ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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ミャンマーの交通事故一部始終

ミャンマーで交通事故にあうと、どうなるか。

ある日高速道路でパジェロが横転してしまいました。

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さっそく救急隊が駆けつけました。ミャンマーの救急隊員には、私物のカメラで現場をパチパチ撮って、自分のプライベートのフェイスブックにアップしてしまう人々がいます。このArkar Gyi氏もそんなひとりです。彼のアップした写真から読み取ってみましょう。

懸命の救助作業がはじまります。

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大量の出血は道路を赤く染めます。はやく頸部固定しなければならないのですが。

右下腿部複雑骨折の見受けれらるケースもありますね(横で下半身だけ写ってるる救助隊の人、そうやってボーッと見てちゃダメなんですけどね。シーネとか持ってないのかな)。

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で、「救急車」が到着しました。
でも、この国には救急車がまったく足りていません。

で、載せられたのが、なんとトラックの荷台!
焦げ付く太陽の光をさえぎるのは、上記写真の「傘」なのでした。

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これがこの国の救急システムの現状です。

ミャンマー駐在者のなかには、ヤンゴンとネピトーを頻繁に往復しなければならない人がいます。航空便はまったく足りず、どうしても片道はこの高速道路で陸路移動することを余儀なくされます。そこで万一のことが起こってしまったら、受けられる処置はこの通りです。

インターナショナルSOSは、陸路で移動する外国人のために緊急救命セットを供給しています。それには、頸部固定する器具まで入った本格的なものだと説明されましたが、このような状況を見るに、やはりそれは必要なことでしょう。

社員を派遣する企業にあっては、ぜひ知っておいていただきたい現実です。