっと尋ねてみるのもよいでしょう。

教訓:近くに”よくわからないお爺さん”がいたら気を遣おう