ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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二極化著しいヤンゴンの安全衛生水準、現場はこんなに違う

ヤンゴンの工事現場、安全衛生水準が悲惨な状態であることを、以前、労働衛生コンサルタント国家試験の勉強にかこつけてアップしました。それは過去記事を見ていただくとして、一方で、日本の現場と比べてもそう悪くはないよねという場面も、極めて少数ながら目撃することができます。現場の安全衛生水準は極端に二極化しているという現実。

まずは、ボージョーアウンサン通りのあの現場。そのド真ん前の中級ホテルが(研究費予算ではスーレーシャングリラには泊まれない教授の)常宿ですので、毎回至近距離から見ることができます。この現場、2017年までは平凡なミャンマーの現場だったのですが、2018年にはいってメキメキ変わってきました。

 

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 現場。ヘルメットをかぶったりかぶらなかったりバラバラ・・・という状況からは卒業できています。通路、立入禁止区域の設定も出来ているようですね。

 

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この現場、2017年2月までの状況は、あまたあるミャンマーの現場と大差ありませんでした。あやしげな足場と動かない重機(夜中になると動いた)f:id:tabibito12:20171227164211j:plain

2018年にはいるとエアコン完備の立派な現場事務所が立ち、冒頭のような光景に。

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事務所の中も、日本の現場並みには整理整頓がゆきとどいているようです。

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作業員の皆さん。

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防護具は揃っています。履物もゴムサンダルじゃなくて安全靴になっている模様。

掲示類も、日本の常識と大差ないところまできていますね。

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一方で、同じ日の撮影なのにこんな現場が、おなじくボージョーアウンサン通りをほんの徒歩5分ばかりの所に存在しているのも、これまた現実。

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ほんの半年前のショット。生命帯なし、保護帽なし、裸足・・・

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ミャンマーの現場、安全衛生水準は現場によって絶望的なまでの格差というのが現実。この溝を埋めるべく、労働安全衛生法令の改善が望まれます。。。って、すでにJICA専門家あたり、動かぬカウンターパートナーの尻たたいて、って奮闘始めてるのかな。




 

 

ヤンゴン警察が公表する意味深い画像

ヤンゴン警察がFBで拡散している写真がなかなか味わい深いです。偽ウイスキーの下手人をつかまえたぜ! イエーイと晒すのですが、人権状況も透けて見えて来たりします。

なんとか豪邸の末席ぐらいになりそうな民家。空港免税店に並んでいそうなスコッチウイスキーの山を背に写っているのは悪そうなおにいさん手錠付きで。

 

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もうひとり別人。タクシー運ちゃんかな。やはり手錠姿の下手人として。ジョニ赤、シーバスリーガル、バランタインの段ボールが見えますね。

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Bottled in Scotlandと記された新品キャップの山。そうかこの写真はダブリン郊外だったのか・・・なわけないですね:笑

 

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商売道具の数々。

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ジョニ赤、ジョニ黒、ジャックダニエル・・・カラ瓶の流通アングラルートがあるのですね。

ところで、この記事を見て気が付くこと・・・

ヤンゴン警察のFB、一般人の写真はそのまま顔出しですが、犯人の写真はかならず目線が入っています。「犯罪者の人権・プライバシー」についておそらくは先進国警察のお手本に沿っているのでしょう。かつて、EU各国が支援の一環として警察官を派遣してミャンマー警察のスキルアップ支援をおこなったことがあります。前テインセイン政権で警察が学生運動弾圧したとき、そのときのポリスアカデミー写真が流出、学生を弾圧するスキルはEUが教え込んだものだった!と大変不都合なことになりました。(下記記事参照)

 

www.myanmarinfo.jp

 まあこれは何ともタイミング悪かったですが、EU諸国は学生やプロ市民のぶん殴り方だけを教えたわけではなく(笑)、正しい人権、写真のアップ仕方も教えたことでしょう。かくして、犯人は目線入り、(EUが教え漏れた?)一般市民は顔出しそのままということになっているのでしょう。こういうチグハグさもミャンマーの面白さです。


ミャンマー警察FB

https://www.facebook.com/pg/yangonpolice/photos/?ref=page_internal

 

 

ティンチョー大統領、本人姿を現さぬ突然の辞任発表に想う

今日3月21日、ティンチョー大統領が辞任したと大統領府発表。ネット内の反応は、お疲れさまでした・・・と平穏なものが多いようです。

 

イラワジ紙からの事実関係の要旨。
ティンチョー大統領の辞任が3月21日発表された。2年足らずの任期。

彼が、自分の地位からリタイアしたいから辞任した( “as he wants to retire from his duties.”)。7平日以内に後継者が発表される。当面、副大統領第一位のミンシュエ氏が職務代行。昨年から、この衰弱した要望と公式行事の欠席から、健康不安説が流れていた。

ということです。

https://www.irrawaddy.com/news/myanmar-president-u-htin-kyaw-resigns-cites-need-rest.html

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たしかに、このイラワジの写真を見るまでもなく、就任時とは明らかに異なります。しかし、なぜ唐突にいまなのか。誰の目にも明らかな痩せからは、また、国外で治療という話からは、多くの人が思いつくのは、悪性新生物(がん)系のものでしょう。が、しかし、管理人的にちょっと?なのは、それならば辞任会見だとか辞任演説だとか、カメラの前でアウンサンスーチー氏と握手ないし抱き合うだとか、民衆の前で手を振りながら去るだとか、可能なはず。でも本人の姿あらわさず突如の文字だけ発表、これ何なんだと?マーク。イラワジ紙ほかいう処の健康不安説とはまた別の、人前で話すことが困難になる急性健康問題が起こったのかなあと、政治云々は別として、純粋に人として懸念するのです。そうであってほしくないと懸念するのは、血管系のトラブル。脳血管障害や虚血性心疾患(急性心筋梗塞狭心症)。これらは余生のQOLを大きく損ないますから・・・

大統領府のフェイスブック、辞任を伝える記事のコメント欄。
google翻訳にコピペしながら、そこに出てくる要領を得ない英文と格闘するのですが、多くは「ゆっくりお休みください」「今までありがとう」系の穏やかなものが大部分です。

そのコメント群のなかで最も多くの「いいね」を集めているコメント(21日17時時点で1620いいね)、google翻訳通すと「However,Some people want the assignment position Low and not enough to separate Position and power than those who love
Much respect President outbreaks of disease ဆုတောင်းပေးပါတယ်」と、ちょっと政治的ですが、地位に汲々しないことを好感って感じですね。

https://www.facebook.com/myanmarpresidentoffice.gov.mm/photos/a.813483202032751.1073741828.813476528700085/1589814934399570/?type=3&theater

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www.facebook.com

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ティンチョー - Wikipedia

ミャンマーのケンタッキー1号店の定点観測 2018年2月の現状

ミャンマーのケンタッキー1号店。ボージョーアウンサン通りに面する1号店の前はあらゆる社会的階層が通りますので、その中から店内に入ってくる人種はいかばかりか、定点観測すればミャンマー人懐具合の連続的定点観測になるのではないか・・・との仮説のもと、開店間もない頃から訪問のたびに連続アップしています。今回は2018年2月の状況。

今回目立ったのは、「店の前に店がオープンしてること」でした。

店の前のガラスのところに、ちょうど腰をおろせる段があります。青い目の観光客などがよくベンチ代わりに腰をおろしているのですが、ここが商売の場になっている。

私が窓際で人間観察しながらフライドチキンをほおばっていると、店内には入ってこれそうにない風体のおじさんがどっかと座りました。

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すると、おやおや、カバンの中身を並べ始めました。

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なおも観察していると、並べてからわずか10分後に最初のお客が寄ってきました。
結構したたかに値切り交渉をしているようです。

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そして並べてから15分後ぐらいには、もう売れて現金収入を手にしたではありませんか!

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店の前には警備員がいますが、とがめる風もなく、店の外のことはまったく無関心です。

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店内の様子です。前回、2017年9月分で報告したように、2000~3000チャット台の低価格セット路線に舵を切っていますから、ちょっとおこづかい多めの若年層が(以前から見られたけど、もう少し)増えているようです。(隣はお子様連れ)

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低価格セットではない、満腹になるセットはこんなお値段です。

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下膳台の位置、一般店員の動きなどは開店以来、まだ変化がありません。
(日本同様に、お客が下膳台にセルフサービスで片づけるようになった時が、庶民化の目安と考察しておりますが、いまだそうはなっておりません)。

ミャンマー人客が立ち去った直後はこんな様子です。

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日本人(私)がトレイを持って下膳台に向かって一歩踏み出すと、ササッと店員が寄ってきてうやうやしくトレイを受け取るのも変わらず。

2階のベランダは、暑いので人気薄です。それだけにカップルが邪魔されずに2人だけの時間を過ごせます。

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ちょっと残念なのは東側がヒンズー寺院と密着していて、ガラス掃除が不可能なこと。だから東側の窓は訪問するたびに不透明の度を増してゆきます。

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この国で「ハンドメイド」を売りにするって、ちょっとズレてるんじゃないでしょうか。おそらく米国人支社長あたりが考え付いたことでしょうが、こういう国では清潔なオートメーション工場で人の手に触れずにつくられてます・・ぐらいの方がアピールするのではと思います。

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値段表@2018.2

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2018年2月の様子、店内はやや若年層が増えたものの大差には至らず。店外、店の前は急速に庶民化。

 

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ミャンマー軍の合同演習、将軍がSNSでバンバン発信!(空)

ミャンマー軍のミンアウンフライン将軍がSNSで合同演習の風景をバンバン発信している件。今回は空軍編です。

空挺隊

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中国製 殲7。

戦闘機はもっと良いの(ミグ29)持ってるはずですが、そちらは見せてくれないか。

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地対空ミサイル

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https://twitter.com/SGMinAungHlaing

twitter.com

japanese.china.org.cn

 

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ミャンマー軍の合同演習、将軍がSNSでバンバン発信!(海)

ミャンマー軍のミンアウンフライン将軍がSNSでバンバン発信の合同演習光景。今回は海軍編です。

  

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揚陸作戦、まずは揚陸艇に乗り移ります。

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揚陸作戦、準備完了!

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揚陸開始! 艦橋のサインに注目。赤地に白で「SAFETY FIRST」と(ミャンマー語ではなく)英語でキチンと書いてあります。安全第一と呼びかけるこの先進国チックな感覚。UKあたりが軍事支援をしておるのですね。ラカイン州ベンガル人難民問題で人権畑の面々が叫んでもBBCが炎上ものともせず叫んでも、各国政府の動きが人権派みなさんが期待するレベルに至らない事情も透けています。

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突撃! お疲れさまです。

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twitter.com

 

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ミャンマー軍の合同演習、将軍がSNSでバンバン発信!(陸)

ミャンマー軍の空陸海合同演習。この国のユニークなところは、トップのミンアウンフライン将軍が個人のFBやツイッターでバンバンと発信してしまうこと。そんな写真出して良いの? 私がその場にいたらそんな写真撮れないけれど・・・といったものも、大量にアップされています。まずは陸から。

サイトは、ミャンマー軍とは書いてなくて、いずれもミンアウンフライン将軍個人名のサイトです。かいつまんでいくつか拝借。

https://www.facebook.com/seniorgeneralminaunghlaing/

www.facebook.com

https://twitter.com/SGMinAungHlaing

軍医のテント。野戦病院。医療部門にも割とこまめに足を運ぶのがミンアウンフライン将軍。ちょくちょくアップされます。

画像に含まれている可能性があるもの:1人、立ってる、屋外

地対空ミサイル

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大作戦会議

自動代替テキストはありません。

 

猛スピードで有刺鉄線を破って適地侵入!

画像に含まれている可能性があるもの:1人以上、屋外

 ジャングルでこんなのに遭遇したらひとたまりもありません。

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将軍様将軍様でも、北の国のあのお方よりサマになっています。周囲の高位おつきの皆さんも。

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twitter.com

 

ミャンマーの街角で見かける日本と似たモノ(その1:あの大コメディアンのミニミニ版)

ミャンマーの街角で見かける、なんだか日本で見たことある者や物・・・
見かけたらアップするシリーズ。その1は、あの大コメディアン。

セントラルホテル前の路上に毎日午前中に開店する噛みたばこ屋のママさん。同伴するお子ちゃまのヘアスタイル、チョンと立っているのがポイントです。

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タナカの塗り方がとっても念入りですね。まるでテレビ局の美容師さんみたいに・・・

そう、このお方を思い出してしまうのです。

「志村けん バカ殿」の画像検索結果
時折、おかあさんの膝に乗るとちょんまげが目立ちます。

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【追記】

新型コロナ禍、まさかこのような事になってしまうとは。。。

奇しくも、管理人の出演日にこの話題にコメントするタイミングになってしまい、心よりご冥福をお祈りさせていただきました。天国から見守ってください。

 
 

本日のミンアウンフライン賓客は笹川洋平氏・中国高官

ミンアウンフライン将軍のフェイスブック不定期に流れてくる動画。本日(2018.2.13)の謁見は、中国高官と笹川陽平氏でした。

アナウンサーもササガワヨウヘイ氏の名前は読み上げますが、名前を挙げられないお付きの人々の顔を眺めていると・・・

日本の報道見たって書いてない、ミンアウンフライン将軍のFBだけが頼りの、平昌オリンピック会場を舞台の政治ショーに世界中の目が釘付けになっている裏で展開しているのはどんな話なのか・・・

中国外務省高官にすぐ続いて(将軍側のお付きの顔ぶれ、様子がまったく同じだから、ほぼ続けての謁見と思われる)の会談、なんだか意味深ですね。

 

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もうひとり、日本側で大写しになっているのがこの人物、何者だろう・・

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一瞬、この人物と誤認しかけましたが、色素斑の場所は似ているけれど、まあこれは違いますね。10歳ぐらい若くしたような・・・

 

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【追記】

2番目の人物、ご教示いただきました。

丸山大使。ミャンマー語専門家。公使から内部昇格。

 

保健スポーツ大臣の国会答弁でメンタル医療体制の不足と希望が明らかに

ミャンマー精神科医療体制。国会質疑で保健スポーツ大臣(Dr. Myint Htwe氏)の答弁から。下院での答弁です。あらためて人材不足が明らかに。

  • 質問者はTaungdwingyi Township lawmaker U Min Theinで、地方レベルの病院に精神科医を増やす気があるかと質したものに対する答弁。
  • 我が国(ミャンマー)いはうつ病の症例が多数存在する。おそらく最近になってのトレンドだと思う。あるいは以前からあったけれど最近我々が認識するようになったということかもしれない。
  • 保健スポーツ省が2016年10月にヤンゴン郊外のタウンシップで調査したところ、人口1000人あたり9人がうつ病、さらに9人が精神病(統合失調症をさすと思われる)。
  • 2017年にはヤンゴン郊外の他のタウンシップ2か所で調査、1000人あたり90人以上がなんらかのメンタル不調が見られた。タウンシップの名前は倫理的配慮からふせられた。

  • 精神科医の数は非常に限られているので、そのすべてが医療的ケアを受けられているわけではない。米国とは異なり、人々は精神障害に十分な注意を向けていない。タイでさえ、メンタルヘルス関連部署があり責任者が指定されている。
  • うつ病や他のメンタル疾患のは、しばしば自殺や心中のような罪をおかしている。(people suffering from depression and mental disorders often commit suicide or crimes including homicide)
  • うつ病の唯一の有効な治療は、専門家の診療を受けることだが、人々の知識は非常に限られており、精神科医の数は少ない。だから適切な治療を受けることは困難だ。
  • うつ病は、あらゆる年齢層、あらゆる階層にみられるとし、最近、バゴー管区での6年生の縊首の例をあげた。
  • また、精神障碍者を支援する社会機関がほとんどないことも指摘。
  • さらに募集を積極的に、精神科医を増やすよう努めると答弁。しかしながら、現状では精神科医が配置されている国立病院は51か所しかないとも(精神科病院2か所、中央レベル教育病院9か所、500床級病院9か所、200床級病院9か所、薬物依存症リハビリ病院2か所)
  • 本来の定員からすれば、上級精神科医(教授・専門医・准専門医)が133名必要なはずであるが、実際には59名しかいない。さらに、大学教員職の精神科医が111名定員なのに対しわずか23名しかいない。
  • 今後数年かけて増やしたい。この12月に専門医過程をおえた精神科医が24名おり、病院からリクルートされている。

この国のメンタル医療体制、精神科医の質は高く(問題なく、共通の常識で話が通じる)国中に2か所しかない精神科病院ではハイレベルな治療がおこなわれていながら、それを享受できる患者がほんのわずかであるというのが、毎度実感する問題点です。

しかしながら、メンタルヘルスに対する社会的関心が盛り上がりつつあるのは、希望の持てるサインです。

また、答弁に立っている保健スポーツ大臣は昨年、学会の懇親会で同じテーブルになりお話させていただきました。現状を正確に認識、何が必要なのか「わかってる人」だというのが実感で、期待しております。

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ネコのペットにご注意!

最近、日本のメディアでウルセランス感染症のコメントをしました。犬猫から感染する疾患はこれに限りませんのでご注意を。ラジオクラウドでお聴きいただけます。

福岡県で猫から感染した死亡例が発生、厚生労働省から注意喚起が出たものです。ウルセランス感染症ジフテリアに似た症状で、ミャンマーでは診断が難しいかもしれません。発生してそれが診断され公表されている先進国で、多いのは旧宗主国、英国です。飼い猫として濃厚接触する方はご注意。

こちらからお聴きいただけます。まんなかの△印をクリック

https://www.tbsradio.jp/217716

www.tbsradio.jp



ワンコインで功徳を積んで来世の環境を良くする方法:その5(鳥を放そう!)

 ミャンマーでワンコイン(500円以内)で徳を積んで来生の環境を良くする方法、その5は「鳥の解放」です。

 上座部仏教の考え方、富める者もそうじゃなくても、自分の出来る範囲でパヤー(寺院)に寄進したり、貧しき人々に施しをすれば功徳を積めて、よりよき来生に一歩近づくことになっています。だから、仏様が見ているパヤーでやるのが最も良いのでしょうが、パヤー外でもひとつ紹介。

 ミャンマーの路上や広場やパヤーの周辺に、鳥かごを抱えた女性がいます。概してこんなお疲れ気味の表情を浮かべていたりします。

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 かごの中には、動物愛護運動家が見たら目をむきそうな高密度で鳥が詰め込まれています。で、この女性になにがしかのお金を渡すと、かごの鳥を手渡ししてくれます。〇〇チャットちょうだいと言ってくることもあれば、ご随意にということで、500チャットか1000チャット札あげることもあります。ペット屋さんの商行為というより、とらわれた生き物を解放して功徳を積む行為ですから1万チャット札をポンと渡しちゃても、あなたの自由です。そして手渡された鳥を空に向かって放すと、空高く飛んでゆき、あなたには功徳がワンポイント積み上がり悟りに一歩近づいたという仕組みです。

 鳥かごを前に路上に座っているのは、写真のような女性です。赤ちゃんを抱えていますね。中国あたりでは物乞いに赤ちゃんをレンタルする商売があるとか、物乞いをたばねるシンジケートが赤ちゃんを調達するだとかいった話を、私はかつて北京在勤中に何度も耳にしましたが、まああちらは無宗教共産主義国家、功徳を積む話にはなっていないので、あちらはあちら、こちらはこちらで、そんな話にはとらわれないで、功徳を積みましょう。

 なお注意が必要なのは鳥インフルエンザの発生が報じられたとき。鳥の感染ならOIEから、ヒト感染ならWHOから発表されます。鳥インフルエンザのウイルスは、感染鳥類の腸管内で増殖し糞便中にウイルスが排出されます。おそらくこのおばちゃんから採血し抗体価を測定したら何がしかのものが出てきそうな気もしないでもありません。でも、ヒト感染が起こっていない間は、放鳥後すぐ手を洗う、サニタイザーですぐ消毒するという対応でよいでしょうが、ミャンマーでヒト感染が確認されたとWHOが発表すれば(その時には現地報道に大きく載るはず)、涅槃へ直行してしまってはシャレにならないのでこれはやめておいて、パヤーの仏様に金箔を貼りにで行くのが良いでしょう。

 

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ミャンマーの標準カレンダーはインテリアに

ミャンマーのカレンダー。まだまだイケてない水準で、日本へお土産として買って帰ろう!と考える人はあまりいないでしょう。でも、一番シンプルなやつが意外にも日本の部屋でインテリアになったりします。

ミャンマーの街角で売っているカレンダー。時折、ちょっと若めのアウンサンスーチー氏が登場したりするものの、いまひとつ食指が動かないものが多いのも事実。なかでも味も素っ気もない(はずの)標準カレンダー。仕事上、ミャンマーの休日を把握しなければならない人が買うぐらいでしょうか。

でも、日本に持ち帰ってみれば、意外とイイ!のです。

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  私が週に1回、当直バイトに行ってる病院。その当直室は白い壁が広がるばかり。病院の医師当直室ってインテリアを気にする人が誰もいなくて、ただただ白い壁がべたっと広がってるだけというのが割と標準だったりします。絵画がかかってる処は見たことない。せめて東横インにかかってるようなレプリカというか印刷物のでもあると良いのですが。

で、そういう殺風景なところにミャンマーカレンダー!
曜日占いの動物イラストは、定番として大昔から生き残ってきたイラストなので万人受けして割とどこでも溶け込みます。大書されたミャンマー文字もインテリアとしてなかなか。話題のネタにもなります。

ただし、昼間の(ミャンマー関係をのぞく)ビジネス空間ではあまり適さないかも。一昨年は、別の病院で医局の共用パソコン前に貼っておいたらいつのまにか撤去されてました。推測ですが、休日の赤文字が日本の休日と違う日についているので、なんか勘違いしてトラぶりかけた人がいたのかなあ・・(笑)ぼうっとして過ごす空間に良いようです。

なお、このミャンマー標準カレンダーは割といつでも、1年の半分以上は購入可能です。2月下旬に行っても普通に売られていますし、9月中旬頃には翌年のが出ています。ヤンゴンの街あちこちで売っていますが、観光や出張の短期間滞在で見つけやすいのはボージョーアウンサン通りでしょうか。サクラタワーから東(アウンサンマーケットと反対側)に歩けば、映画館前あたりの路上販売のおじさんがいます。そのまままっすぐ行けばスポーツ店街やルビーマートなど、私の愛するB級ショッピングエリアですからついでに色々と。西に向かえば、アウンサンマーケットに至る前にも色々路上販売のおじさんやミニ書店で見つけることが出来ます。お値段は1000~2000チャットぐらい。

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ミャンマーの標準カレンダー、日本に持ち帰るとなかなかステキなインテリアになります。殺風景なところ、ぼうっと過ごす空間にかけておけば、癒しにもなってお勧めです。

ワンコインで功徳を積んで来生の環境を良くする方法:その4(現金はこうやって寄付しよう)

ワンコインで功徳を積む方法シリーズ その3 はそのものずばり、現金にて功徳を積むお作法です。

 これまで、鈴や金箔や線香など紹介してきましたが、ずばり現金で功徳を積むにはどうするか。「ワンコインで~」シリーズですから、(別室ご案内とかにはならない)少額現金。

 有名大規模パヤーに行くと、donationと英語も併記されたドネーション窓口があります。そこへ行って、窓口にデンと座ったパヤー係員(おばちゃんが多い。日本では死語になりましたが「寺男」という言葉がある位、僧籍を持たず、お寺の雑用をやる人はかつて男性主体でした)に寄付したい現金を差し出せばさらさらっと領収書を書いてくれます。シュエダゴン、シュエモードーなどは窓口を探せばよいです。額の指定はありませんから、ワンコイン500円相当でもちろんOK。

 そこまで大規模じゃなくて、中規模パヤー、たとえばスーレーパヤークラスになると専用の窓口は見当たらず、ふつうの机にスタッフが座っています。「ドネーションドネーション」と声をかけて来る人もいれば、愛想せず座ってる人もいます。

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 さて、スタッフの手元に注目。左手には私が寄進した10ドル紙幣、右手に領収書の用紙。何をやっているのでしょう。

 渡された領収書を見てびっくり、ドル紙幣の番号を領収書に転記(!)しているのです。つまり、パヤーのおばちゃん達が絶対不正をしないように、(意外にも)性悪説にもとづきシステムがつくられているようです。

 寄付を受け付けたおばちゃん達は、基本的には不愛想のはずです。上座部仏教では、寄付とは功徳を積む行為で、来生、生まれ変わってからの幸福をゲットするための行為です。つまり、寄付を受け取る側の論理では、「受け取ってあげることで、寄付をする人の来生を幸せにしてやるのだから、寄付する側こそありがたがらねばならない」ということになります。途上国の駅や道端のレゲエな方々が概して不愛想なのはそういうことでしょう。したがって、受け取った側が「ありがとう!」と言うと、寄付した側の功徳がディスカウントされてしまうから、不愛想に受け取るのがむしろ正しかったりするはずなのですが・・・

 スーレーパヤーの外人慣れしたおばちゃん達は、(日本のファーストフード店員をも上回るほどの)満面の笑みを浮かべて「Thank you!」と言って手を振ってくれるのでした。。。

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 少額現金寄付の領収書はよい記念になります。一生大切にして、閻魔様に提出したら来生良い方向に指示していただけるかも。

 

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ミャンマーのケンタッキー1号店の定点観測 2017年9月の現状

ケンタッキー・フライド・チキン1号店、開店の年から継続的観察してヤンゴンの変化を考察するシリーズ。2017年9月の状況です。(過去のレポートは下にリンク貼っています)

2017年後半には少し大きな変化がありました。
ケンタッキー自体が、低価格路線に舵を切り表に打ち出しはじめた件。

店の前に大きく目を引くのが「WOW! SAVERS」「Lunch Savers」と、お値打ち感を打ち出したポスター群。1800~3500チャットに客単価のボリュームゾーンを下げて間口を広げるぞ! という意志が見て取れます。

以前からも、つつしまやかな選択をすれば、こういった値段で物足りない食事をすることは不可能ではありませんでした。しかし、このようなポスターを見かけることはなく、その値段で食べられるボリュームもこのポスターほどのものではなかった。

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さて、では店の雰囲気はどうなったか。

エントランスにスペシャルお姉さんが立ちドアを開けしめして、客を選別(とはちょっと大げさですが、身なりの芳しくない人が入りにくいよう心理的圧力をかけていた)頃とは打ってかわり、一般店員の姿もドアのところには見られません。

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 しかしながら、中に入ってしまえば、その構造・配置は変わっていない。

 下膳コーナーが店の奥に配置されているのは変わらず。出入口付近にあるのが下膳コーナーではなくてケチャップやナプキン置き場であることも変わらず。つまり、客は食べ終わったら一切合切をそこの残して立ち去り、食器は店員が回収して片づけるのを原則とする体制は何ら変わっていない。私としては、この下膳台が出入口付近に移動して客がセルフサービスで片づけるようになった時が一大ターニングポイントと考察するのですが、それはまだ先のようです。

 そして、私が食べ終わったとき、店員の視界範囲内だけれどもこちらを見ていないタイミングで、(日本におけると同様に)自分のプレートを持って立ち上がり下膳台に向かいつつ店員の反応を観察する・・・のを常としますが、その結果は、従来と変わらず。すなわち、弾かれたように店員がこっちに駆け寄ってきて(ミャンマーのサービス業離れした)満面の笑みを浮かべてプレートを(半強制的に)受け取るというレスポンスもまったく同じで、やはりこの空間がスペシャル感を残していることを示します。

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客層は、ケンタッキーの意志がある程度実現し、こうした汗臭さが漂うロンジーおっちゃんの姿が若干増えたような気がします。それでも、前のボージョーアウンサン通りの通行人全体のロンジー着用率に比べて店内のロンジー着用率はまだ少な目です。

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お得セットの価格は実際にもこんな感じ。満腹にはほど遠いですが、とりあえず3000チャット台。

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価格表。

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平均的客層は、まだ完全大衆化はしていませんね。

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ケンタッキー1号店、2017年9月時点の観察は、低価格路線に舵を切り間口を広げ、たしかに若干の効果は認められるが、まだ完全大衆化には至らずという要約になります。

過去の経過は以下ご参照ください。

 

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