ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

follow us in feedly

ミャンマーの麻疹(はしか)、日本に持ち込まれる第三位に

日本に麻疹(はしか)が輸入されるとき、その火元はどこか。日本の国立感染症研究所が公表しているグラフ、今年に入ってミャンマーが第3位にランクインしています。

 

日本では2015年にWHOから麻疹排除認定を受けています。これは日本国内に(土着の)麻疹が存在しないことを認定されているもので、実は先進国としてはかなり遅い方ではあったのですが、ともかくも、日本に定着した麻疹はすでにありません。

したがって、日本国内の麻疹はすべてが国外からの持ち込み(日本人の海外旅行客が旅先で感染したか、外国人インバウンドが持ち込んだかは統計上区別されていない
)になります。

では、どこの国から入ってくるのか・・・グラフを御覧ください。

f:id:tabibito12:20190226151504p:plain

伝統的に(?)日本へ麻疹を輸出する国といえばインドネシアとタイが代表的でした。しかし、2019年にはいって(右端のグラフ)絶対数が増えてグラフがぐっと高くなるとともに、その顔ぶれは フィリピン>ベトナムミャンマーとなっています。

このグラフの上では、桃色のミャンマーは2019年にはいって初めて登場しています。
昨年からヤンゴン郊外で流行した麻疹、今年の2月にはワクチン接種キャンペーンがミャンマータイムズ一面トップ記事になったりしています。

実際、トップのフィリピンでは、死亡例だけで200例超えたり、流行地では非常事態宣言が出たり、保健大臣が会見で収束を「祈っている」といかにも頼りないコメントを出してみたり・・・と珍光景が続出しています。さらに、世界に先駆けておこなわれたデング熱ワクチンの治験が失敗したことが尾を引きフィリピン人の親たちにワクチン敬遠ムードが広がり(まったく関係のない)麻疹ワクチン接種率に影を落としたということもありました。

こうしたフィリピンの珍光景に比べればミャンマーではまだ比較的落ち着いており、医師たちと話した感覚でもフィリピンよりは状況は良いようです。

とはいえ、これからミャンマー渡航される方は、麻疹を含んだワクチンを2回接種しているかどうか、確認の上、まだであればぜひ接種を完成していただきたいと思います。

 

 

ç»åã«å«ã¾ãã¦ããå¯è½æ§ããããã®:1人以ä¸



ヤンゴン一般庶民の医療を現地人目線で突撃体験!

ヤンゴン・ジェネラルホスピタル救急部門。ヤンゴンの一般庶民でごった返し、富裕層や外国人は決して行きたくない場所ですが、交通事故など、ある限られた状況では”意思に反して”連れてこられることもあります。その中はどうなっているのか。ここをミャンマー「庶民目線」で受診してみたらどんな感じだろうか・・・と体当たり経験レポート。

f:id:tabibito12:20190226230900j:plain

滞在中、朝起きたら軽く下痢症状。発熱なく、局所痛がなく、その他渡航医学的におさえておくべきポイントは該当無く、とりあえずオオゴトにはならなさそうと見通せる状況。多分昨晩の食べ過ぎだろう、感染症状はなさそうだし、薬局に行ってあれとこれを買って・・・とやるべきことはわかるのですが、たまたまその日はスケジュールに大いに余裕あり。「そうだ、一般人モードでヤンゴン総合病院に突撃体験だ!」と思い立ちました。

f:id:tabibito12:20190226230742j:plain

ヤンゴン一般庶民でごった返すこの病院、在留邦人のみなさんは決して行きたくない場所でしょう(注:交通事故では、法令上は緩和されたとはいえ、いまでも実質的にはここに運ばれてしまうということはありますが、自分の意思で行く人はいないでしょう)。現地の邦人みなさんと話せば、尾ひれがつきまくった噂や都市伝説いろいろと。いわく「手術室に〇〇が入ってきた」「〇〇が飛んでいた」などなど。

いくらそれは何でも・・とおもいつつ、実際に「ヤンゴン庶民目線で」確かめてみることにしました。すなわち、ヤンゴンで付き合ってる医者連中には一切黙って(JICA病院と通称される、ODAで建てた新館ではなく、コロニアル様式レンガ造りの、庶民でごった返す旧い方へ)単身乗り込みます。自分が医者であることはおくびにも出さない(専門的な言葉を発さない)。

朝イチのアポ終わらせてからその足で11:00am着。まず行くべきはtriage(トリアージ)と書かれたカウンター。ここで重症/軽症振り分けて優先順位がつけられます。

f:id:tabibito12:20190226231128j:plain

軽症は軽症者待合室で待たされるようですが、なんらかの外国人配慮があったのか、11:30頃には経過観察室へご案内。入口におおきな「撮影禁止!」ポスターがあります(こんな大きなポスターをあちこち貼らなければならないのは、そういう事する人が後を絶たないのかなあ・・・ビクトリア病院やパラミ病院など富裕層向け病院では見かけなかったから、患者層で常識が違うのかなあ・・・)

f:id:tabibito12:20190226231245j:plain

f:id:tabibito12:20190226231655j:plain

f:id:tabibito12:20190226235833j:plain

世界中の富裕層向け病院ではごく一般的な「診療費の支払い能力の査定」は無しにすぐ相手してもらえるのは日本と同じ感覚です(ここで威力発揮の海外旅行傷害保険証は出番なし)。

シーツの無いベッドが17個ならぶ大部屋。七転八倒してる人もぐったりしてる人も吐いてる人もそうでもない人もいます。この日は咳をしている人がいなかったので、この空間にいても飛沫感染・飛沫核感染をもらっちゃうリスクは低いと判断、じっくり腰をすえて観察することにします。でもベッド間にカーテンがありませんから、プライバシーの話だけじゃなくて、呼吸器感染症が流行ったらリスク上がるでしょう。

目立つのは私以外の受診者には必ず付添人が1~数人(最多で6人)付いてることでした。プロセスは心電図⇒病歴聴取⇒血糖値⇒採血(血液一般、血沈、CRP、)⇒結果が出るまで2時間待ち⇒結果説明。発熱をともなわない旅行者下痢症の診断にはちょっと大げさではないかと思いますが、そんな事は言わないでおとなしく従います。

20台とおぼしき若手女医さんが既往歴や生活歴、薬剤歴など、基本をきちんとおさえた質問をテキパキと英語で聞いてきます。流れ作業式に17のベッドをどんどんまわってゆきます。医師の目から見たらとても好印象です(医療者に愛想を求める人には不興かもしれませんが)。

こちらから申告したのは「今朝から下痢っぽいの2回、発熱はしていないと思う」とありのままを。生活歴職業歴は、医師であることは言わないで、しかし、ひとつ嘘をつくと次々、どこかの国のどこかの役所の統計セクションみたくなってしまうので「大学の教師、ミャンマーに研究の仕事で来ている」とだけ、ありのままを。「それは政府の派遣か?」とは想定外の質問でしたが「政府の研究費もらってるけど私立大学の仕事」とありのままを(政府派遣なら扱いが違うのかなあ・・謎)。

書類はトリアージのカウンターで申告したことの書類、カルテ最初の頁、検査伝票。日本ではヤンゴン総合病院クラス相当なら電子カルテのはずですが、中小病院ならこれで標準的(なんてこと書いたら早速明日からでも売り込む会社出て来るかな:笑) 

医師は3人でてきぱき動き、椅子に座るひまもありません。が、検査結果2時間待ちの間に顔ぶれが入れ替わったから、dutyの時間はきちんと決まっていて、労務管理は日本のふつうクラスの病院よりしっかりしているかもしれません。

最後に驚愕のひとこと。「No pay, emergency no pay」。なんと、救急部門の診察と検査はすべて無料なのでした。

一般庶民向けではあっても、ここは決して救貧施設ではありませんから、ちょっとびっくりしました。

そして、カルテは原本をそのままもらえます。日本では、カルテ本体は病院に保存し、医事訴訟などが起こったときには医療者の身を守る証拠となりますが、この国ではそのようなことは起こらないということでしょうか。ここも驚。

f:id:tabibito12:20190226232526j:plain

このカルテには処方箋も含まれています。これをもって街の薬局に向かいます。

処方されたのはこれ。

f:id:tabibito12:20190226232830j:plain

BIOFLORというのはイースト菌系整腸剤。日本の病院でも発熱をともなわない軽症下痢にはビオフェルミンを出したりしますから、似た感覚です。手前の袋はORS経口輸液、日本ではOS-1に相当するものです。この処方には何ら違和感はありません

薬品は自己負担。この処方で10000チャット強、800円ぐらいでした。

 

結論:

1.富裕層向け医療機関が次々に出来るヤンゴンであえてここに行く必要はない。

2.しかし不本意にここに連れてこられてしまっても、即、絶望することでもない。

3.若い世代の医者は、好印象と見た。基本はおさえている。ちゃんと勉強してる。

4.ダメなところは、経過観察室のベッド間にカーテンが無いこと。プライバシーゼロ。呼吸器感染が流行ったら要注意(自分がかかるのでなくても、ミャンマー人スタッフの見舞いや付添いでも)。ベッドにシーツはかかっていない。

5.さすがに都市伝説みたく、動物が入ってきたりはしないが、蚊は飛んでいる。

6.救急部門に限っては、診察料と検査料は無料。

7.軽い下痢の場合、診察は基本おさえたキチンとしたものだった。検査はちょっと大げさ、過剰な感も(日本なら公的保険で削られてしまう)。処方は妥当。

8.付添人についてきてもらうのが原則。

 

ミャンマーの愛すべきパチモンたち:その5 置時計・掛時計は変わらずやりたい放題

ミャンマーの愛すべきパチモンシリーズ。腕時計はここのところ急速に商標管理がすすみ、なんちゃってロレックスの類は姿を消し、ひとりダニエルウエリントン「だけ」がやられ放題と紹介しました。今回は打って変わって置時計・掛け時計のやりたい放題状態紹介。

フェイク商品が急速に消えた腕時計。では置時計・掛時計はとなると・・・

プーさんの所属先って、かなり商標登録が厳しいので有名じゃなかったっけ。。。

f:id:tabibito12:20181029203645j:plain

キティちゃんの事務所も、結構厳格なはずだったけれど・・・

上の段のキティさん(外枠まで!)と、下の段のキティちゃんは明らかに違いますから、複数のメーカーから好き放題されているようです。

f:id:tabibito12:20181029204233j:plain

腕時計の観察では、かつて(管理人の知る限り2012年時点)はロレックスにオメガ、何でもござれ状態でしたが、その後の発展とともに高級ショッピングセンターがにょきにょき建ち、ロレックスやオメガや・・・のホンモノが売られるようになると急速にパチモンは勢力を縮小、定点観測ポイントのルビーマートでは見られなくなってきました。おそらく、本社から商標管理の専門スタッフがヤンゴンの主要ポイントを見てまわりそれなりのアプローチをとっているのだと思われますが、それに至っていないものはまだまだ・・ということなのでしょう。

 

www.myanmarinfo.jp

 

nnaで連載始めました

アジア駐在のお馴染み、共同通信系メディアのnna。nnaカンパサールからご依頼いただきまして、連載を始めました。ネットでご覧いただけますので、ご笑覧ください。

月1回ベースです。ミャンマー駐在にもお役に立てれば幸いです。

第一回目

https://www.nna.jp/nnakanpasar/backnumber/190201/topics_001/

www.nna.jp

nnaカンパサールのURLはこちらです。

次回以降、こちらからクリックください。

https://www.nna.jp/nnakanpasar/

www.nna.jp

f:id:tabibito12:20190204110737p:plain

 

パヤーの修繕現場。日本の労働安全衛生法ならアウトなのだけど・・・

金色に輝くミャンマーのパヤー(パゴタ)。いかにも維持に手がかかりそうなものですが、その修繕工事の現場は労災と隣り合わせの実態。

お目当てのパヤーに出かけたら足場に覆われた工事中状態でがっかりした・・・という方もおられるかと思いますが、そんな工事中状態をじっくり眺めてみました。

遠くから見ると、美しい金色が見られず一見ガッカリ光景ですが、でも、この足場も精巧で美しいのではないか。そんな思いもあり近づいてみることにしました。

f:id:tabibito12:20190127224653j:plain

足場の隙間からお揃いの真っ赤な作業着の職人さんの姿が見えます。

f:id:tabibito12:20190127224514j:plain

しかし、勝手に職人さんの処には行けません。

出入口は1か所に絞られ、ガードマンが目を光らせて部外者をシャットアウト!

f:id:tabibito12:20190127224056j:plain

職人さんたちを良く見ると、安全帯(命綱)もしていないではありませんか!

これは日本の労働安全衛生法ならNGで、使用者は安全配慮義務違反に問われます。労基署が入ってきたら、こってり絞られるところですが、、、

ちなみに日本では、ハーネス型の安全帯が必要。

f:id:tabibito12:20181029213643j:plain

ところで、この足場の材質は? 体重かかって大丈夫なの?とは外部者の素朴な疑問ですが、、、

f:id:tabibito12:20181029213854j:plain

なんだかとっても年季が入ってますね。あちこちのパヤーで長年使いまわされてるんだろうなあという感じ。

もうひとつ、作業員のみなさんがお揃いのロンジーをはいてるように見えてハラハラしたのですが(まあ、日本でも僧衣を着て運転したら違反切符を切られかかって、全国の僧侶がツイッターで僧衣着用の激しいパフォーマンスを披露したなんて騒動もありましたから、ロンジーで工事しても悪くはないのかもしれませんが)、休憩場所に行ってみたら、ロンジーではなくズボンであることが分かりました。

 

f:id:tabibito12:20190127224401j:plain

職人さんたちの顔を見ると、若年層中心の理想的な人口ピラミッドのこの国にしては、中年以上の姿が目立ちます

どうやら、パヤーの修繕にあたるのは、通常の建設労働者とは一線を画したベテラン層でかためているようです。ベテランプロ集団が年季のはいった資材を使って職人技を発揮してゆく・・というのが実態。

でもやっぱり、安全帯なしであんな高い処で作業するのはハラハラするよなあと。経済発展とともに、そうした国際的常識も入ってこれば良いのだがと思いました。

サクラタワーの斜め前の現場のように、日本の労基署が入ってきても文句のつけようが無さそうな現場、日本のゼネコンのノウハウがたっぷり注入された工事現場も出てきていますから、そういった安全衛生のノウハウが、こうしたパヤーにもトリクルダウンしてゆけが、本当に良いのですが・・・

 




 

 

 

アラカン軍の存在感が急拡大したワケ

ラカン州といえば、注目度急上昇がアラカン軍(AA)。ベンガルの皆さんのARSAテログループは知られるものの、AAの知名度はいまひとつでした。が、警察署襲撃で存在感拡大しているわけは・・・イラワジ紙の解説。

 アラカン軍(AA)の9周年記念動画。そのクオリティの高さに驚愕です。
(制服女子のお好きな方もどうぞ)

www.youtube.com

ここで注目されるのが、出てくる武器にたっぷりカネがかかっていること。M60自動小銃だ、MRADスナイパーライフルだと、タイーミャンマー国境のブラックマーケットでは相場1万ドル/丁ぐらいで取引されている高級品をバンバン打っています。

このリッチなアラカン軍、その急成長ぶりでも注目を集めています。カチン州Laizaでわずか69人の決起ではじまったアラカン軍、いまや7000人規模にふくれあがっています。

なんでこんなにリッチなの?となりますが、カチン州の独立軍(KIA)やワ軍の支援を受けつつ、国外出稼ぎアラカン人が数千チャットの義援金を送ってきたり、誕生日に4万チャット送ってきたり、麻薬密売をやってるらしかったり(2017年にアナン元国連事務総長率いる調査チームのレポートにも、AAと薬物ディーラーの関係が書かれている)、資金源は様々のようです。

2015年にミャンマー軍が空爆をおこなった際には、対空砲をプレゼントしてくれる篤志家があらわれたり・・・

そんなこんなで、前述の1丁100万円もするぴかぴかの最新銃(イスラエル軍ノルウェー軍も使っているのだとか)をバンバン打てるほか、装備もしっかり、家族の福利厚生もしっかり整っているとか。

そんなリッチなアラカン軍が、ベンガル系のみなさんのARSAテログループと提携してるかも(コンタクトしてるらしき)噂も出ている状況下、ミャンマー軍にとって難敵になりつつあるようです。

3つ巴の睨み合い、アラカン州はさらにキリングフィールド化してゆくのでしょうか。 

 

https://www.irrawaddy.com/news/burma/analysis-arakan-army-powerful-new-threat-tatmadaw.html

www.irrawaddy.com

1年で103人も亡くなってしまう死のハイウェイ、それでも少し改善(ヤンゴンーマンダレー線)

ヤンゴンーネピトーーマンダレー線のハイウェイ。ネピトーに用があるけれど飛行機がとれなくてやむなくここを走ったことがあるという方は少なからずおられるかと思います。ここが死のハイウェーであることはそれなりに知られていますが、それでも若干の改善にはあるという話。

2018年1年間でヤンゴンーネピトーマンダレー線で亡くなった人は103人! 交通事故が473件でケガ人は873人。毎日約3名づつ死ぬかケガしているかという計算です。

ちなみにヤンゴンマンダレー線は記事によれば400マイルとのことですからイコール640km、東京ー神戸よりちょっと長い程度です。距離も性格もよく似ている東名+名神両高速道路の死亡事故件数を足し算すると、2017年で3件、2016年で4件という数字ですから↓

https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/kousoku/documents/29kousoku.pdf#search='%E6%9D%B1%E5%90%8D%E9%AB%98%E9%80%9F%E9%81%93%E8%B7%AF+%E4%BA%8B%E6%95%85%E6%95%B0'

ヤンゴンマンダレー線ではゼロがふたつばかり多いということになります。

しかしそれでも、2017年に比べて改善傾向にあります。2017年は死亡116例、負傷者863例、件数555件でした。

若干なりとも改善した理由が「交通取り締まりの導入」。スピード違反には5万チャット(約4000円)、シートベルト不着用には3万チャット(約2000円

https://www.irrawaddy.com/news/road-toll-death-highway-drops-2018.html

台中盤)と、それなりに抑止力もありそうな罰金額です。

また、この道路自体、”名ばかり高速道路”で、舗装や標識を改良しなければならないとの声もあり。

ビジネスでこの道を通らねばならないみなさま、旅行で高速バス利用のみなさま、ここを利用せざるをえない皆様におかれては、シートベルトくれぐれもお忘れなく!

 

しかしこのワンディングぶり、ミャンマー国鉄の線路もかくやという状況で大変ですね。

f:id:tabibito12:20190105121323p:plain

www.irrawaddy.com

新年あけましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます

 

f:id:tabibito12:20180429170954j:plain

光陰矢の如し、2012年にはじまった私のミャンマー通いも7年目に入ります。

この7年間、想定どおりのすさまじい変化を目にすることが出来ました。主として医学界(精神医学界・軍医学界)の交わりでは、ユワタジの精神科病院は外国人禁のベールに包まれた世界でしたが今やYBMのバス路線図に明示されるまでになり、おなじく謎の存在だった精神医学会はついに国際学会まで主催(!)し世界各国から発表がおこなわれるところまで急成長しました。そして邦人のみなさまのストレス環境も刻刻と変化してまいりました。

新年も定期的な訪問調査、また、本来の研究テーマとは異なる場所でミャンマー庶民の定点観測をする楽しみ・・・私的には、ケンタッキー・フライド・チキン1号店とルビーマートがお気に入りの観測地点です・・・も続けてゆきたいと思います。

当サイトも引き続き、非公式な発表の場としてお楽しみいただければ幸いです。

新年もよろしくお願いいたします。

   2019年元旦

                 勝田吉彰

ミャンマーのケンタッキー1号店の定点観測 2018年10月の現状

ミャンマーケンタッキーフライドチキン。その1号店開店以来の、店の中を定点観測してゆけばミャンマーの発展度合いとの相関が観察されるのではないか。そのような仮説のもと、約半年ごとに店内外の画像とともに考察するシリーズ、2018年10月版。前回2月からの目立つ変化は、スムージーのブースが新設されたことです。一方で客層は前回の変化からは目立つものなく店員の応対も同様。

ヤンゴンのケンタッキー、この1号店はボージョーアウンサン通りに面し、店の前はリッチマン・中産階級・一般庶民・物乞いとあらゆる経済的階層が通りますので、店に入って来れる階層を見ればある程度の変化がつかめます(対して2号店以下は高級ショッピングセンターやら空港やら、前を通る人びとの社会的階層が限られるのでずっと同じ)。

今回目を引いたのがこのカウンターの新設。スムージーと飲料が提供されます。飲料は通常のカウンターでも提供されますから、わざわざこれが新設されたのは「飲料だけ注文して喫茶店的な使い方をする人」を増やそうという意図でしょう。2017年9月頃から目立った、低額セット導入による客単価低下⇒間口の拡大と同じ方向性です。f:id:tabibito12:20181029212450j:plain

店内の客層は大きな変化なく。中の上以上が保たれています。

 

f:id:tabibito12:20181029212533j:plain

店の外は富裕層から物乞いまで。店に入れない層がウインドウの段差のところで日がな一日座っているのも変わらず。

f:id:tabibito12:20181029212617j:plain

プライスタグも変化なく。

f:id:tabibito12:20181029212415j:plain

f:id:tabibito12:20181029212512j:plain

 

 

www.myanmarinfo.jp

 

www.myanmarinfo.jp

 

www.myanmarinfo.jp

 

 

www.myanmarinfo.jp

 

 

www.myanmarinfo.jp

 

 

www.myanmarinfo.jp

 

 

www.myanmarinfo.jp

 

 



ミャンマーのネット事情。LTEとWifiの速度差が世界でもトップレベルに躍り出た

ヤンゴン空港に降り立つと「4G」の巨大な看板。まだ4Gが始まったばかりで珍しいのかここでは・・・なんて思ってると、意外な事実が。

 

netgeekで流れてた「もはやWi-FiはキャリアのLTE電波網よりも通信スピードが遅いことが浮き彫りに」 という記事。文字通り、WifiLTE(モバイル回線)が追い抜いてるという話なのですが、各国比較のグラフを見てホーと。

f:id:tabibito12:20181211230212j:plain

 いまやモバイル回線がWifiを追い抜いているのが全ての国だというのがこの記事の趣旨なのですが、そのなかで、速度差、モバイル回線の方がどれだけWifiより速いのか、速度差が大きい順に並べたグラフです。 

f:id:tabibito12:20181128173717p:plain

特に速度差の大きい首位グループの塊、世界でも第七位につけているのがミャンマーです。

この上位国を見てゆくと、首位オーストラリアは別として、オマーンギリシャチェコカタールレバノンイラクと、先進国とは目されない面々ですが、しかし、一旦崩壊に近い処までガラガラボッチャンで再建してきた国、それなりにお金のある国が並んでいます。

技術の世界には、ある技術で遅れていて(整備されていなくて)、しかし、その分野でまったく新しい技術が出てきたら、下手に旧技術がしっかり整備されていた国を一気に追い抜いてしまうというのはよくある話です。

ミャンマーにおけるITも、御多分にもれずそのパターンに入っていることが可視化されるグラフといえましょう。

元ソース、クリックしてご覧ください。↓

 

gigazine.net

https://gigazine.net/news/20181126-mobile-network-faster-than-wi-fi/

ワンコインで功徳を積んで来世の環境を良くする方法:その7(ボタタングパヤーの門前マーケットは入場前に!)

ミャンマーのお寺でワンコインで功徳を積む方法。お供えものは色々独自の文化があって面白いのですが、ボタタングパヤーでは門前のお店で入場前に入手します。

スケジュールの詰まったビジネス出張、そんな合間にちょっと良い気を吸って、自分が生まれた曜日の仏様にお願いして、手軽にドネーションして来世に良い生まれ変わりを期待しましょう・・・と私のいつもの行動パターン。

シュエダゴンより気軽に行けて、ダウンタウンから遠くなくて、スーレーより広々して雰囲気の良いボタタングパヤーは時間限られるビジネス出張の合間にもちょっと行けて私のイチオシです。(かつてはスーレーに立ち寄ってましたが、「アンナイシマショウ、ニホンジンデスカ」が毎回寄ってくるので最近はこちらへ)

ユニークなお供えものをミャンマー庶民価格で手に入れて置いてくるのはなかなか楽しい経験ですが、(入口で何店もあるスーレーと異なり)ここボタタングでは入場してしまうと店がありません。お供えものは入場前に門前のマーケットで入手する必要があります。これがなかなかの規模で歩くと楽しい空間。

こんな可愛いのも(お供えものじゃないですが)

f:id:tabibito12:20181029214119j:plain

天井まで積み上げられたバナナの山。

f:id:tabibito12:20181029214146j:plain

これを山刀で豪快にぶったぎってお供えものをつくるおじさん。

f:id:tabibito12:20181029214221j:plain

きれいに並べて組み合わせて完成!

f:id:tabibito12:20181209145928j:plain

ボタタングパヤーの前のマーケットは面白いので参拝「前」に立ち寄りを

 

ワンコインで功徳を積んで来生の環境を良くする方法:その6(ボタタング パヤーのハイテク寄付コーナー)

ワンコイン(500円以内)で功徳を積む方法。川沿いはブッダの歯で有名なボタタングパヤー(Botahtaung)のIT化寄付受付コーナー。

入場料払って最初の建物に入ると右手にこんなカウンターがあり若手のおねえさんが座っています。そこに(ほとんどが)1000チャット札握りしめたミャンマー庶民が、例によって列をつくらず押し合いへし合いしています。なんだなんだと見ていると、IT化されたドネーション窓口のようです。

f:id:tabibito12:20181029212955j:plain

で、そこにいたミャンマー人に交じって、同じように1000チャット(約80円)札をこのおねえさんに差し出してみると、パチパチとキーボードを叩いて何やら入力してくれます。

「ここに示されています」とおねえさんが指し示す画面を見ると、(判読できるのはJapanだけですが)どうやら寄付額と名前が示されているようです。名前は口頭で言っただけですから(書類記入はなにもない)、おねえさんの耳に聞こえたように書いてあるのでしょう。このミャンマー文字が本当にカツダと読めるのかどうかは仏様とミャンマー人のみぞ知る。もっとも、日本でだって、私の名前をカツタと思いこんじゃって正確にカツダと記入する人はむしろ少なかったりするので、むしろ正確かな。

国籍も尋ねられた覚えがないから、このおねえさんは、日本人と中国人と韓国人をちゃんと判別できるようですね。

f:id:tabibito12:20181029213032j:plain

おねえさんが打ち込んだ情報は、写真にうつってるレーザープリンターにも届いていて、寄付証明書がピッと出てきます。ここで功徳を積もうと考えるのは基本的にミャンマー人で外国人観光客は基本的にそんな事考えませんから、寄付証明書はミャンマー語オンリーです。右のふたつは外国人用入場券とステッカーですから英語オンリーです。同じパヤー内でもちゃんと使い分けられていて対照的ですね。

f:id:tabibito12:20181029213108j:plain

入って右側のお堂に入ってゆくと、広大な空間に良い気が満ちていて、たっぷり快適な時間が過ごせます。この建物の片隅には”従来型ドネーションデスク”があります。こちらはスーレーパヤーなど他の大手パヤーと同じシステム。こちらでも、たまたまポケットに入っていた10ドル札で功徳を積んでみます。いつだかスーレーパヤーで見たのと同じ、ドル札はその番号まで(2枚複写の寄付証明書に)記入することになっていて、取扱いスタッフが着服できないようになっています。性悪説にもとづいてキッチリしたシステムになっているようですね。

f:id:tabibito12:20181029213332j:plain

f:id:tabibito12:20181029213458j:plain

その他、クルクル回転する板に向けてチャット札を投げてうまく入ったら願がかなうコーナーだとか、いろいろ工夫がみられるのがミャンマーのパヤー。ちょこちょこ小出しに功徳を積み上げてゆくと、来生だけじゃなく現生でも結構楽しめたりします。

 

www.myanmarinfo.jp

 

 

www.myanmarinfo.jp

 

 

www.myanmarinfo.jp

 

 

www.myanmarinfo.jp

 

 

www.myanmarinfo.jp

 

ヤンゴンの狂犬病は業界で国際的注目

ヤンゴンの街を歩けば野良犬に当たり、咬まれる人もしょっちゅう出ていて、狂犬病の犠牲者も多いのは、生活実感としてよくわかる処でありますが、国際的注目を浴びつつあります。

outbreaknews。感染症アウトブレイクの専門サイトで、感染症オタク的な話題が日常的にアップされているサイトですが、ヤンゴンの野良犬と狂犬病の話題が。

ここのところ犬にかまれて受診するケースが急増しており、11月には1日平均60人、10月は1300人!

1~10月で8629人、大部分がダラ地区。今年にはいってヤンゴン総合病院だけで狂犬病による死亡者。

f:id:tabibito12:20181201102239j:plain

ヤンゴンの住人は誰でも、咬まれた後のワクチン(暴露後免疫 PEPといいます)をヤンゴン総合病院で受けることが出来るが、2回目以降は最寄り病院で実施を。

犬に限らず、なにかに咬まれたら必ずその日のうちに受診を!

 

outbreaknewstoday.com

 

 

ミャンマーの愛すべきパチモンたち:その4 ドラエモン×キティのコラボもミャンマーで独自の進化

ヤンゴンの街にあふれるパチモン(フェイク)紹介シリーズ。「ドラエモンとキティちゃんのコラボ」もお手頃価格の独自進化をとげているのがミャンマーです。

ドラえもん藤子不二雄プロ)も、キティちゃん(サンリオ)も、事務所の壁を越えて固い友情で結ばれるのがミャンマーという国です。上座部仏教の功徳ですね(嘘)

f:id:tabibito12:20181029203423j:plain

コラボのお値段、3500チャット、300円弱!

f:id:tabibito12:20181029203454j:plain

どちらか単独だと3000チャットに下がります。

ところで、ドラえもんとキティちゃんのコラボって、実は存在しないわけではないのです。ただ、事務所が2つもからんでパテント代とられたら、100円ショップで売ってるような多色ボールペンが1000円だとか、パンツ1枚1700円だとか、まあそういう高貴な(?)お値段になるわけです。それが3500チャット。やっぱり面白い国です、ミャンマー

しかし、これを帰国荷物に入れて、税関の抜き打ちでカバン開けてくださいとなったとき、これを見た係官はどう反応するのか。経験者おられたら教えてください。

 

shopping.geocities.jp

 

 

ヤンゴンの路上でカネをまきあげるニセ僧侶! ご注意を!

ひところ日本の街角で僧侶の格好してカネを脅し取る怪しい外国人が話題になったことがありますが、ヤンゴンに出没して善良な市民からカネ毟ってる動画が猛拡散中です。みなさまご注意を。

skynewsの動画。
クリックしてご覧いただくのが一番良いのですが

https://www.facebook.com/than.chitoo.96/videos/814030432261339/UzpfSTQ3ODMyNzk5MjIyNjkxMjoyMDQ3NTMzODE1MzA2MzE0/

www.facebook.com

抜粋。

f:id:tabibito12:20181112095229p:plain

善良なおばさんが、路上で僧侶姿の男にカネを払ってお祓いらしきことをやってもらっています。それに気が付いた投稿主がスマホで動画撮影開始。「お前ナニモンやっ!」と声をかけます。

僧侶姿の男は、ごそごそと証明書らしきものを取り出し見せますが、ピントがぼけていますが、少なくともミャンマー語でないのが見て取れます。

f:id:tabibito12:20181112095618p:plain

いかにも悪辣な人相ですね。Tシャツの上から僧衣らしきものをひっかけたイイカゲンな格好、おかしいと思わないのかなあ、おばちゃん。まあ、そこで投稿主は気が付いたのでしょうが。

f:id:tabibito12:20181112095715p:plain

さらに投稿主が追及を続けると、退散モードに。やはり人相悪辣なお仲間も撮影すると、撮るな!と遮ぎりますが、勇敢な投稿主はひるみません。

f:id:tabibito12:20181112100045p:plain

そして退散、次の獲物を狙いにゆきます。

f:id:tabibito12:20181112100730p:plain

不良僧侶(破戒僧なんて言葉も昔、教科書にあったような)といえば、管理人が思い当たるのは、スーレーパヤーで外国人にガイドを持ち掛ける輩ぐらいですが(これも常駐してるのでご注意)、こちらは明らかに偽物ですね。

日本でも、この手の動画が拡散したことがありますが(あの時は中国人だったかな)、より熱心な仏教徒の多いミャンマーでは騙される人も日本より多そうです。

ヤンゴンの街角、くれぐれもご注意ください。