ミャンマーよもやま情報局

関西福祉大学 勝田吉彰研究室。科研費研究でミャンマーに通っています。学会発表や論文には入らないやわらかいネタをこちらで発信しています。取材や照会など連絡先はこちらへ myanmar@zaz.att.ne.jp

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日本で騒動になった麻疹(はしか)はミャンマーでも要注意

今年2016年8月末から関西空港を舞台に日本中のメディアを賑わせた麻疹(はしか)騒動。これはミャンマーではしっかりと根付いた(土着の)ウイルスなので、在住の人も旅行の人も要注意。

日本については2015年3月27日にWHOが「排除宣言」を出しています。これは日本国内に根付いたウイルスはもう無いよというお墨付きですから、これ以降に確認された感染はすべて日本国外から持ち込まれたもの、およびその感染者からの二次感染に限られます。つまり日本は、はしかがない「清き国」ということです。とはいっても、清き国だ美しき国だと喜んでる場合ではありません。日本が清き国になって以降、国内でウイルスに接する機会は激減しました。自然に感染することが(ほぼ)なくなり、ワクチンを打っていなければ、「免疫なき無抵抗の人」になってしまいます。

では、「免疫なき無抵抗な人」がどこへ行けば危険なのか。いま、はしかが根付いた(土着の)国はどこか・・・

WHOの地図を見てみましょう。

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 いちばん濃~い焦げ茶色がついているのが中国・モンゴル・インド・インドネシア・マレーシア。2015年11月から2016年4月までの間に1000例以上発生しているグループです。

我らがミャンマーはと見てみれば、おなじ期間に10~99例。トップグループからは引き離されているものの、しっかり存在はします。実際に流行も時折あります。
この数字にしても、中央政府の権力が及ばぬ、砲弾飛び交うとまでは言わぬものの保健省の役人がとても立ち入れそうにない、映画ランボーに出てきそうな少数民族地区のジャングル村の発生まで含まれているとは考えにくいですから(つまり全部把握されているとは考えにくですから)、本当はもうちょっと濃い色が塗られるべきところなのかもしれません。

さて、WHOから麻疹排除宣言のお墨付きをもらった清き国から来た私たちはどうすれば良いのでしょうか。まず40代以上の人はまず大丈夫です。2008年までの日本は毎年、万の単位の感染者がいた”全然清くない国”でしたから(実際、2007年の流行では、お前ら本当に先進国か! と国際社会から怒られてた)自然に感染してふーふー言いながら抗体つくったグループ。そしてこの2007年に国際社会から怒られてワクチン2回接種の対策がとられて以降のグループは、(親がサボらずちゃんと予防接種を勧奨どおりにうけさせていれば)免疫をもっています。 そのはざまに抜けがある年代が20代後半から30代全般、そう、ヤンゴン駐在に多い世代と重なってしまうのです。

20~30代のみなさんは、母子手帳など確認したり親に確認したりして、2回接種をうけていなければぜひ接種をお勧めします。ヤンゴンでは主だった病院では接種うけられると聞いておりますが、一応確認してから行くのが良いでしょう。

はしかの詳細は

WHO | Measles Surveillance Data

麻しん・風しん |厚生労働省

ミヤネ屋で解説する機会をいただきました。こちらは日本国内向けに、今後、LCCの新規就航もありアジアとの往来がますます増えますから、輸入例が入ってくる可能性はいつでもあります・・・と説明しています。↓

情報ライブ ミヤネ屋 2016年9月6日 160906 [Polllak Mark] - YouTube

 

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ヤンゴン日本人会報に書きました①(ジカウイルス感染症)

ヤンゴン日本人会報に書いた原稿に、ちょっと追加して紹介。ジカウイルス感染症(通称ジカ熱)。このところシンガポールの国内感染が発生し話題になっているところに、フィリピンでも国内感染が確認されました。公式にはミャンマーではまだ報告されていませんが、そのXデーは近いのではとも思っております。(国内感染とは、国境を越えて他国から入ってくるのではなく、その国の中で感染が成立するという意味。たとえば日本では、ブラジルやポリネシアやタイで蚊に刺され感染した人が帰国して国内で受診・ジカと診断されたケースはありますが、日本国内の蚊に刺されて感染したケースは執筆時点でありません。これを、輸入例はあれど国内感染は無いということになります)

 

シンガポールの感染者は41例→82例→115例→・・・と連日、数字が跳ね上がっています。実はシンガポールは”飴と鞭”を巧みに使って媒介蚊対策(デング・ジカとも共通の蚊)に効果をあげており、蚊対策において東南アジア随一の先進国なのですが、そのシンガポールにおいてさえということでショックが広がっています。

ミャンマーシンガポールに比べて、途上国からの出稼ぎ労働者を引き付ける国ではありませんから、シンガポールよりは優先順位はあとなのでしょうが、一方でシンガポールで出稼ぎのミャンマー人は多く、これから連休等で帰国してくることは考えられます。

以下、会報の記述です

Yangon Japanese Association » No.5 ミャンマーに入ってくるかもしれない病気


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ミャンマーに入ってくるかもしれない病気 

~ジカウイルス感染症

ヤンゴンの皆さま、こんにちは。関西福祉大学の勝田と申します。

私は渡航医学と多文化間精神医学を専門とし、研究のフィールドとしてヤンゴンに年2回定期的に通っております。文科省管轄日本学術振興会の科学研究費に採択いただき、お国からいただいた資金でミャンマー通いさせていただいておりますので、現地の皆さまのお役に立てることをさせていただける機会があればと思っていたところ、今回、執筆のオファーをいただきました。折にふれてミャンマーの風土病やメンタルヘルスミャンマー人医師たちのディープな話など紹介させていただきます。

 

 さて、初回は少々緊急に知っていただきたいことです。すでにベトナムやタイなど隣国に感染者が出ていて、これからミャンマーに入ってくるかもしれない病気、ジカウイルス感染症です。この疾患はデング熱チクングニヤ熱と同じネッタイシマカやヒトスジシマカによって媒介されます。すなわち、デング熱が発生している場所では、そのウイルスを運ぶ“乗物(ネッタイシマカやヒトスジシマカ)”が存在しているわけですから、ひとたび患者さんが入ってこれば、蚊が媒介して爆発的に拡大します。いま世界中の注目を集めるのがブラジルをはじめとする中南米ですが、それまでまったく発生の無かったこれらの国々に一旦入るや、あっという間に中南米の流行地図が真っ赤になってしまいました。ミャンマーは本稿執筆の6月13日時点において発生は確認されていませんが、隣国タイで発生が確認されている今、入ってくるのは時間の問題と考えるのが自然でしょう。中南米にはアジアから旅行者によって持ち込まれたとされていますから、ミャンマーに入って来るときも、必ずしもタイーミャンマー国境の鬱蒼たる森林地帯を経てくるとは限らずヤンゴン空港から入ってくるのかもしれません。

 

 この病気が話題になっているのは、感染した妊婦から先天性異常のある赤ちゃんが生まれてくることが第一にあります。これは「小頭症」という頭が異常に小さいことが当初知られましたが、実は問題はそこにとどまらず、ウイルスが神経の元となる細胞を攻撃し壊してしまうため視力障害や知的障害も含めた非常に広範囲な障害が発生することが後になって分かってきました。また、赤ちゃんだけではなく、大人についても麻痺や感覚障害をともなう神経系の異常、ギランバレー症候群を起こすことも分かってきました。こうした先天性異常の問題から、WHOが非常事態宣言(PHEIC:国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態)を出しました。この宣言が出るのは2014年にエボラ熱が世界中を震撼させて以来です。

 

 さて、ではミャンマー生活では何に留意をすればよいのか。ひとつは蚊対策、すなわちデング対策と共通です。蚊に刺されない対策。個人防衛としては長袖長ズボンの着用、蚊帳の使用、蚊取り線香、虫よけスプレーです。虫よけは成分がDEETと表示され、その濃度が濃いものが長時間効果があるのでお勧めです。ヤンゴンで買えるのはオーストラリア製Bushmanが20~80%まであり品質も間違いありませんが、1本1万チャット以上とミャンマー庶民にとってすこぶる高価で需要が限定されるので、売られている店もFMIセンター地下の薬局とかシティマートの大型店とか“ハイソな場所”に限られて入手しにくいのがネックです。入手しやすいのはタイ製sketolene。オレンジ・緑・紫のラベルがありますが、オレンジがお勧めです。DEET 20%。1本2000チャット弱で、小さ目のシティマートにも置いてあります。余談ですが、日本では厚労省の妙な規制(その経緯はかなりアバウト)により最高12%までしか販売できませんので、日本製では2時間までしか有効ではなく、しょっちゅう塗りなおさねばなりません。筆者は自分で使用する分はミャンマーに来たときに買い込んで帰ります。ミャンマーでも街中の雑貨屋でも売ってるインド製odomos(激安350チャット!)や昨年から登場したミャンマー国産のは同様に12%、2時間ごと塗り直しです。あとタイガーバームのパッチ貼薬なんてものも目撃しますが頼りないので手を出さない方が無難(右手に貼って左足まで効くかというとはなはだギモン)

 蚊の習性にも注意しましょう。蚊が好むのは炭酸ガスが多く、体温が高めの人です。すなわち「酔っぱらった人」と「しらふの人」がいたら前者を好みます。また服装は前記の長袖長ズボンのほか、白い服が寄ってきにくくリスクが減らせます。以上がデング熱と共通の注意ですが、もうひとつ、デング熱にはなくジカ独特のことがあります。それは「性交感染」です。感染男性の精子中に長期間ウイルスが残ることがわかっています。そこでWHOは新たな基準を出しました。
1.流行地から帰国した男女は、8週間のあいだ、セックスをひかえるかコンドーム使用すること。

2.発熱・湿疹・結膜炎など何らかの症状があった男性は、6か月のあいだ、セックスをひかえるかコンドーム使用すること。

今後の経緯によりミャンマーが流行地になってゆけば、滞在中は避妊(精子中のウイルスを散らさないのが目的ですから、ピルなどでは意味がなく、コンドーム)、帰国後も8週間または6か月間要継続です。

なお、蚊に刺されてはいけないのは予防のためだけではなりません。もしジカやデングに感染してしまったら、その感染者も蚊に刺されてはいけないのです。感染者が刺されると、その蚊が媒介して別の人に感染拡大してしまいますから、なお蚊対策に細心の注意を払ってください。

 こうした個人防衛と並んで社会防衛も大切です。すなわち蚊を極力発生させないこと。自宅や周辺を点検してください。花瓶の水が古くなっていないか、植木鉢の受け皿は、溝が淀んでいないか、バケツや容器に雨水がたまりっぱなしになっていないか、、、シンガポールでは当局がときどき一般家庭までガサ入れして、何度か警告しても放置する家からは罰金を取り上げる(!)という強硬策で効果をあげました。今住んでいるのがヤンゴンではなくてシンガポールぐらいの緊張感を持っていただければ、少なくとも自宅周辺(職場周辺)のリスクは減らせるかもしれません。

WHOのジカ流行地図。この地図でベトナムに色がついていませんが、韓国にてベトナム渡航歴のジカ感染者が確認されていますから、感染存在すると解釈できます。

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WHOのジカ発生国マップ

 

ミャンマー大地震の状況 2(個人投稿の迫真動画)

ミャンマーM6.8の状況。まだ現地メディアの画像は情報省からのものが多いようです。イラワジ紙からは独自映像がいろいろ出ていますが。そんななか、個人の投稿に迫力動画があります。

 

個人サイトから

မဟူရာ နတ္သမီး さんのサイト

現場の人々の絶叫が入っている動画

www.facebook.com

今回の地震では液状化が目立ちます。その噴出するところの迫力動画

www.facebook.com

ミャンマー大震災の状況(2016.8.24)

ミャンマー大震災@M6.8  日本のメディアはイタリアのM6.2 ばかり報じておりますので、より深刻なミャンマーの現地状況をこちらで発信します。

1.震源
米により震源地の地図はこちら

M6.8 - 25km W of Chauk, Burma

http://earthquake.usgs.gov/earthquakes/eventpage/us10006gbf#map

2.ミャンマー情報省の画像
バガンで60ヶ所以上の寺院が倒壊

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液状化も深刻

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https://www.facebook.com/MOIWebportalMyanmar/?hc_ref=NEWSFEED

credit MOI

3.Youtubeにアップされた上記場所の動画

www.youtube.com

人的被害状況はまだ明らかになっていません。懸念されます。

【追記】
Myanmar Timesの記事です

www.mmtimes.com

【追記】0:00JST現在、主要メディアは被災地に入れていない模様。
イラワジも7Daysも11も、画像は情報省の画像転載のみ。

【追記】
日本の報道が出だしています。さすがミャンマー、これがラオスならこうはゆかなかったでしょう。

ミャンマーでM6・8、パガンで94の仏塔損傷 : 国際 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

日本のデング熱輸入例、ミャンマー発は5位だけど渡航者のリスクは世界一かもしれない

日本の国立感染症研究所(感染研)から、「 日本の輸入デング熱症例の動向について」というレポートが出ています。ミャンマーはメダルこそ逃したものの、渡航者あたりでみればダントツになりそうな勢いです。蚊にはご注意を。。。

感染研から発表された数字はこの通りです。
ミャンマーからは、軍事政権最後の2011はゼロ。民主化され”ミャンマー詣で初年”の2012年にいきなり6例。翌13年も6例と横ばいの後、2015年には16例に倍増以上です。

他国と比べてみましょう。インドネシア・フィリピン・タイ・マレーシアあたりがメダリストです。2015年のデータではフィリピン>インドネシア>マレーシア>タイ、その次点がミャンマーということになります。でも、現地にいる日本人数(在留邦人数)はまるで違いますね。ミャンマーより上位の国々はいずれも「万の単位」、ミャンマーと一桁違う数が在住しています。 さらに観光客となると(データはないものの)たとえばタイへバカンスに行く人数はミャンマーに遊びにゆく人数と比べて実感として2桁ぐらい違うかもしれません。

【追記】外務省海外在留邦人数調査統計、2015年10月現在の在留邦人数の数字です。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000162699.pdf

ミャンマー   1776人 (輸入例16例)
インドネシア 18463人  (同 66例)
マレーシア  22774人  (同 75例)
フィリピン  17021人  (同 27例)

分母がこれだけ違う中で輸入例数はせいぜい4~5倍どまり。さらに観光客まで入れれば割合の差はぐっと広がります。

ミャンマー渡航者ひとりあたりのリスクは、世界一といってもよいかもしれません。
現地では蚊にご注意。

デング熱を媒介するネッタイシマカ・ヒトスジシマカの行動様式は、昼間~夕方にかけて吸血。また、普段はやぶに棲息していて吸血対象の動物が50cmぐらいに近づくと行動する「まちぶせ型」です。したがって、昼間に草木の生えているところから数メートル以上距離をとればリスクはずっと減らすことが出来ます。そして長袖長ズボン、虫よけスプレーでしっかり自衛してください。 

 

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www.myanmarinfo.jp

 

 

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21世紀のパンロン会議を前に波高し

 少数民族との和解をめざしアウンサンスーチー氏主導の「21世紀のパンロン会議」。8月31日の開催を前に、少数民族リーダーたちが何やかや注文をつけて、波高しの雰囲気です。

1947年にアウンサン将軍がシャン・カチン・チン族の頭領たちと合意を交わしながら翌年暗殺されてしまった遺志を引き継いで、アウンサンスーチー氏が民族和解を目指す21世紀のパンロン会議。しかし、一体誰が招かれるのかえ? と癖のある方々がいろいろイラワジ紙に語ってみたりと前途は平穏ではないようです。

9民族から成るUnited Nationalities Federal Council (UNFC)スポークスマンNai Hong Sar氏は、一体誰が招かれるのか聞いていない。あらかじめ明らかにして調整されるべきだ、会の開始までに聞きたいことは山ほどあるとブツブツ。

関心は、一部民族が署名拒否している停戦協定NCA(National Ceasefire Agreement)に署名した民族だけが招かれるのか、それともワ族のように署名していない民族まで含めて招かれるのかという点。それが明らかになれば出席するけれど・・と含みを持たせています。

前政権時に組まれたUnion Peace Dialogue Joint Committee(UPJDC)をそのまま進めてゆくだけでは道を誤るよとのウォッチャーの声も紹介されています。

まあ、そうは言っても会議開催前に新方針を明らかにすれば、そっぽを向いて足を引っ張る向きも必ずや出てくるでしょうから、アウンサンスーチー氏が方針について黙秘を貫いているのもわかる話ではあり、前途予想つきません。

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そんな中、会議に先立つ実務者会議も政党・軍・政府が参加して行われています。

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www.irrawaddy.com

http://www.irrawaddy.com/burma/suu-kyis-rushed-peace-conference-worries-ethnic-leaders.html

 

ようやく始動したミャンマー版110番は、「199」にかけよう

日本の110番に相当するミャンマーの緊急ダイヤル「199」番が今年2015年7月4日にヤンゴンで運用開始してから1か月ちょっと経った様子。

 

ダイヤル199センターは、総勢48名がシフト勤務。1年365日24時間運用です。
ヤンゴンの47警察署と結ばれています。
7daysの記事によれば、泥棒から蛇に噛まれたまで様々な用件でひきもきらず、1日平均1800件ほど通報があるとか。

なかには不適切なコールもあるようです。2017年から、携帯のSIMカードについて登録が義務付けられるようになり(注:これまで登録の仕組みがなくて、SIMカードを安価に買ってしまえば、いたずら電話をしようが犯罪に使おうが特定されることはなかった。その点でも一歩進む予定)、そうすれば不適切コールも減るだろうとの見通し。

コールセンターの様子は「素朴」のひとこと。パソコン端末もなく、通報のたびにボールペンで紙に記録を書いています。おそらくはここらへんも、将来、一夜にしてガラリと変わるということがあるのかもしれませんが・・・

警察への電話は「199」(または01 2323 199)、おぼえておきましょう。

 

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ソースは7Days

199 ျပန္လာၿပီ | 7Day Daily - ၇ ရက္ ေန႔စဥ္ သတင္းစာ

http://www.7daydaily.com/story/72438

 

 

「はしか」でバタバタ子供が亡くなる現実が明らかになった(ナゾの病気騒動の顛末)

先日紹介した、ナガ州で30人以上の子供が謎の病気でバタバタ亡くなっていることが国外からの報道で明らかになっている問題、顛末は麻疹(はしか)だったということで決着。

 

詳細は先日の記事をご覧いただくとして、ナゾの奇病が麻疹だったというのは、これはこれで大変ショッキングなことです。

1.そもそも麻疹に感染するという時点で、ワクチン接種が行き渡っていないことの証明。欧米先進国では、予防接種が行き届き、麻疹撲滅している。日本は先進国としては一歩遅れて(途中、カナダへ行った修学旅行生が旅行中に集団発生してカナダ当局に批難されるという国際的赤っ恥なんて歴史を経つつも)、なんとかWHOの麻疹撲滅認定に漕ぎつけている。しかしミャンマーナガ州では麻疹ウイルスが暴れ放題だということが分かった。

2.麻疹の診断能力がない。この病気にはコプリック斑だとか二峰性発熱だと発疹だとか、まあ30年前に卒業した管理人でさえ、学生時代に試験のヤマだっ!とネジを巻かれた(口頭試問で出てこなくてどやされた)思い出があるのですが、そういう知識が現地医療にはなく「ナゾの奇病」になってしまう。→血液検体を都会に送って初めてわかる

3.小児科の全身管理能力がない。麻疹だと診断できたとして、特効薬があるわけではない。発熱の管理、脱水の管理、重症化の把握、環境管理・・・ということがキチンとできれば、実は2.の診断の遅れは少々なら挽回できないこともない。麻疹と診断できてなくても対症療法やってるうちに持ち直す可能性。しかしこの部分もダメだったことが分かった。

 なお、この病気は小児期に感染もせず予防接種もせず(あるいは効力切れ)、大人になって罹るとかなりキツイことになります。ミャンマーで麻疹ウイルスが暴れ放題なことが明らかになりましたので、上記に該当する方はあらかじめ赴任前に接種受けられると良いかもしれません。

また、予防のひとつとして「ひとごみに入らない」ことも重要です。2014年米国LAのディズニーランドで、どこかの国から麻疹が持ち込まれ、その人込みで感染した人々が帰宅してカルフォルニア中に麻疹が発生してしまったという一大事件がありました(こういう大勢が集まる場所を介してというのをマスギャザリングといい、メッカ巡礼・オリンピック等々で公衆衛生関係者をにぎわせる一大テーマになっています)。ヤンゴン駐在では、人ごみを避けようという意志があれば、それは東京より容易なことでしょう。意識いただければと思います。

www.myanmarinfo.jp

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画像ソース:近畿大学保健管理センター

麻疹の解説

麻疹(ましん)|目で見てわかる子どもの病気|子どものホームケアの基礎

ソースはoutbreaknews

Myanmar outbreak mystery solved: Measles behind deaths of 30 plus people in remote north | Outbreak News Today

 

2万以上のいいね。またまたタンシュエ孫のFBにミャンマー中が沸いている

ミャンマー人がもっとも注目しているFBのひとつ、タンシュエ氏の孫。
しばしば度肝を抜く画像をアップして目が離せませんが、今回アップした動画はもう・・・百聞は一見に如かず、まずはクリックしてご覧ください。

URLは

https://www.facebook.com/Chelseafc0014/videos/1396713357012467/

www.facebook.com

実はこれ、パロディになっていまして、原作はこちら。英のバンド、The FiveのUntil the Time is Throughのプロモーションビデオです。
見比べてみてください。

Five - Until the Time Is Through - YouTube

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驚くことに、原作と比べてまったく遜色ありません。明らかにプロがつくっています。
これだけの俳優を集めてこれる財力とあわせて、ただ嘆息なのですが、ミャンマー庶民もなぜかこのお方の湯水のごとき・・・にはあまり怒らずに2万以上の「いいね」がついていたりします。

タンシュエ孫の行動には興味が尽きませんが、それに対するミャンマー庶民の反応にも興味が尽きません。

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原作のFiveについてはWiki参照ください。

Until the Time Is Through - Wikipedia, the free encyclopedia

 

 

ミャンマー・ナガ州で小児30名以上がナゾの病気で亡くなっていると国際報道に載っているが・・・

ミャンマーの外側から国際報道で伝わってきた「ミャンマーの子供が詳細不明の疾患で30名以上バタバタ亡くなっている」話。

ミャンマーーインド国境のナガ州で、6月中旬から正体不明の(感染症と目される)疾患で少なくとも30名以上の子供がばたばた亡くなっていると、現地当局者の声と伝える形で、カナダCBCやアジアタイムズなどが報じています。血液検体はザガイン州に送られて結果待ち。

現地はミャンマー最貧地区で医療施設も不十分、通常なら助かる疾患も重篤化してしまうと現地当局者の声。あわせて、今回の件でもミャンマー政府からまったく支援を受けていないと言っています。

以上事実関係。

さて、この、「子供がバタバタと亡くなる正体不明の奇病話」はアフリカあたりでは時々報じられてきます。よくあるパターンは、マラリアです。次いで消化器感染症あたり。これらは適切な投薬とケアがあれば本来回復すべきで、日本国内で亡くなることはまずありませんが、しかし、その両者ともないのが途上国の中のさらに最貧地区。

ただ、この記事によれば呼吸困難を主訴とするとも書いてあり、鳥インフルエンザなども視野には入ってきます。ここらへんが遺伝子変異をともなうと、かなり気になる話にもなりうるわけで、正式な結果発表が待たれます。 

 

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At least 30 children dead in Myanmar from unknown disease - Health - CBC News

Disease kills more than 30 children in remote Myanmar - Channel NewsAsia

 

TBSへの署名運動、まだの方はこちらのサイト御覧ください

ミャンマー人は既婚男性が母親に抱きつき胸に触れるというTBSの番組に、在日ミャンマー人社会(に限らず)が沸騰している問題。署名サイトが立ち上がり1万署名まであと二息ほどです。よろしければどうぞ。

いま在日ミャンマー人社会が地団太ふんでる問題。昨日も都内で、とあるミャンマーと話しているときもこの件話題になりました。

TBS系の番組で「家族の生活習慣など(※例えば、結婚している28歳の息子が母親のおっぱいを揉むこと、上半身裸になった父親が義理の娘に背中を掻いてもらうこと、息子が母親を寝る前にハグすることなど)に関する話が取り上げられました。(原文ママ」ということがあり、ミャンマー人社会が動揺し憤慨し署名活動を展開しているもの。

隣国の国々とは異なり、ミャンマーの人々はこういう扱いに慣れておらず、ある意味ナイーブでもあります(要望は謝罪と賠〇なんでことはもちろんなく「面談などで直接話をする機会を設けて」とまあ、素朴で控えめです)。やはりここは(署名運動で要求されているように)きちんと面会して説明すべきでしょう。

署名は、日本人の多くが賛同して7600人あまり(執筆時点)です。
まずは署名サイトの趣旨文からご覧ください。

 

www.change.org

https://www.change.org/p/tbs%E3%82%88-%E3%83%9F%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%81%AF%E3%81%9D%E3%81%86%E3%81%84%E3%81%86%E5%9B%BD%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%84%E3%82%88?utm_source=action_alert&utm_medium=email&utm_campaign=622808&alert_id=XjoXrjeNsd_D6yKVAvwLIQU0J8MvH35nkq0AFh%2BK6B490lzmsFDg2w%3D

(以下、一部コピペ)

要 望 書 

前略

不躾なお手紙をお許しください。日本在住ミャンマー人の率直な声をお伝えしたいと思います。

2016 年 5 月 24 日 19 時 57 分、TBSテレビで放送された番組「世界の日本人妻は見た」の中でミャンマーに嫁いた日本人妻が紹介されました。58分間の放送では、ヤンゴン市に住んでいる日本人女性がミャンマー人男性と結婚し、2人の結婚生活の様子や、男性の家族の生活習慣など(※例えば、結婚している28歳の息子が母親のおっぱいを揉むこと、上半身裸になった父親が義理の娘に背中を掻いてもらうこと、息子が母親を寝る前にハグすることなど)に関する話が取り上げられました。しかし、それはその家族独特の生活習慣であって、多くのミャンマー人に共通する生活習慣ではありません。放送された内容はあくまでその家族の生活習慣に関するものです。しかし、番組の司会者たちはこれを一般化するようなコメントを繰り返しました。あたかもそれがミャンマー人の一般的な生活習慣であるかのように意見を述べている箇所が何回も流されました。そのような正確でない意見を述べているのを見たミャンマー人のみならず、ミャンマー人と親しくしている日本の方たちも非常に不愉快な思いをしました。もちろん、納得もできません。その正確でない内容の放送を見られたであろう、数多くの日本の視聴者の方たちが在日ミャンマー人たちに対して偏見を抱いてはいないか、そして社会的な問題が引き起こされないか、懸念が拭えない状態です。

番組中の誤解を与えるような言葉使いやコメントなどにより、日本の小中高などで学んでいるミャンマー人子女への悪影響も考えられます。いじめの問題に発展する危惧さえあります。また、さまざまな職場に採用され、働いているミャンマー人も周りの日本の同僚から嫌な質問をされたり、差別的な扱いを受けたりするような問題が発生しています。この放送のために日本で生活している大勢のミャンマー人たちは、屈辱を受けたり不愉快な思いをするなどの深刻な問題を抱えています。(以下、サイトへ)

 

ミャンマーのe-VISA、2016年7月時点の所要時間は12時間ちょい

e-VISA の所要時間。

今回の手続きでは、

申請受付(受取通知のメール)7/27 0:10

発給(ビザが添付ファイルで送られるメール) 7/27 12:27

所要時間は12時間17分でした。

いま、暑い暑い、雨もザーザーなミャンマーは観光としてはシーズンオフです。ビザ発給件数はピークではないので、こういう時間で発給されたということかもしれません。必ずしも「早くなる一方」なわけではないと思われますので、申請する方はたっぷりと余裕をとりましょう。たっぷりと。

www.evisa.moip.gov.mm

 

 

蚊対策の産経記事、取材コメントしました(2016.7.12)

ミャンマーのみならず日本でも蚊のシーズンに入り、蚊対策の報道が出ています。管理人が産経新聞の取材コメントをしましたので、よろしければご参照ください。うまくまとまった良記事です。

ジカ熱やデング熱…蚊が媒介する病気は様々 「刺されない」対策しっかりと


最後の方で、「虫よけは2時間おきに塗りなおして」と発言しておりますが、これは、DEET濃度が12%までしか認可されていない日本向けの発言です。ヤンゴンでは20%は簡単に入手でき、店は限られますが80%もオーストラリアから入ってきていますので、それらを使えば2時間おき塗り直しの必要まではありません。

 

www.myanmarinfo.jp

 

 産経本紙のほか、sankeibizにも転載されています。

日本社会全体に、蚊は単に不快なだけではなく、防がなければならないものだという観念が、具体的な知識をともなって根付いてゆけばと願っています。

sankeibizのURLは
http://www.sankeibiz.jp/econome/news/160716/ecb1607161708001-n3.htm

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(以下コピペ)

ジカ熱やデング熱…蚊が媒介する病気は様々 「刺されない」対策しっかりと 

海や山など野外で活動することが増える夏は、蚊も活発に活動する時期。蚊は、ジカ熱やデング熱日本脳炎などさまざまな病気を媒介する。これらの感染症が流行する地域へ渡航する人はもちろん、国内でも蚊に刺されないための対策をしっかりすることが大切だ。(平沢裕子)

 東南アジアで流行

 蚊が媒介する感染症には、ジカ熱▽デング熱▽ウエストナイル熱▽日本脳炎チクングニア熱マラリア▽黄熱-などがある。いずれもウイルスや原虫などの病原体を持った蚊に刺されることで感染、発症する。

 ジカ熱は、五輪開催地のブラジルなど中南米で流行し、五輪への影響が懸念されているが、関西福祉大の勝田吉彰教授(渡航医学)は「タイやフィリピン、ベトナムなどアジアでも流行している。日本国内へは往来の多いアジアから持ち込まれる可能性が高い」と指摘。海外で感染し、帰国後に発症した海外感染者は7人確認されており、空港では中南米やアジア地域への渡航者に向け、ポスターや電子看板で注意を呼びかけている。

デング熱も、シンガポールベトナム、タイなどアジアで患者が増加。今年は6月26日までの海外感染者が153人に上り、すでに昨年同時期(110人)を上回っている。

 ジカ熱やデング熱は2~12日の潜伏期間を経て発症する。主な症状は、ジカ熱は、発疹▽結膜炎▽頭痛▽倦怠(けんたい)感▽発熱、デング熱は、突然の高熱▽頭痛▽関節痛-などだ。厚生労働省東京検疫所検疫衛生課の永井周子さんは「どちらも多くの場合、症状が軽く、1週間ほどで治る。全く症状の出ない人も半数以上いる」と指摘する。

 ただし、デング熱はごく一部の人が重症化し、死亡することもある。また、ジカ熱は、感染した母親が小頭症の子供を産んだり、手足のまひを起こすギラン・バレー症候群を発症したりすることもある。小頭症リスクの高さから、厚労省は妊婦や妊娠予定の女性に対し、ジカ熱流行地への渡航を控えるよう勧めている。

ワクチン接種を

 日本脳炎や黄熱は、発症すると死亡のリスクが高く、予防のためにワクチン接種が勧められる。

 日本脳炎ワクチンは定期接種となっており、1期(生後6カ月~7歳5カ月)に3回、2期(9~12歳)に1回の計4回接種する。これとは別に、副反応報告を機に積極的な勧奨が差し控えられていた平成17年度から21年度にかけて、接種の機会を逃した20歳未満で21年10月1日までに生まれた人は「特例対象者」として未接種分を定期接種として受けられる。

 黄熱は、南米やアフリカなど流行地への渡航者は入国前にワクチン接種が求められる。

 性行為でも感染

 蚊が媒介する感染症の予防は、蚊に刺されないことに尽きる。東京医科大病院渡航者医療センターの浜田篤郎教授は「ジカ熱やデング熱を媒介するネッタイシマカやヒトスジシマカは主に日中に刺す蚊。野外で活動することが多い日中の虫よけ対策をしっかりしてほしい」と注意を喚起する。

虫よけ対策には、長袖・長ズボン着用や虫よけ剤の使用が挙げられる。虫よけ剤は、「ディート」や「イカリジン」などの有効成分が含まれるものが勧められる。勝田教授は「最低でも2時間おきに塗り直して」と話す。日焼け止めを使う場合は、日焼け止めを塗った後に虫よけ剤を使う。

 海外の流行地域から帰国した人は、国内での感染を防ぐため、症状の有無にかかわらず、2週間は蚊に刺されないようにする。

 また、ジカ熱は性行為でも感染する。国立感染症研究所は、流行地に滞在中はもちろん、帰国後も8週間は性交渉を控えるかコンドームを使うよう呼びかけている。

 ■高濃度の虫よけ剤を迅速承認へ

 虫よけ剤は有効成分の濃度が高い方が長持ちする。しかし、現在、日本で販売されている商品は、ディート濃度が12%以下、イカリジンは5%以下。このため、厚生労働省は6月、ディートは30%、イカリジンは15%の濃度の製品が申請された場合、迅速に審査を行い、承認すると発表。これを受け、アース製薬フマキラーはディート30%の製品を申請中。不備がなければ、同省は9月30日までに承認するとしている。

 

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無差別発砲に出遭ったとき思い出すべき単純なこと:字幕つきビデオを見ておこう

無差別発砲事件に出遭ってしまったときにとるべき行動。日本語字幕つきビデオです。
ミャンマー生活においても、ゼロとは言い切れませんし、イスラム教徒に対するあまり温かくない世論や怖いお坊さん問題もあります。一度は見ておいて損はない動画。

 

www.youtube.com

https://www.youtube.com/watch?v=tCEuKEIbB_M

 

海外派遣者のメンタルヘルス 毎日新聞にコメントしています

海外勤務者のメンタルヘルス。グローバリゼーションとともにそのすそ野は年々拡大して大きな問題になっています。派遣元企業は現地の状況に絶えず気を配り、ルーチンにコンタクト続けてメンタルヘルスを支援する必要があります。海外駐在員の自殺をめぐる紛争案件から、毎日新聞に取材コメントしました。

本文は下記ペーストのとおりです。
海外赴任者に対してどのようなケアが必要なのか、私がミャンマーに通いながらデータ集めをやっているのもその追求が目的のひとつです。そして渡航医学会や多文化間精神医学会では毎年活発なディスカッションが展開しています。

海外駐在員の人口に膾炙する「OKY(オマエガ キテ ヤレ)」という言葉に象徴されるごとく、日本の本社が現地の状況に無関心、あるいは情報を得ないまま現実離れした支持を出し(評価をし)、現地駐在員がますます疲れ果ててゆく問題。そして企業としてメンタルケアにもっともっと目を向けてゆくべきであるとの指摘はこれまでもいくつかのメディアでおこなってきたところですが、今回、有名企業の訴訟案件から取材をいただいたのは好タイミングでした。

今回の件で犠牲となられた若手社員の方には、心から哀悼の意を表したいと思います。

mainichi.jp

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<海外出張中の自殺>両親に解決金500万円で和解 - BIGLOBEニュース